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「東工大キャンパスアジアプラス・オンラインサマースクール2022」を開催 アジアのトップ理工系3大学から10名が参加

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東京工業大学は、7月19日から7月25日の土日を除く5日間、キャンパスアジアプラスのオンラインプログラム「Tokyo Tech CAMPUS Asia Plus Online Summer School 2022」(以下、サマースクール)を開催しました。キャンパスアジアプラスは文部科学省「大学の世界展開力強化事業」の一環として、東工大、中国の清華大学、韓国科学技術院(KAIST)、シンガポールの南洋理工大学(NTU)の4大学が共同運営する教育プログラムです。2022年度のサマースクールは、新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンラインで実施し、東工大、清華大学、KAISTから10名の学生が参加しました。

今回のサマースクールは、「科学技術におけるアート思考」をテーマとしたチームプロジェクト/チームプレゼンテーションをメインとし、それに加えて連携大学の学生を対象とした日本語授業、東工大生によるバーチャルキャンパスツアー、ハイブリッド理研ツアーで構成されました。

チームプロジェクト

今回の参加学生は3大学混合の2チームに分かれ、本学の未来社会DESIGN機構(DLab)が作成した、「ありたい未来を描く『未来シナリオ』」に倣い、自分たちが想像する2050年、2100年の「未来シナリオ」作りに取り組みました。理工系を専門とする参加学生にとって、SDGsなどの社会課題に科学技術の知識を用いて解決策を提示するだけでなく、アート思考を取り入れるという点が、これまでにない挑戦になりました。このチャレンジを支えるため、各チームには本学のエンジニアリングデザインコースの大学院生がメンターとしてサポートに入り、必要に応じてアドバイスをしました。各チームがプレゼンテーションに向けてディスカッションを進めるにあたり、今回のテーマ「科学技術におけるアート思考」に沿った3つの特別講義は学生にとって不可欠な情報となりました。

3名の教員による特別講義

特別講義1

多摩美術大学 美術学部情報デザイン学科 久保田晃弘教授
地球外生命への芸術的アプローチ(Artistic Approach to Extraterrestrial Life)

特別講義2

東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 伊藤亜紗教授
アートによる障害の再定義(Reframing Disability through Art)

特別講義3

東京工業大学 物質理工学院応用化学系 中嶋健教授
ナノ、マクロ、そして未来をつなぐ(Connecting Nano, Macro, and the Future)

連携大学の学生を対象とした日本語授業

今回のサマースクールでは、連携大学の学生を対象に、100分×6コマのオンライン日本語授業を提供しました。参加者は、あいさつや自己紹介、「~があります」「~が好きです」などの表現を学習しました。途中、東工大生も参加し、一緒に日本語でのカフェのメニューを考えるなどの交流も行いました。

東工大生も参加しての日本語授業

東工大生も参加しての日本語授業

東工大生によるバーチャルキャンパスツアー

連携大学の学生に東工大のキャンパスを紹介するため、東工大生によるバーチャルキャンパスツアーを行いました。大岡山駅前からスタートし、正門、百年記念館、Taki Plaza、附属図書館、本館などを生中継で案内しました。大岡山キャンパスの主要な建物を紹介するだけでなく、東京の真夏の空気感を伝えるツアーとなりました。

Taki Plazaのバーチャルキャンパスツアー

Taki Plazaのバーチャルキャンパスツアー

ハイブリッド理研ツアー

埼玉県和光市にある理化学研究所を参加学生1名とメンター、プログラム担当教職員が訪れ、ハイブリッドでの理研ツアーを行いました。日本の代表的研究機関を訪問する機会を本学学生および連携大学からの参加学生に提供し、日本の科学技術の最先端と国際化などの取組みを紹介する貴重な機会となりました。

理化学研究所 仁科加速器科学研究センター 渡邊康特別嘱託研究員によるセンターの案内

理化学研究所 仁科加速器科学研究センター 渡邊康特別嘱託研究員によるセンターの案内

チームプレゼンテーション

サマースクール最終日の各チームによるチームプレゼンテーションには特別講義を担当した久保田教授、中嶋教授も同席し、各チームが考えた2050年、2100年の未来シナリオを発表しました。各チームの未来シナリオには、考えられる課題と科学技術とアート思考によりどのように解決するかが盛り込まれ、発表後には、参加学生と教員による活発な意見交換が行われました。

チーム Chocolate Coffee

  • 2050年 Autonomous Flying Cars(自律型フライングカー)
  • 2100年 Brain to Brain Communication(脳から脳への情報伝達)

