東京工業大学は10月26日、2023年度「東工大 学生リーダーシップ賞」を6人の学生に授与しました。
左からキムさん、藤崎さん、大友さん、長谷川さん、小川さん
早川さん
東工大 学生リーダーシップ賞は、本学学生の国際的リーダーシップの育成を目的として、知力・創造力・人間力・活力などのリーダーシップの素養に溢れる学生を表彰するものです。学士課程の2年目から4年目の学生を対象として、2002年度から実施しています。
授与式はHisao & Hiroko Taki Plaza(以下、Taki Plaza)で行われ、益一哉学長から受賞者5人に賞状の授与、副賞の贈呈がありました。授与式終了後は学長と受賞者で懇談を行いました。当日出席できなかった1人には後日賞状の授与、副賞の贈呈がありました。
コロナ禍による制約の下、あるいは制約解除後に新しく活動を始めるにあたり、学業と課外活動のいずれにおいても大きな困難を伴いましたが、受賞者6人は工夫を凝らしてリーダーシップを発揮し、大きな成果を収めました。
今回表彰された学生6人は以下の通りです。
2023年度「東工大 学生リーダーシップ賞」受賞者
小川康輔さん(工学院 機械系 学士課程4年)
主な受賞理由
- 学生による学生のための相談活動である「ピアサポート活動」において、副代表、代表として活動の方向性を確立すべくリーダーシップを発揮し、メンバーを気遣いつつ、指導、連絡を行い、活動の中心となって発展に貢献した。急増した相談にも率先して取り組んだ。
- 学内外でのシンポジウム等の場で、ピアサポート活動について積極的発信や交流を行い、本学の評価向上にも寄与した。
小川さんのコメント
このたびはこのような名誉ある賞をいただき、誠に光栄です。最初は自分に代表が務まるのか不安でしたが、1年間活動をしていく中で、ピアサポーター代表として自信を持って活動できるようになりました。代表として頼りない部分も数多くあったと思いますが、メンバーや先生方に助けていただき、代表を務めあげることができました。この場をお借りして感謝申し上げます。今後はピアサポーター代表として得た経験を、これからのピアサポート活動ならびに大学での研究活動などに生かしていきたいと思います。
キム・ナムギョンさん(物質理工学院 材料系 学士課程3年)
主な受賞理由
- 国際交流施設Taki Plazaの運用を支える学生団体の「Taki Plaza Gardener(タキ・プラザ・ガーデナー、以下 TPG)」のコミュニティ班の班長、本学韓国人留学生会の会長、また、学修コンシェルジュJr.(ジュニア)国際班メンバーとして、交流イベント、相談会の企画・実施や新たな組織づくりに取り組み、リーダーシップを発揮して学生の新たなコミュニティの形成、国際交流の促進、留学生支援、産学連携に貢献した。
- ボランティア活動で、居場所がないなどの子どもに勉強を教える活動を始めた。
キムさんのコメント
このたびは東工大 学生リーダーシップ賞をいただき、誠にありがとうございます。日本に渡航した後、慣れない環境で不安を持っていましたが、さまざまな学生団体に入り活動することで他人との違いを武器に活用できる力を得ました。学修コンシェルジュJr.国際班でいろいろな国の留学生と、TPGで日本人学生と、韓国人留学生会で企業の方々と出会い活動しました。異なる人と何かを達成するという経験を積み上げながら、ダイバーシティを尊重することの重要性に気づきました。今後もこの気づきを思い出しながら、言語や文化にとらわれずさまざまな方向で活動していきたいと思います。
早川尚吾さん(情報理工学院 情報工学系 学士課程4年)
主な受賞理由
入学直後に株式会社を設立し、人の声をフォント化するアイデアのビジネス化に成功した。手術により声を失うなどした方々に、無償でサービス提供も行っている。会社運営においては、代表取締役として多様な国籍・年齢の部下をとりまとめリーダーシップを発揮している。
こうした活動・技術は、起業におけるリーダーシップの実例として他の学生に刺激的な影響を与えているほか、報道等でも多く取り上げられるとともに、学外のさまざまな賞を受賞している。
早川さんのコメント
このたびは、このような名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。
