1月6日、大岡山キャンパス ディジタル多目的ホールにて、シンポジウム「次のロボティクスはなにを目指そう?」が開催されました。新しいロボットに挑戦している国内外の著名な研究者を招いて行った本シンポジウムに、企業や大学の研究者と学生含め約150名が参加しました。
これまでの金属製の骨組みで構成されるようなロボット工学はほぼ完成の域にあり、これからは大学・企業共に実用を目指した研究開発が期待されています。一方で大学としては10年後、20年後を見据えた次世代ロボット工学の構築を同時に進めることも重要であると考えています。本シンポジウムは次世代ロボット工学の可能性について議論する事を目的として開催されました。
辰巳敬理事・副学長の挨拶で始まった本シンポジウムでは、新しいロボティクス像の可能性について、ロボティクス分野において材料科学やバイオサイエンスなど幅広い視点で研究を行っている多くの研究者が講演しました。鈴森康一教授の「ジャコメッティロボティクスとソフトロボティクスの提案」では、多くの装備を取り付けるのではなく、彫刻家ジャコメッティの作品のような細く長いロボット像を提案するなど、様々な研究者から次世代のロボティクス像の考えが発表されました。各研究者の講演後には会場の参加者から熱心な質問が寄せられ、活発な議論が行われました。
講演内容と講演者
鈴森 康一 (東京工業大学)
ジャコメッティロボティクスとソフトロボティクスの提案
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鈴森康一博士
Just Herder (デルフト工科大学)
Towards structurally compliant robotics
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Just Herder博士
細田 耕 (大阪大学)
構造的やわらかさを利用したバイオニックロボット
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細田耕博士
浜田 省吾 (コーネル大学)
DNAハイドロゲル:スライム型分子ロボットの実現に向けて
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浜田省吾博士
倉林 大輔 (東京工業大学)
生物アルゴリズムをのぞき見するロボティクス
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倉林大輔博士(写真右)
有川 敬輔 (神奈川工科大学)
ロボット機構とタンパク質の運動学
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有川敬輔博士
Sangbae Kim (マサチューセッツ工科大学)
Learn from Nature: Innovation toward Future Robots
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Sangbae Kim博士
渡邉 政嘉(日本機械学会イノベーションセンター長/経済産業省)
ものづくり4.0 ~ゲームのルールを変えよう!
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渡邉政嘉博士
多くの議論により、予定していた終了時刻を大幅に過ぎてしまうほどの盛会のうちシンポジウムを終了しました。参加者の中には次世代の研究を担っていく学生や若手研究者も多く、非常に有意義なシンポジウムとなりました。
懇親会での集合写真
お問い合わせ先
東京工業大学 次世代ロボティクスシンポジウム実行委員会
Email : symposium@robotics.mes.titech.ac.jp
TEL : 03-5734-3177