平成28年秋の叙勲において、長瀧重義名誉教授が、教育研究の功労に対し瑞宝中綬章を受章しました。また、ウィワット・タンタパニチャクン名誉教授(元・チュラロンコーン大学 工学部化学工学科 教授、元・泰日経済技術振興協会 会長)が、日本・タイ間の学術交流及び相互理解の促進に寄与したとして、旭日中綬章を受章しました。
長瀧重義名誉教授
経歴
長瀧重義名誉教授は、1965年7月に本学 理工学部 助教授(後に理工分離により工学部)に着任し、1980年に同教授となりました。土木工学科において、一貫してコンクリートおよび鉄筋コンクリートの教育・研究に従事しました。コンクリートの高性能化、高機能化を目指し、高強度化、早期強度化、高耐久性化、高流動化について顕著な業績を挙げ、学会等から高く評価されています。また、自身の研究に関連して、セメントを始めとするコンクリートの各種構成材料から、レディーミクストコンクリート、プレキャストコンクリートといった製品までの広い範囲でのJIS制定・改定の委員会を統括するとともに、永きにわたって土木技術専門委員会の委員長を務めました。この業績に対して2002年に藍綬褒章を受章しています。
長瀧重義名誉教授のコメント
1965年は本学土木工学科に初めて2年生として学生を受け入れた年です。そのため、建物を始め研究設備など何も無い状態から学科が発足しました。しかし、それは逆の見方をすれば、伝統や先達に拘束されず、自由に研究テーマを選べることに繋がります。おかげで、若さに任せて研究室の人たちとがむしゃらに研究することができました。家庭で食事をするのは日曜のみ、子供たちの教育も家内に任せっきりでした。しかし、このことで研究室の若い人達との連携が強まり、教育・研究の成果が上がると共に、後継者も育ち、現在、北海道から九州まで20名を超える研究室卒業生が大学の研究者として研究を続けており、他大学の教授から羨ましがられています。また、企業においても研究畑を志望した卒業生が多くみられ、学会の開催地ではいつも楽しく研究室の卒業生と酒を酌み交わしながらの議論が今でも続いています。このような研究環境を許していただいた東工大関係者並びに家族にお礼を申し上げたいと思います。
ウィワット・タンタパニチャクン名誉教授
経歴
ウィワット・タンタパニチャクン名誉教授は、2011年4月から2015年3月の定年退職まで、本学 大学院理工学研究科 化学工学専攻にて常勤教授として奉職しました。日本との関わりは、1968年に文部科学省奨学生(千葉大学 日本語研修生)として来日し、京都大学 工学部 化学工学科での学生時代に始まります。その後、1978年に米国にて博士号を取得後、母国タイに帰国し、チュラロンコン大学講師を経て1993年より同大教授職に就きました。1979年以降、本学のみならず京都大学、金沢大学、大阪大学、東京大学、姫路工業大学、産業技術総合研究所等との学術共同研究に尽力し、日泰の相互理解と友好関係を築いてきました。同時に、タイ側においては泰日経済技術振興協会(元・会長)、タイABK-AOTS同窓会(元・会長)、泰日工業大学等、日本側においては、日泰経済協力協会、アジア文化会館、海外技術者研修協会、日本粉体工業技術協会、粉体工学会、旭硝子財団、省エネルギーセンター、ABK学館日本語学校等々、両国の数々の組織において日泰間の学術交流・相互理解の促進に多大な貢献を果たしました。
ウィワット・タンタパニチャクン名誉教授のコメント
この度の極めて名誉ある叙勲につきましては、驚きとともに喜ばしく、大変光栄に存じます。これも偏に、東京工業大学関係各位、日本の御友人の皆様ならびに日本で交流のあった学生諸君、なかでもタイからの留学生諸君のお力添えのお蔭と存じます。心より御礼申し上げます。
- 平成28年秋の叙勲等 : 日本の勲章・褒章 | 内閣府
- 外国人叙勲受章者名簿 | 外務省
- 松本浩之名誉教授が平成28年春の叙勲を受章 | 東工大ニュース
- 片山卓也名誉教授が平成27年秋の叙勲を受章 | 東工大ニュース
- 東工大関係者2名が平成27年秋の叙勲を受章 | 東工大ニュース