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高田潤一教授が日本ITU協会賞功績賞を受賞

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東京工業大学環境・社会理工学院の高田潤一学院長・融合理工学系教授が、日本ITU協会賞功績賞を受賞しました。日本ITU協会賞功績賞は、世界情報社会サミットにおける基本宣言および行動計画の実現および国際標準化、国際協力に関するITU等の活動またはわが国のITU等に関連する諸活動に貢献し、その他情報通信および放送の発展に寄与し、その功績が著しい個人または団体に贈呈されます。5月17日、「第54回世界情報社会・電気通信日のつどい」において贈呈式が執り行われました。

受賞の対象となった業績は「異システム間の周波数共用技術の高度化に関する研究開発をはじめ、学会で高く評価される実績を有するとともに、総務省情報通信審議会における携帯電話等高度化委員会の主査を務めるなど貢献。更に国際貢献として1995年以来JICAの途上国への国際協力に携わり、複数国の大学の教育・研究の向上、人材育成を行うことを通じて、情報通信社会の発展に寄与してきた。」で、3種類の貢献が評価を受けました。

異システム間の動的な周波数共用技術の高度化は、無線通信システムの社会基盤化の促進とともに逼迫する周波数資源をより有効に活用するために、世界に先駆けて日本が本年度導入を開始したもので、高田教授は空間的な周波数共用に必要となる電波伝搬予測技術の高度化に貢献するとともに、ステークホルダーとの対話を通じた共用条件決定のプロセスにも関与しました。

総務省情報通信審議会の下で、高田教授は、2002年より様々な電波利用システムの技術的要件、特に異なる電波利用システム間の共存条件について、委員会・作業班・技術試験事務などの様々なレベルで作業や議論に参加し、学識経験者という中立的な立場から客観的・建設的なステークホルダー間の利害調整に当たってきました。

高田教授は1994年に日本学術振興会による東南アジア諸国との拠点大学方式学術交流事業のコーディネーターとして本学理工学国際交流センターに採用され、インドネシア・フィリピン・タイの大学との工学分野における教員交流事業の運営に携わりました。これを契機としてJICAが実施する数多くの工学高等教育協力事業に関与し、これらの地域における学部・大学院教育および研究活動の拡充に貢献してきました。現在もカンボジア王国産業開発のための工学教育研究強化プロジェクトチーフアドバイザー、アセアン工学系高等教育ネットワーク(SEED-Net)プロジェクト分野別幹事大学委員、ラオス国産業発展のための工学人材強化プロジェクト業務実施担当を務めています。

高田潤一学院長・教授のコメント

この度日本ITU協会賞功績賞を受賞致しました。研究成果ではなく社会貢献に対して贈られる本賞を受賞できたことを大変光栄に思います。無線通信に関する実用化研究や制度整備への協力と並んで、特に長年の工学高等教育協力への貢献を評価頂いたことは喜ばしい限りです。

私は1994年に東南アジアとの学術交流事業のコーディネーターとして本学に採用されました。まだ研究を行うこと自体が少なかった東南アジアの大学との研究交流のために、本学や国内協力大学の教員に現地への派遣や研究者の受け入れをお願いするのが仕事でした。人材育成の一環として快諾いただく先生も多かった一方で、研究にプラスにならないと頭ごなしに断られる先生も多く、どうしたら日本の先生にも利益があるのだろうかと考えて、まずは自分自身が交流事業に飛び込んでみた、というのが、工学高等教育協力への長い関わりの最初のステップでした。2001年には国際開発工学専攻に異動となり、当時の専攻では開発協力に資する人材の育成を謳っていましたから、自分自身がロールモデルとなるべく、国際開発の実践という観点から改めて工学高等教育協力について取り組んできました。

若いうちからこの分野に飛び込んだことで、自分の経験が浅いが故に、上から目線や一方的な押し付けといった国際協力の望ましくないパターンに陥ることなく、向こうの先生方と現地の状況をみながら一緒に考えることができました。その結果として、共同研究がうまく行けば共著論文が出る、優秀な学生や若手教員がいれば大学院や短期留学で指導ができる、学内では若いうちから経験することの少ない仕組みづくりや組織のあり方を一緒に考えることができる、など、私にとっては良い事ずくめでした。

本学は全国の国立大学の中でも工学高等教育協力への貢献が突出して大きいことが知られております。先輩の先生方の惜しみない貢献も受賞の後押しになったものと考えており、感謝いたします。また、若手の先生方にもこのような機会をぜひ活かして頂きたいと考えております。

授賞式での高田教授(右)と山川鉃郎日本ITU協会理事長(左)

授賞式での高田教授(右)と山川鉃郎日本ITU協会理事長(左)

日本ITU協会について

ITU(International Telecommunication Union:国際電気通信連合)は1865年の万国電信条約に端を発し、電気通信の良好な運用により諸国民の間の平和的関係及び国際協力並びに経済的及び社会的発展を円滑にすることを目的として設立された世界最古の国際機関です。一般財団法人日本ITU協会はITUの各種活動に関して日本と世界を結ぶ役割を担って設立されたものです。

環境・社会理工学院

環境・社会理工学院 ―地域から国土に至る環境を構築―
2016年4月に発足した環境・社会理工学院について紹介します。

環境・社会理工学院

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

お問い合わせ先

環境・社会理工学院長・教授 高田潤一

Email takada@tse.ens.titech.ac.jp


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