8月26日~27日に、大岡山キャンパスおよびすずかけ台キャンパスにて、世界で必要とされる持続可能なエネルギーを太陽光から創り出す「次世代太陽電池」をテーマに、「AEARU 第6回エネルギー・環境ワークショップ」を開催しました。AEARU加盟大学より研究者と学生が参加し、米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL)のジョーイ・ルーサー博士が基調講演者として出席しました。
AEARUは、「Association of East Asian Research Universities(東アジア研究型大学協会)」の略で、東アジア(日本、中国、香港、韓国、台湾)の研究型大学18大学により構成されています。加盟大学は、本学のほか、東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、筑波大学、清華大学、北京大学、香港科技大学、台湾大学、ソウル国立大学、韓国科学技術院などがあります。
1日目:講演会
三島良直学長の開会の挨拶ののち、NRELのルーサー博士が、NRELにおける量子ドット太陽電池およびぺロブスカイト太陽電池の最新研究について基調講演をしました。続いて、各加盟大学の研究者が量子ドット太陽電池やぺロブスカイト太陽電池のほか、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、シリコン系太陽電池など、幅広い次世代太陽電池の最先端の研究について講演しました。初日の講演会には、本学のみならず他大学の研究者や企業関係者等、約30名が出席し、各講演後には活発な質疑応答や意見交換が行われ、環境技術への関心の高さがうかがえました。
講演会プログラム
開会の挨拶 |
三島良直学長 |
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基調講演 |
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講演 |
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2日目:学生によるポスターセッションと研究室訪問
すずかけ台キャンパスにて、ワークショップの参加学生によるポスターセッションが行われました。環境とエネルギーに関わる幅広い研究発表について、活発なディスカッションが行われ、優秀な発表については、ベストポスター賞と賞品が贈られました。一行は、続いて、物質理工学院の菅野研究室と冨田研究室を訪れ、研究内容や機器について教員や学生と意見交換を行いました。
21世紀は、アジアにおける急速な人口増加と経済発展で「アジアの世紀」とも呼ばれていますが、その一方で、急速な経済発展に伴うエネルギーや環境等の問題を抱えています。今後、アジアが中心となってこれらの諸問題の解決や環境と調和した持続可能な成長に向けて、必要な方策を提唱していくことが期待されています。
今回のワークショップでは、AEARU加盟大学から招待した次世代太陽電池に関わる新進気鋭の研究者が交流し、それぞれの研究について情報交換を進めることにより、エネルギーや環境における諸問題について深く考える機会となりました。また、未来を担う研究者の卵である各大学の学生にとっては、最先端の研究に触れながらネットワークを広げるきっかけとなりました。本ワークショップでの交流が、将来的な課題解決につながる革新的な技術として結実することが期待されます。