今年4月に発足した東京工業大学科学技術創成研究院(以下、研究院)が、10月7日、すずかけ台キャンパスにて設立記念式典を開催しました。
研究院は、本学の大学改革の一つである研究強化の一環として設置され、180名の常勤研究者を擁しています。「未来産業技術研究所」、「フロンティア材料研究所」、「化学生命科学研究所」、「先導原子力研究所」の4研究所を明確なミッションにて設置するとともに、既存の「先進エネルギー国際研究センター」、「社会情報流通基盤研究センター」を置いています。さらに、未来社会からの要請に応える研究や萌芽的研究を行う期限付き(最長5年)の「研究ユニット」を設置し、具体的ミッションで機動的に成果を上げ、新たな研究領域のコアとして展開を狙う仕組みを導入しました。
研究院は、学内外の研究者の人事交流、異なる専門領域の融合研究の推進、研究に没頭できる支援体制を整備するとともに、次世代の革新的研究創出に向かう仕組みを備えた組織として発足しています。
式典に先立ち、研究院フロンティア材料研究所の細野秀雄教授、研究院細胞制御工学研究ユニットの大隅良典栄誉教授、本学出身の白川英樹筑波大学名誉教授による記念講演が行われました。3名の講演者からは、応用研究に先立つ基礎研究の重要性と、基礎研究から応用までの連携研究の重要性、およびそのフィードバックパスの好循環の必要性と共に、科学技術創成の根底に若手研究者の育成があることが強調され、研究院の「大学の中にある研究所」としての役割が改めて認識されました。
記念講演後の式典において、三島良直学長、益一哉科学技術創成研究院長の挨拶では、本学が進める教育改革と研究院設置による研究改革の両輪による世界トップレベルの大学創りへの意気込みが語られました。また、祝辞で登壇した文部科学省研究振興局の小松弥生局長からも、本学の目指す改革と政府による政策の方向性の一致が示され、本学の大学改革を激励されました。また、小松局長は「日本の大学が世界の舞台で大きく躍進し、世界の科学技術創成の拠点になるため、東京工業大学の科学技術創成研究院設置にみる大学研究改革が成果を上げることを期待したい。」と語りました。
研究院の大隅栄誉教授がノーベル生理学・医学賞の受賞者に決定したことを受け、突出した基礎研究を次世代のコアに育成する研究院の「研究ユニット」にさらなる勢いが加わりました。
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大隅良典栄誉教授が「オートファジーの仕組みの解明」により、2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。受賞決定後の動き、研究概要をまとめた特設ページをオープンしました。