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鉄系超伝導物質で新しい型の磁気秩序相を発見

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本成果のポイント

  • 鉄系超伝導物質で、構造変化を伴う第二の磁気秩序相を発見
  • 3つの量子ビームプローブを相補利用するマルチプローブ手法で新物質開発に指針

概要

高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所(以下「物構研」)の元素戦略・電子材料研究グループは、東京工業大学(以下「東工大」)応用セラミックス研究所の飯村壮史(いいむらそうし)助教、同大学フロンティア研究機構・元素戦略研究センター細野秀雄(ほそのひでお)教授、松石聡(まついしさとる)准教授と共同で、マルチプローブの手法を用いて鉄系超伝導物質であるLaFeAs(O1-xHx)の磁気的な性質および構造を調べ、水素置換濃度xが0.4を超える領域で微細な構造変化を伴う新たな磁気秩序相が現れることを発見しました。この磁気秩序相は、同物質において2012年に明らかになった第二の超伝導相と隣接しており、従来知られていた母物質(x=0)における磁気秩序相とも質的に異なることから、もう一つの母物質が見出されたことになり、新たな超伝導機構解明の有力な手がかりとなることが期待されます。

本成果は、2014年3月16日(現地時間)に英国科学誌「Nature Physics」のオンライン版で公開されました。

論文情報

掲載雑誌名
Nature Physics
(オンライン版公開日:2014年3月16日)
論文タイトル
"Bipartite magnetic parent phases in the iron oxypnictide superconductor"
(和訳:鉄酸素ニクタイト超伝導体における2つの磁性母相)
著者
M. Hiraishi, S. Iimura, K. M. Kojima, J. Yamaura, H. Hiraka, K.Ikeda, P. Miao, Y. Ishikawa, S. Torii, M. Miyazaki, I. Yamauchi, A. Koda, K. Ishii, M. Yoshida,J. Mizuki, R. Kadono,R. Kumai, T. Kamiyama, T. Otomo, Y. Murakami, S. Matsuishi and H. Hosono
DOI

LaFeAs(O1-xFx)の結晶構造の模式図

図1 LaFeAs(O1-xFx)の結晶構造の模式図。青:ランタン、赤:酸素、茶:鉄、黄:ヒ素を表す。
四角で囲んだ部分がRE-Oブロック層。

お問い合わせ先
フロンティア研究機構・元素戦略研究センター
教授 細野秀雄
Tel: 045-924-5009
Email: hosono@msl.titech.ac.jp


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