11月2日、大岡山キャンパス 百年記念館フェライト記念会議室にて、JCHM第3回シンポジウム及び総会が、「腸内細菌と臨床応用に向けて」をテーマに開催されました。
JCHMとは
JCHMは、日本ヒト共生菌叢研究協会(Japanese Consortium for Human Microbiome)の略称です。
ヒトの腸内には 1000種100兆個体の微生物が共生していると言われ、 それらの腸内細菌の乱れは多くの疾病に関わっている事が知られています。 欧米では腸内細菌解析の重要性が早くから認識され、 大型予算が割り当てられ多くの研究者が携わっていることから、 日本においても日本人腸内環境の全容解明は急務と言えます。 そこで、東京工業大学は日本人腸内環境の全容解明をテーマに掲げ、 日本人腸内微生物データーベース構築による「日本人固有の腸内環境及び腸内代謝系の発見」と 「疾病マーカーの発見」を目指したプロジェクト活動を推進しています。
JCHMは、当研究に関心を持つ関係機関・団体・企業との連携によるコンソーシアムです。大学院生命理工学科 生命情報専攻 山田拓司講師が代表を務めています。
第3回JCHMシンポジウム
3回目となるJCHMシンポジウムですが、今回は腸内細菌の解析とその臨床応用の研究をされる学内外の先生方からご講演いただきました。125名の参加者で会場は満員となり、熱気に包まれました。
シンポジウムに先立ち午前中には、菌叢解析パイプライン※の実践と解析方法のワークショップが開催されました。本学大学院生命理工学研究科の森宙史 助教が講師を務め、実際のデータを元に、参加者にその解析方法を学んでいただきました。参加者からは「大変勉強になった」というお声と同時に、「講義時間をもっと増やして欲しい」とのご意見もいただきました。
- ※
- 菌叢(細菌の集団)を解析する装置
シンポジウム冒頭では、JCHM代表の山田講師が、本コンソーシアムに協賛いただいた企業への謝辞を述べ、昨年度の活動報告を行いました。
引き続き、以下の講演がありました。
「口腔細菌叢の日内変動性と歯科コホート研究デザインへの展望」
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 助教 佐藤行人「潰瘍性大腸炎に対する便移植療法~新しい細菌治療の確立を目指して~」
順天堂大学 医学部 助教 石川大「大腸がんと腸内細菌の関連性」
東京工業大学 講師 山田拓司「皮膚真菌叢の解析と制御法開発」
明治薬科大学 教授 杉田隆「Of men and mice: gut microbiome, health and diseases(人間とネズミ:腸のマイクロバイオーム、健康と病気)」
コペンハーゲン大学 基礎代謝研究ノボノルディスク財団センター 講師 マニモジャン・アルムガム
講演後は、参加者全員でスピード・ネットワーキングを行いました。1対1で5分間程度、お互いの職務、研究内容などを紹介して相互理解を深め、今後の人脈作りに役立てるイベントです。参加者からは「大変有意義で楽しかった」と好評いただきました。
また、アンケートでは「興味がより深まった」等、将来の発展につながるご意見が寄せられました。
お問い合わせ先
大学院生命理工学研究科 生命情報専攻 山田研究室
JCHM事務局
Email : info@jchm.jp
Tel : 03-5734-3629