11月18日、大岡山キャンパスにて、東京工業大学博物館と目黒区教育委員会による連携講座が開催されました。2010年度に始まり通算8回目となる今回は、東京工業大学博物館の遠藤康一特任講師(建築学)のナビゲートによる「東工大キャンパスの歴史とツアー」です。多数の応募の中から抽選で、26名の目黒区在住、在勤の方々が参加しました。
参加者は東工大蔵前会館(TTF)1階に集合し、博物館副館長の亀井宏行教授、目黒区教育委員会の松田ひとみ氏の挨拶に続き、遠藤特任講師によるレクチャーが始まりました。TTF、附属図書館(通称、チーズケーキ)、70周年記念講堂、本館前プロムナード(ウッドデッキ)、本館(時計台および中庭講義棟)、西1号館(旧分析化学教室)、百年記念館※の順にめぐりながら、それぞれの建物の特徴やキャンパスの形成についての解説がありました。坂本一成名誉教授が設計したTTFには、駅前とキャンパスをつなぐもう一つのゲートの役割も込められているという説明に、近隣在住の男性参加者からは「普段毎日のように散歩で通っているけれど、知らなかったのでまた見方が変わった」との声があがりました。
70周年記念講堂ではスライドを用いたミニレクチャーが行われました。「近代日本の工業を担う指導者・技術者の育成」を掲げ、現在の台東区蔵前に設立された東京職工学校(後の東京工業学校、東京高等工業学校)のキャンパスと、関東大震災を機に大岡山に移り、地域と共に発展してきた現在までの本学の姿について、解説がありました。蔵前時代のキャンパス図が紹介された時には、参加者のみなさんは身を乗り出して聞き入っていました。また屋外のツアーでは、写真を撮りながらそれぞれの建物の由来や特徴に関する解説に耳を傾け、それぞれが目と耳からキャンパスを体感していました。 今回のツアーでは、70周年記念講堂や西1号館(旧分析化学教室)の人気が高く、「タイル貼りが素敵」「他の建物とは違った趣がある」との声から、歴史的な建物への関心の高さが伺えました。
講座後アンケートには「今日の説明内容は、目黒に70年近く住んでいる者として、とても良かった。いつも桜を見るだけでしたから。小・中学生にも役立つと思う」「東工大の歴史がよくわかった。建築デザインのことも勉強になった」「今まで、東京工業大学の歴史にあまり興味がなかったけれど、この講座に参加して、今まで歩いていた所が昔の人の努力と情熱によってできたものだと知り、改めて感心しました。」と、近隣在住のみなさんから東工大への親近感を感じたとの声が多く寄せられました。
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- 現在、空調改修工事の為休館中(2018年6月末開館予定)
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- 12月27日14:30 本文中に誤りがあったため、修正しました。