東京工業大学では海外への留学を希望する学生のために、さまざまな留学プログラムを用意しています。1週間程度からの短期留学プログラムをはじめ、1年以上の長期プログラムや、派遣交換留学(授業料等不徴収協定校への留学)など、豊富な選択肢のなかから、自分に合った内容を選ぶことができます。また、所定の条件を満たした場合、参加した派遣プログラムを単位化することも可能です。
2019年度の「工系学生国際交流プログラム」「TAIST-Tokyo Tech学生交流プログラム」に参加した学生たちは広域教養科目の「国際研究研修」を履修しました。また「東工大-MIT学生交換プログラム」「ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ」「「派遣交換留学」に参加した学生たちは「グローバル理工人研修アドバンスト」を履修しました。これらの科目は修了要件の一つとして英語による発表を課されています。その英語での発表の場となる5プログラム合同の「留学報告会」を、5月22日オンラインにて開催し、9名の学生が自身の留学体験を報告しました。
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工系学生国際交流プログラム
工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院の3学院は、国際的感覚を持つ工学を専門とする高度技術者を養成するため、所属学生を海外の大学等に派遣する支援を合同で行っています。この学生国際交流プログラムは、海外で様々な国の研究者や学生と共に研究を行うことで、専門性を深め、さらにはより広範な先端科学技術と知識を学びながら異文化に触れることにより、学生自身の修学意欲の一層の向上と国際意識の涵養を図ることをねらいとして実施しています。
TAIST-Tokyo Tech 学生交流プログラム
“TAIST (Thailand Advanced Institute of Science and Technology) - Tokyo Tech”は、タイ政府からの要望により、タイにおける理工系分野での高度な「ものつくり人材」の育成と研究開発のハブ作りを目指して、2007年に設立された国際連携大学院プログラムです。
東工大-MIT学生交換プログラム
世界最高峰の理工系大学であるマサチューセッツ工科大学(MIT)と東工大との間の単位互換、授業料不徴収を伴う約5ヶ月間の派遣留学プログラムです。MITでは原子力工学科に在籍し、指定科目(原子力工学入門)を履修することが必須ですが、それ以外はMITの提供する学部授業の広範な科目が選択できます。MIT教員に直接研究指導を受けることも可能です。
ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ
日本とヨーロッパの産業協力を推進するため、日本国籍を持った理工系大学生(3年生以上)・大学院生を対象に、欧州で研修(語学研修4ヶ月及び企業研修8ヶ月)を行うプログラムです。派遣期間は4月から3月までの1年間で、奨学金が支給されます。また、語学研修中の授業料および宿泊費用は日欧産業協力センターが負担します。
派遣交換留学
本学と海外大学との授業料等不徴収協定に基づき、派遣するプログラムです。単に語学力の向上だけでなく、自身の専攻分野についての講義履修や研究指導を受けることを目的としています。協定大学は世界に70大学以上あり幅広い選択肢から選ぶことができます。
2019年度派遣生の報告会
今回の報告会は、新型コロナウイルス感染症拡大防止により学内にて開催することができなかったため、オンラインによる発表となりました。派遣先大学と発表者(計9名)は以下の通りです。(敬称略)
派遣先大学・機関 |
参加プログラム |
発表者(所属・学年は発表当時) |
留学期間 |
---|---|---|---|
モラトゥワ大学(スリランカ) |
工系学生国際交流プログラム |
2019年12月 - 2020年3月 |
|
マドリード工科大学(スペイン) |
2019年8月 - 2020年3月 |
||
ミュンヘン工科大学(ドイツ) |
2019年11月 - 12月 |
||
マサチューセッツ工科大学(米国) |
MIT学生交換プログラム |
2019年8月 - 2020年1月 |
|
インド工科大学マドラス校、JICA (独立行政法人国際協力機構) |
派遣交換留学 |
2019年7月 - 2020年2月 |
|
カリフォルニア大学バークレー校(米国) |
2019年8月 - 2020年3月 |
||
タイ国立科学技術開発庁 |
TAIST |
2020年2月 - 3月 |
|
Belgian Ceramic Research Centre (ベルギー) |
ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ |
2019年4月 - 2020年3月 |
留学経験者の報告
環境・社会理工学院 建築学系の早田大喜さん(修士課程2年)/ モラトゥワ大学(スリランカ)へ留学
私が留学を決意したのは修士課程も半分ほど過ぎたころで、周りよりもかなり遅かったが、それでもおよそ半年ほどの準備期間を経て4カ月間留学することができた。世界への視野・知見を広げたい、ということが、私が留学を志した大きな理由のひとつであった。大学には世界中から学生が集まっており、彼らとコミュニケーションをとることで、スリランカにいながらにして世界中の様々な文化・習慣に触れることができた。私の目的の大部分は留学生コミュニティに参加することで達成されたように思う。
また研究においても、指導教員や客員教授として訪れている教員と接することで、その国での発達している研究分野や研究のスタンスの違いを知ることができた。指導教員と約2週間に一度のペースでミーティングを行い、その都度、研究の進捗を報告し、指導を受けた。モラトゥワ大学には研究室に所属する制度がないため、製図室やリーディングルームで作業をした。私の研究ではフィールドワークが多かったため、1週間ほどの調査旅行と大学での作業を交互に行っていた。かなり辺鄙な場所にも調査対象があったので、事前にしっかりとフィールドワークの計画を立て、現地で調査の取りこぼしがないよう細心の注意を払った。
総じて、今回の留学で私は自分のやりたかったことのおよそすべてを達成できたように思う。加えて、留学によって世界における自分の位置をより正しく把握できるようになったと考える。今後修士研究に取り組むにあたって、今回の留学で得た世界への視座に基づき、自分の研究の向かう先を考えていきたい。
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モラトゥワ大学製図室
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実施調査で訪れた紅茶畑と併設の喫茶店
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早田さん(右)と2019年に東工大の
サマープログラムへ参加したSalikaさん(左)
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実地調査で訪れたリゾート施設
環境・社会理工学院 融合理工系の佐藤八起さん(修士課程1年)/ マサチューセッツ工科大学へ留学
MITの講義はタフだ。1科目につき、週5時間分の授業に加え、平均7時間以上かかる課題が毎週課され、加えて予習のリーディングが山ほど出る。MITの学生はこれを5つも6つも履修するらしいので驚いてしまう。私は3科目+研究を履修するので精一杯だったが、学んだ知識は確実に自分のものになっている。厳しい学期をやり抜いたことは自分の自信につながっている。
プログラム参加において最も重要なのは、好奇心を大切にするということだ。MITでは学びの機会が十分すぎるほどにある。専門だけに限らず、他の文化的活動も盛んだ。また、街全体に学生を応援するような雰囲気がある。そのため、街にも学びの機会は多くある。それらを最大限に生かすには好奇心が必要だ。無機質な部屋に閉じこもっているよりは、外へ出て好奇心に従って行動した方が、充実した日々を送ることができるだろう。幸いにもボストンは文化的活動をするにはもってこいの場所だ。キャンパスからほど近い場所には美術館や科学館があり、街の中心にはアメリカの歴史を堪能できるスポットがいくつもある。好奇心に従って大いに学べば、この留学は非常に実り多いものとなるはずだ。
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新学期オリエンテーション(前列最左が佐藤さん)
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MIT日本人会にて(右が佐藤さん)
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MITのシンボルでもある建物、通称グレート・ドーム
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ボストン科学博物館
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