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第4回大岡山健康講座開催報告

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6月27日、東工大リベラルアーツ研究教育院は、大岡山駅上にある東急病院との共催で、本学メインキャンパスのある大岡山駅の周辺地域や東急線沿線にお住まいの方々を対象にした「第4回大岡山健康講座」を開催しました。 当日は97名の参加があり、健康に対する関心の高さが伺えました。

東急病院の母体である東京急行電鉄株式会社(以下、東急電鉄)は、2015年3月に従業員の健康管理を行う優良企業として経済産業省と東京証券取引所より「健康経営銘柄」に選定されました。それに伴い、東急病院のある大岡山駅周辺を「健康ステーション大岡山」と称し、健康の発信拠点として、さまざまな取り組みを実施しています。東工大も、リベラルアーツ研究教育院の林直亨教授の監修のもと、健康啓発ポスターの作成や、工大祭でのウォーキングイベントの開催に取り組んできました。 本講座も、この取り組みの一環として、2部にわたって開かれました。

第1部「しなやかな「こころ」のつくり方」

  • リベラルアーツ研究教育院 永岑光恵准教授

リベラルアーツ研究教育院 永岑光恵准教授

永岑准教授は、ストレスメカニズムを専門に研究を行っています。今回の講演では、しなやかな「こころ」を持つことの重要性について話しました。壊れることなく、もとの形に戻れば、物理学的にその物体は「レジリエント」であると表現されます。

人が逆境を跳ね返して生き抜く力は何なのか、1970年代からレジリエンス(しなやかさ)を対象とする研究が行われてきました。2012年には、『ネイチャー(Nature)』と『サイエンス(Science)』という有名科学誌でレジリエンスがトピックスとして取り上げられるなど、近年注目されています。

永岑准教授は、しなやかな「こころ」の主な構成要素は、「社会的なつながりがある」「認知的な柔軟性がある・対処への自己効力感がある」「人生の意味、目的を知る」の3つであると説明しました。

特に、「社会的なつながりがある」という点については、従来から健康を害するものとしてよく知られている喫煙や多量飲酒に匹敵するくらい、社会関係の喪失が死亡リスクを高めることを明らかにしたホルト・ランスタッドら(2010)の研究を紹介しました。

続いて、しなやかな「こころ」の向上につながるアプローチ方法として、ストレス対処方法を多く持つことが重要だとし、意識して増やすように勧めました。

永岑准教授は「しなやかな『こころ』は私たちにもともと備わっています。それに気づき、日々鍛えながら、より良い『しなやかさ』を作っていきましょう」と語って講演を締めくくりました。

第2部「糖尿病ってどんな病気?病気の理解と予防」

  • 東急病院 友安雅子医師、宗村文江看護師長

今回の講演では、友安医師から糖尿病について、宗村看護師長から糖尿病の治療と予防について話がありました。

友安医師

東急病院 友安雅子医師

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)の量が、通常よりも多い状態が続く病気です。血糖値が高くなっても自覚症状がほとんどないまま、全身の血管が障害を起こすため、早期発見と適切な治療(食事・運動・薬物)が大切だと話しました。

現代では、日本人の40歳以上の3人に1人が、糖尿病または予備軍です。その歴史は古く、網膜症、神経障害を引き起こし、敗血症で亡くなった藤原道長も糖尿病だったのではないかと言われています。

糖尿病の初期症状はほとんどありませんが、症状が進むと、多尿や、水分を多くとる、空腹感が強くたくさん食べる、体重が減る、疲れやすい、手足が痺れるといった症状が現れます。さらに進むと合併症の危険が高まり、神経障害や網膜症、腎臓障害といった糖尿病の3大合併症を起こす可能性があります。

最後に友安医師から、「糖尿病を放置していると、気付かないうちに合併症が進行します。糖尿病の合併症を防ぐためには、糖尿病や耐糖能異常を早期に発見し、適切に治療することが重要です」との助言がありました。

耐糖能…血糖値を正常に保つ働きのこと。

宗村看護師長

東急病院 宗村看護師長

糖尿病の主な治療方法としては食事療法、運動療法、薬物療法があります。標準体重に合わせた適正カロリーやバランスの良い食事を心掛け、炭水化物のみを極端に制限して減量をはかることは現時点では薦められていないと説明しました。

運動の効果としては、血糖値を下げる、体重を減らす、インスリン感受性の改善などの効果があり、医師のチェックを受けて、病気の進行に合わせた内容で運動することが必要です。

まずは食後の高血糖に注意するよう指摘がありました。一般的な健康診断は空腹時に行いますが、空腹時の血糖値が低くても、食後に測ってみると血糖値が高くなるという糖尿病予備軍の方が多くいます。食後の血糖値の上昇を予防するために、野菜を最初に食べる、ゆっくり食べる、食後に歩行などの軽い運動をすると効果があります。また、肥満になると血糖値が上昇して糖尿病になるリスクが高まるため、食事の仕方・内容に気を付けながら適度な運動をするなど、肥満にならないよう気を付ける必要があります。

宗村看護師長は最後に、「自覚症状が出ていなくても、早期に異常を発見することが大切なため、健康診断を定期的に受けましょう」と呼びかけました。

リベラルアーツ研究教育院

リベラルアーツ研究教育院 ―理工系の知識を社会へつなぐ―
2016年4月に発足したリベラルアーツ研究教育院について紹介します。

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お問い合わせ先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

Email : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975


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