東京工業大学は5月26日、留学イベント「東工大から世界へ~海外留学のススメ~」をオンラインで開催しました。東工大の国際教育について説明するとともに、【留学】と聞くと必ず気になる【就活】【奨学金】【準備】の3点セットに重点を置き、肩の力を抜いて【留学】を考える機会となりました。在学生だけでなく、高校生や保護者、教職員を含め、計122名が参加しました。
毎年、「東工大留学フェア」を開き、留学プログラムや外国語学習支援の担当者、大使館などの外部団体が会場内にブースを設け、学生に情報提供を行ってきました。昨年は新型コロナウイルス感染拡大のため開催を見送り、今回は2年ぶりにオンラインで開きました。
いつでも留学できるように今しかできない準備を
プログラムの進行は、生命理工学院生命理工学系の林宣宏教授が担当し、まず高田潤一副学長(国際連携担当)が本学の国際教育について、国際教育推進機構の太田絵里特任教授が本学の教育プログラム「グローバル理工人育成コース」について説明をしました。
その後、コロナ前とコロナ禍に留学を経験し、これから長期留学を控える工学院機械系の久保田健太さん(学士課程4年)が、自分の留学体験とコロナ禍での英語学習について話しました。ブレイクタイムには、本学の派遣交換留学協定校からのメッセージビデオも流れました。
後半では最初に、公益財団法人経団連国際教育交流財団の駒井永子事務局長が「グローバル人材を目指す東工大生に期待すること」と題し、経団連が行っているグローバル人材育成の奨学金事業などを紹介しました。同財団が提唱するグローバル人材とは、経団連と国公私立大学の代表者で構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が2020年3月に公表した報告書に盛り込まれたSociety5.0時代が必要とする素養でもあり、海外留学がその一つであると話しました。
続いて、田中麻理子さん(2016年社会理工学研究科社会工学専攻修士課程卒業)が、「留学と就活(キャリア)」について話しました。田中さんは2014年に派遣交換留学でスウェーデンにある王立工科大学(KTH)に留学しました。留学と就活の両立や、就活するうえで留学が与えた影響について経験を話しました。
最後に、留学経験者や希望者が集まる東工大の留学促進学生団体FLAPのメンバーによる視聴者参加型の留学クイズ大会が行われました。
プログラムを通して、「コロナ禍で自由に海外に行けない状況が続いてはいるものの、いつ渡航してもいいように今できること、今しかできない準備をし、ぜひ留学にチャレンジしてもらいたい」というメッセージを留学を目指す学生に送ることができました。
終了後のアンケートでは、約8割の方から「イベント参加前より海外留学に挑戦したくなった」と回答がありました。
留学フェアのロゴに注目
本イベントで「東工大留学フェア」のロゴがお披露目となりました。このロゴは篠原彬さん(2021年環境・社会理工学院建築学系建築学コース卒業)が制作しました。篠原さん自身もイタリアに留学し貴重な経験となったそうです。ロゴ完成に至る経緯、在学生へのメッセージを伺いました。
篠原彬さんについて
氏名・活動名
本名:篠原彬 活動名:芦藻彬
卒業年度・所属
2021年東京工業大学環境・社会理工学院建築学系建築学コース卒業
プロフィール
建築漫画家。2018年、ジヘンより「微分、積分、世界の終わり」でデビュー。執筆活動と並行して建築学を学び、2019年イタリアのUniversita IUAV di Veneziaに留学。イタリア・ヴェネツィアで一年間連載原稿を執筆。自家製本レーベル「羊々工社」も主催している。古代オリエント建築漫画「バベルの設計士」、単行本上下巻が実業之日本社より発売中。バベルの設計士 (上)|実業之日本社
ロゴに込めた想い
初めは飛行機、地球、窓といった「留学」を彷彿とさせるモチーフを元にイメージを膨らませ、「窓」から、東工大のロゴを思い出しました。スタンプみたいだな、と思って眺めていたところ「パスポートに押すスタンプ」という案を思いつき、「東工大のロゴが四角いから、留学フェアは丸くしよう」「丸を地球に見立てて、枠からはみ出て飛び立っていくツバメをデザインしたらどうだろう?」とアイデアが連鎖し、完成版に至りました。
学生の皆さんへ
私自身大変お世話になり、実現への大きな一歩を与えてくださった東工大留学フェア。実際に行った留学は、フェアで夢描いた以上に刺激的でかけがえのない時間が溢れていました。枠にとらわれない、あなただけの留学ライフを!