ホームカミングデイが、今年も大岡山・すずかけ台の両キャンパスでそれぞれ開催されました。今年で4回目を迎え、卒業生同士・卒業生と大学・卒業生と現役学生の交流を促す年間行事として定着してきています。今回は、家族や地域の皆様にもご参加いただける企画を設けたことで、交流の場として、さらに充実したものとなりました。特に今年の大岡山開催は、将来、東工大の同窓生になるであろう若い世代を対象とした小中学生向けの工作・実験教室、高校生向けの講義を企画し、多くの児童、生徒、保護者の方々に来場していただきました。
5月16日には、すずかけ祭との同時開催で「ホームカミングデイ2015すずかけ台」として、JFE鋼板株式会社代表取締役社長 小倉 康嗣氏による特別講演会「鐵の魅力 ~安くて最も機能性のある材料~」及び全体交流会が開催されました。多くの卒業生、教職員、現役学生が集まり盛況でした。
5月23日には、「ホームカミングデイ2015大岡山」が開催されて天気にも恵まれ、こちらも多くの卒業生、教職員、現役学生が集まりました。昨年は日曜開催でしたが今年は土曜日に変更し、各同窓会の講演会を開催しました。また、小中学生向け、高校生向け、在学生・家族向け、さらには地域や一般の方にも参加いただける企画を充実させ、多くのサークルがイベントを実施しました。OB、OGと現役との集まりや、サークル等有志による模擬店も開催されました。様々なイベントを企画し、対象の幅を広げたことにより、多くの方々に来場していただき、活気溢れる催しとなりました。
スーパーコンピューター「TSUBAME」の見学ツアーでは、ビデオを交えた分かり易い説明で、優れた性能を紹介しました。ツアーは、20名限定で5回実施し、約100名の方に参加していただきました。図書館の見学ツアーでは、約20分間隔で合計34回のツアーを行い、274名の方に館内をご覧いただきました。
大学食堂2階のコミュニケーション・ラウンジでは、理学部、工学部、生命理工学部のスライドやパネル展示による学部紹介が行われ、多くの高校生に来場していただきました。同じフロアでは、以下の学生グループによるポスター展示も行われ、東工大を学生の力で変えて行こうという活動が紹介されました。
ポスター展示以外にも、学生サークル等による企画は盛りだくさんで、日頃の活動の成果を披露しイベントを盛り上ました。たとえば、東工大ScienceTechnoと「蔵前理科教室ふしぎ不思議」(略称:くらりか)はともに、小中学生向けの工作教室を行い、現役を引退したOBの方と、現役学生が相談をしながら、それぞれの出し物を決めて、協力して小学校、中学校向けのパンフレットを作製し、配布する世代を超えた共同作業を行いました。また、東工大ボランティアグループは東北物産展を開催し、その収益を震災復興のために寄附しました。参加した学生サークル等は以下の通りです。
この他に、学生サークル等のOB、OG総会も数多く開催されました。
西5号館531講義室を改修し、新しい教育環境としてオープンした「東工大レクチャーシアター」では、高校生向け講義「魔法教室」が行われました。丸山俊夫 理事・副学長が本学の教育改革について紹介するオープニング・スピーチのあと、初めに、細谷曉夫 特命教授による「月はひと月でできた」の講義が行われました。細谷特命教授は、スクリーン一杯に展開する壮麗な宇宙映像を交えて、月はどうやってできたのかを解説しました。次いで、戸倉和 特命教授による「粉だらけの人生」の講義が行われました。戸倉特命教授は、身近にある粉を題材に、電子顕微鏡の仕組みを解説しました。参加した高校生達は、これらの講義で科学への関心が大いに刺激され、大学への進学意欲が高まったようです。
続いて「東工大レクチャーシアター」では、北里大学医療衛生学部医療工学科臨床工学専攻 馬渕清資 教授による特別講演会「科学技術と文化」が開催されました。馬渕教授は、専門の人工関節の滑りの研究の延長として、「バナナの皮の滑り」に興味を持ちました。バナナの皮の摩擦測定、滑りに対する粘液の影響といった研究が元となり、2014年にイグノーベル賞物理学賞を受賞されています。講演では、バナナの皮の研究から他の果物の皮や人工関節の話まで広がり、「文化の華が咲き、科学技術が実る」ことについてユーモアを交えてお話しいただきました。最後には「I Will Follow Him(映画「天使にラブ・ソングを」主題歌)」のパロディを熱唱していただき、素晴らしい講演で大変に好評でした。
また、以下の本学同窓会組織が開催した総会・講演会等には、多くの同窓生及び関係者が参加しました。
夕方からは、東工大蔵前会館(TTF)1階全フロアで全体交流会を開催し、会場には学科・分野別のテーブルに加え、サークルや学生交流プログラムのテーブルも用意されました。懐かしい顔ぶれによる旧交を温める場面に加え、現役学生とOB、OGによる世代を超えた交流も、会場の至るところで見られました。交流会冒頭、三島良直 学長、石田義雄 蔵前工業会副理事長の挨拶に続き、男声合唱団シュヴァルベンコールOBによる合唱が、交流会に華を添えました。
東工大と蔵前工業会共催によるホームカミングデイ2015は、岡田 清 理事・副学長による全体交流会の閉会の挨拶とともに締めくくられ、卒業生と大学の絆を強める象徴的なイベントが終了しました。
最後に、東京工業大学ホームカミングデイ2015運営委員会 篠崎和夫 委員長より、ご挨拶申し上げます。
東工大ホームカミングデイ2015に御参加いただいた皆様
東京工業大学ホームカミングデイ2015は、すずかけ台・大岡山ともに成功裏に終了しました。ご来場いただいた同窓生およびご家族の皆様をはじめとして、小中学生、高校生、あるいは近隣の皆様にはお楽しみいただけたでしょうか。
東京工業大学は社会に開かれた大学として、様々な催し物を設けており、ホームカミングデイもそのひとつです。ご来場になられて、お気づきの事などがありましたら、どのようなことでも結構ですのでご意見をいただければ、来年以降の参考にさせていただきます。よろしく御願いいたします。
なお、来年の東工大ホームカミングデイ2016は、すずかけ台と大岡山を一元化し、2016年5月21日(土)に大岡山キャンパスで実施する予定にしております。更に楽しい会にすべく準備を進めて参りますので、来年も是非、御参加下さい。
篠崎和夫