チーム Chocolate Coffeeの2100年未来シナリオ

チーム Chocolate Coffeeの2100年未来シナリオ

チーム SHYMY

  • 2050年 All children get education opportunity with the help of AI(AIの力ですべての子どもたちに教育の機会を)
  • 2100年 Interstellar: Traveling universe freely(インターステラー:宇宙を自由に旅する)

チーム SHYMYの2050年未来シナリオ

チーム SHYMYの2050年未来シナリオ

修了式では、参加学生とメンターによる投票で選ばれた学生に、それぞれ「最もチームワークに貢献したで賞」「最もデザインに貢献したで賞」「最も創造性に貢献したで賞」が授与されました。最後に、"CAMPUS Asia"の "C"のポーズでグループフォトを撮影し、サマースクールは幕を閉じました。

修了式後に"C"のポーズで撮影したグループフォト

修了式後に"C"のポーズで撮影したグループフォト

参加学生の声

生命理工学院 生命理工学系 学士課程4年

プログラム参加経験を今後どのように活かしたいか

今回学んだことの中で、特に今後に生かしたいと思うのは、グループディスカッションの進め方です。グループで議論する際に、他の人の意見を取り入れたり、グループとしての意見をまとめたりするためには、自分の意見との共通点や相違点を見つけ出し、関連づけていくことが大切だということを学びました。このことは、今後グループディスカッションをする際に役に立つと思います。また、議論の場でなくとも、普段の生活で人の話を聞く中で共感したり違いを見つけ出したりすることができれば、より有意義な会話ができると思うので、意識していきたいです。

同様のプログラムへの参加を希望する後輩へアドバイス

本プログラムに参加することは、英語でのディスカッションの練習になるだけでなく、普段あまり考えないような話題について議論することで、思考力を養うことにもつながると思います。自分から積極的に意見を出すと同時に、他の人の意見についてどう思うか述べたり、議論のポイントについて言及したりといった議論を深めつつ収束させていけるような役割ができると、チームに貢献できると思います。英語力に関してはなるべく多くの話す機会を持つことが大切だと思うので、英語を話す場に積極的に参加し、文法や発音など細かいことは気にせずに言いたいことを伝えられるようになれば十分だと思います。失敗を恐れず、自己成長の機会だと思って積極的に参加するとより多くのものが得られると思うので、ぜひ楽しんでください。

物質理工学院 応用科学系 博士後期課程1年

プログラム参加を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

このような国際交流プログラムに参加することが初めてだったため、始めは会話のきっかけがつかめず、受動的に他学生の意見を聞く一方だった。しかし、中日あたりからスムーズに話しかけることができるようになり、簡単な英語ながらも会話することに臆さなくなったように思う。

同様のプログラムへの参加を希望する後輩へアドバイス

国際交流への参加はハードルが高いと考えている学生の方が多いと思います。しかし、東工大生レベルの英語で十分他国の学生と会話することはできます。お互い意思疎通が図れなかったときも、互いに根気強く理解しようとするので意外と楽しく会話することができます。社会に出てからの外国人との交流や国際学会への参加では、失敗できない怖さが大きいかと思いますが、学生間の交流であれば、お互い英語に未熟な点もあり、失敗を笑う人もいません。海外の人と英語で会話する第一歩には最適なプログラムだと思います。

環境・社会理工学院 社会・人間科学系 修士課程1年

プログラム参加を終えて、自分自身の成長を実感したエピソード

正直自分も驚きだったのですが、自分に英語でも議論できる力があることを実感しました。学士課程2年の時に留学を半年程度経験してはいましたが、それ以来英語を用いた議論はあまり行ってきていませんでした。しかし、今回のプログラムでは自分がチームリーダーになったこともあり、積極的に意見を発信し、議論を引っ張ることができたと感じています。個人的にはとても嬉しい成長です。

同様のプログラムへの参加を希望する後輩へアドバイス

迷ったら参加することをお勧めします。特別難しいことが要求されることはありません。英語力に自信がなくても、スタッフの方やメンターの方が助けてくれますし、なにより基本的に全参加者にとって英語が第一言語ではないのでどうにか分かり合えます。英語で海外の学生と議論する機会はそれほど多くあるものではないと思います。ぜひこの機会に新しい挑戦をしてみてください。

未来社会DESIGN機構

社会とともに「ちがう未来」を描く
科学・技術の発展などから予測可能な未来とはちがう「人々が望む未来社会とは何か」を、社会と一緒になって考えデザインする組織です。

未来社会DESIGN機構(DLab)outer

お問い合わせ先

学務部 留学生交流課 キャンパスアジア事務局

Email campusasia@jim.titech.ac.jp
Tel 03-5734-2984


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