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東京工業大学原子炉工学研究所設置50周年記念講演会を開催

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東京工業大学原子炉工学研究所は、1964年に附置研究所として改組以来、今年で50周年を迎えたことを記念し、9月13日に大岡山キャンパスの西9号館ディジタル多目的ホールで記念講演会を開催しました。

「東電福島事故後の原子力再生」をテーマとした行われた講演会には、文部科学省をはじめ、大学関係者、原子力関係機関、企業関係者、学生及び一般参加者など約220名が参加しました。

講演に先立ち、三島良直学長が挨拶とともに、研究所が中心となって文部科学省に提案し8月20日に採択が決まったばかりのプロジェクト「廃止措置工学高度人材育成と基盤研究の進化」を紹介するなど研究所への期待を述べました。瀬戸信太郎 文部科学省研究振興局学術機関課学術研究調整官、藤田玲子 日本原子力学会長からそれぞれ祝辞をいただき、矢野豊彦研究所長が研究所の歩みについて説明を行いました。

三島良直東工大学長

三島良直東工大学長

瀬戸信太郎学術研究調整官

瀬戸信太郎学術研究調整官

藤田玲子原子力学会長

藤田玲子原子力学会長

矢野豊彦原子炉工学研究所長

矢野豊彦原子炉工学研究所長

その後、中西友子 原子力委員の「東電福島原発事故と今後の科学のあり方」を皮切りに講演会が開始されました。続いて吉澤厚文 原燃輸送株式会社社長からは「東電福島事故から学ぶ」と題した講演がありました。吉澤氏(本学出身)は、震災当時の東京電力福島第一原子力発電所(東電福島第一原発)ユニット所長です。故吉田昌郎(本学出身)東電福島第一原発所長とともに、文字通り命がけで事故の終息にあたられた臨場感が、講演会場にひしひしと伝わりました。講演後の質疑応答も非常に活発に行われ、聴衆からは、「この講演を聴けただけでも今日来たかいがあった。」と絶賛されました。

中西友子原子力委員

中西友子原子力委員

吉澤厚文原燃輸送社長

吉澤厚文原燃輸送社長

休憩を挟み、研究所の最先端研究の一例として、池田泰久 原子炉工学研究所教授から「東電福島原発事故で発生した放射性廃棄物の合理的な処理・処分システム構築に向けた基盤研究について」の紹介がありました。最後は、松井康真 テレビ朝日記者による「マスメディアから見た原子力」と題した講演が行われました。原子力に係わるようになった経緯、現場での生々しい取材状況やその報道など、普段は聞けないマスメディア側からの話を聞くことができました。

その中で松井氏(本学出身)は、チェルノブイリ原発事故の時から原発問題への勉強の必要性を感じ、25年を経てやっと本格的に勉強ができる環境になったのが、東電福島原発事故の数ヶ月前であったと語りました。勉強のため休暇をとって私費で出かけた青森県・六ヶ所村の核燃料サイクル施設の見学中に東日本大震災に遭遇し、それを機に原子力担当となったそうです。また、理系出身アナウンサーならではの鋭い視点から取材活動を行い、精巧な原子炉建屋の模型を作って視聴者に判りやすい解説の一翼を担っていたことなど、非常に感銘深い内容でした。

池田泰久東工大教授

池田泰久東工大教授

松井康真テレビ朝日記者

松井康真テレビ朝日記者

講演後の質疑応答も予定時間をオーバーするほど活発に行われ、講演会は盛会裏に終了しました。

講演会の様子


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