10月18日、東工大を含む日本8大学とスウェーデン7大学をメンバーとする大学間連携プロジェクトMIRAI(ミライ)が主催する4日間のイベント「MIRAI 博士後期課程学生向けショート・コース-サステイナビリティ」の最終日のプログラムが東工大で開催されました。
MIRAIは、サステイナビリティ、材料科学、エイジングの3つの分野を中心に日本とスウェーデンの共同研究を推進し、若手研究者の育成・交流を目的として、2016年に始動した2国間プロジェクトです。発足以来、重点3分野の研究セミナーを毎年実施しています。この博士後期課程の学生向けのコースはMIRAIプロジェクトの新たな取り組みとして、2018年より行われています。
同コースは、「持続可能な水循環のための膜技術」をテーマとして、本学科学技術創成研究院の山口猛央教授、広島大学の都留稔了教授、スウェーデン・ルンド大学のフランク・リプニツキ教授がMIRAI加盟大学の博士後期課程の学生向けに共同企画した短期コースです。約4日間にわたって実施された同コースは、広島大学での講義と施設見学(10月15 - 16日)、滋賀での東レ工場の見学(10月17日)、本学での講義とグループワーク(10月18日)で構成され、日本側から9名(本学4名、広島大学5名)、スウェーデン側から5名(ルンド大学4名、ストックホルム大学1名)の計14名の学生が参加しました。
本学から物質理工学院の下記4名の学生が参加しました。
- 奥山浩人さん(応用化学系 博士後期課程2年)
- ハフィス・プラタマさん (応用化学系 博士後期課程2年)
- イェンヴィラチョン・チャヤパさん(応用化学系 博士後期課程1年)
- ル・クァン・フイさん (応用化学系 博士後期課程3年)
コース最終日のプログラムは東工大で行われ、午前は、山口教授、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の鍋谷浩志食品研究部門長、工学院大学の赤松憲樹准教授が、膜技術に関連した講義を行いました。午後は、大学混成の5つのグループに分かれて、水資源や膜技術に関連した下記の5つのトピックスから選んだ題目について議論し、ポスター発表を行いました。
- A.
- いかにして、膜技術を効率的に途上国に輸出・普及させるか
- B.
- 日本・スウェーデンの公共水供給システムを比較し、途上国に有望なシステムを提案
- C.
- 自然災害に強い水・エネルギーの新たなインフラを提案
- D.
- 海洋エコシステムを管理・保全するための効率的方法を提案
- E.
- いかにして、膜技術を農水産・酪農業等で持続可能な生産・消費に貢献させるか
ポスター発表終了後、会場を移して修了式が行われ、参加者全員に、山口教授、リプニツキ教授より修了証が手渡されました。また、参加者全員による投票により、Bのトピックスについて発表を行った、広島大学のワン・チンさんとルンド大学のクリストファー・ハーグさんのグループが「最優秀発表賞」を受賞しました。
参加学生は充実した4日間のプログラムを終了し、笑顔で東工大を後にしました。
次回の博士後期課程学生向けショート・コースは来年の春、スウェーデンで開催される予定です。
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