本来であれば授賞式に出席させていただき、心から感謝の気持ちをお伝えしたいところですが、現在、カルフォルニアに滞在しており、帰国が叶わず出席することができませんでした。大変残念ではありますが、このような状況下にも関わらず素晴らしい賞をいただけたことを、心より嬉しく思います。
受賞者の皆さまは、それぞれが素晴らしい功績を残された方々であり、このような方々と同じ舞台に立たせていただくことができ大変光栄です。私自身、まだまだ未熟ではありますが、いただいたこの賞を励みに、今後も精進してまいります。
長谷川義人さん(生命理工学院 生命理工学系 学士課程4年)
主な受賞理由
学勢調査学生スタッフの代表として「学勢調査2022提言書」を取りまとめた。
東京医科歯科大学との統合や学士課程入試の女子枠導入という大きな変革の中で、調査の設問作成やデータ集計・分析において、また、提言の作成や追加調査を行うにあたって、目標達成意識と個々のメンバーの意見尊重の両立、公平性に配慮しつつ、リーダーシップを発揮してスタッフの作業を取りまとめた。
長谷川さんのコメント
このたびは名誉ある賞をいただき、非常にうれしく思います。
今回の活動を振り返り、グループのリーダーとしての経験から多くの学びを得ることができました。また、関わってくれた皆さまとの協力や議論を通じて、提言書の提出という目標を達成できたことは、かけがえのない体験になりました。サポートしてくださった先生方や職員の皆さま、そして何より拙いリーダーにもかかわらずついてきてくれたメンバーに心から感謝しています。
賞の名に恥じぬよう、得た学びを生かし、より一層活動や研究に励んでいこうと思います。
大友志穂さん(環境・社会理工学院 融合理工学系 学士課程4年)
主な受賞理由
- 国際ボランティア活動において、日本ユニセフが支援する学生主体の「unicef Campus(ユニセフ・キャンパス)」の副事務局長としてリーダーシップを発揮し、組織の立ち上げ、発展に貢献している。
- 学修コンシェルジュJr.国際班の活動に参画し、相談、国際交流の企画・運営に携わっている。
-
3ヵ国へ留学し、研究を行い、その研究成果で賞を受賞した。
以上の活発な活動は、本学内外の学生にポジティブな影響を与えている。
大友さんのコメント
このたびは大変名誉ある賞に選出していただき、ありがとうございます。東工大 学生リーダーシップ賞をいただくことができ、大変うれしく思います。また、これまで支えてくださったすべての方に、この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。世界で活躍できるリーダー、そして国際社会に貢献できるグローバルエンジニアになるという幼い頃からの志を叶えるべく、東工大の環境・社会理工学院 融合理工学系に入学し、さまざまな活動に積極的にチャレンジしてまいりました。今後も周りへの感謝を忘れずに、自分の夢に向かって突き進んでいきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
藤崎真生子さん(環境・社会理工学院 融合理工学系 学士課程4年)
主な受賞理由
- 東工大 管弦楽団副団長としてコロナ禍において団員を統率し、円滑な団体運営を実現した。
- 留学促進団体「FLAP(フラップ)」で学生とOB、OGをつなぐ「ふらっとflap」班の活動をリードし、留学促進のための新たな取り組みの推進に重要な役割を果たした。
- 2ヵ国への留学でグループワークに取り組む中、異なる文化圏でのリーダーシップのあり方の違いやメンバーとしての貢献の仕方を学び、「ふらっとflap」活動に生かしている。
藤崎さんのコメント
このたびはこのような賞をいただくことができ、大変光栄に思います。東工大内外でのさまざまな活動を通して、周りのリーダーのみならず、個々人のリーダーシップ宿る行動の一つ一つに学びがあり、成長する機会を与えていただいていたと感じます。それが積み重なって賞という形になったのは、支えてくださった全ての方々のおかげです。この場を借りて感謝申し上げます。
組織は大きさや状況によって千差万別で、毎回異なるリーダーシップが求められ、正解はないと学びました。これからもさらに視野を広げた活動に関わり、自分のリーダーシップの幅を広げられるよう励みたいと思います。
授与式後の記念撮影(前列左から、藤崎さん、長谷川さん、小川さん、益学長、キムさん、大友さん)
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