東京工業大学 物質・情報卓越教育院(TAC-MI)は、12月10日と11日に2020年度の国際フォーラムを開催しました。物質・情報卓越教育院では、国際コミュニケーション力の向上を図ることを目的として、学生が海外アドバイザー教員や企業関係者、本学プログラム担当教員を前に英語での研究発表を行う国際フォーラムを毎年1回開催しています。司会進行や質疑応答もすべて英語を使用します。
博士後期課程学生計25名が英語で発表
今年度は、博士後期課程1年19名と博士後期課程2年6名が英語でのプレゼンテーションを行いました。博士後期課程2年の10名は全体の運営や司会を担当しました。2日間のフォーラムには、本プログラムの連携企業関係者や本学プログラム担当教員、TAC-MI学生など約100名が参加しました。
オンライン開催となったため、時差などの関係で参加が難しかった海外アドバイザー教員は、後日、発表の録画映像を見て、学生と面談を行い、アドバイスしました。
1日目の12月10日は、物質・情報卓越教育院の山口猛央教育院長と同教育院教育委員会の後藤敬委員長が開会の挨拶をしました。続いて、東京大学大学院新領域創成科学研究科の津田宏治教授の講演「Automatic design of functional molecules and materials(機能性分子および材料の自動設計)」を聞きました。
博士後期課程1年が研究発表
12月10日と11日午前に博士後期課程1年の学生19名の研究発表を行いました。1人あたりプレゼンテーション15分、質疑応答5分の持ち時間で進めました。
国際フォーラムでの博士後期課程1年の研究発表は、本教育院登録学生の関門の一つである「博士論文研究基礎力審査(Qualifying Examination)」の一部を兼ねています。発表を行う学生は、自身のこれまでの研究の意義と成果についてのプレゼンテーションを行い、発表後には活発な質疑応答が行われました。
上記審査とは別に、全ての研究発表を聞いた参加者による投票を行い、11日午後の閉会式で、最も票の多かった学生1名にベストプレゼンテーション賞が、続いて票が多かった学生3名にグッドプレゼンテーション賞が贈られました。
ベストプレゼンテーション賞
Gekko Patria Budiutama(ゲッコ・パトリア・ブディウタマ)さん
グッドプレゼンテーション賞 1
Chen Xiao(チェン・シャオ)さん
グッドプレゼンテーション賞 2
小林柊司さん、井上恵希さん
博士後期課程2年が自主設定論文の進捗状況を発表
12月11日午前、博士後期課程1年の学生による研究発表に続き、博士後期課程2年の学生6名が自主設定論文の進捗発表を行いました。
自主設定論文では、自らの博士論文研究とは異なる課題を自主的に設定して研究します。自身の専門と異なる研究室に2週間程度滞在し研究を行う「物質情報異分野研究スキル」や海外インターンシップなど、TAC-MIで得た学修成果を活用します。専門分野の枠を超え、物質と情報を用いた複素的な新しい考え方を持つ独創的な研究を自立的に行う能力を身につけることが目的です。登録学生は、博士後期課程2年の6月の成果発表会もしくは12月の国際フォーラムにて、研究の進捗状況を発表した上で、博士後期課程修了時までに研究結果を報告します。今回は6月に報告を行った4名を除く6名が進捗発表を行い、出席者からのフィードバックを受けました。
企業メンターとの面談
国際フォーラムでの研究発表が終わった後、博士後期課程の学生と企業メンターとの面談を行いました。本教育院では1人の学生に対して、1人の企業メンターがつき、教育院登録当初から修了まで継続的に見守っていきます。学生は面談を通して、自身の強み弱みを把握するだけでなく、研究や発表、キャリアパスなど様々なアドバイスを受けました。
企業の方と学生が交流を深めるため12月10日の夕方と11日の午後の2回に分けて、交流会を開催しました。交流会では、6~8名程度の少人数でブレイクアウトセッションルームに分かれ、各ルームで交流を深めることができました。
面談や交流会、発表後のフィードバックシートを通じて、企業の方からアドバイスを受ける機会は、学生にとって貴重な経験となりました。
物質・情報卓越教育院では、持続可能な社会を構築するための新産業創出を担う人材を育成するため、企業の方々も参加するイベントを今後も開催していきます
「物質×情報=複素人材」を育成する卓越した博士教育
物質・情報卓越教育院(TAC-MI)は、本学から申請した2018年度卓越大学院プログラム「『物質×情報=複素人材』育成を通じた持続可能社会の創造」が文部科学省に採択されたことにより、2019年1月に設立されました。
本教育院では、複眼的・俯瞰的視点から発想し、新社会サービスを見据え、情報科学を駆使して独創的な物質・情報研究を進める「複素人材」を産業界とともに育成します。
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