2016年12月20日、本学協定校である、韓国の浦項工科大学(POSTECH)のキム・ドヨン総長、ソング・ウジュン副総長、パク・ヒョウン国際協力チームリーダーが東工大を訪問し、岡田清理事・副学長(企画・人事・広報担当)、安藤真理事・副学長(研究担当)、ジェフリー・クロス教授(環境・社会理工学院)と懇談を行いました。
POSTECHと本学は2003年に学術交流協定を締結し、学生や研究者の交流を行っています。今回の懇談は、両大学の近況報告と学生や研究者の交流推進、本学が2015年より実施しているオンライン教育(MOOCs)に関する意見交換を目的として行われました。
懇談は、岡田理事・副学長による本学の概要説明で始まりました。2016年4月にスタートした新教育システムでは、学部と大学院とが一体となって教育を行う「学院」を創設し、学士課程と修士課程、修士課程と博士後期課程の教育カリキュラムが継ぎ目なく学修できるようになったこと、また、それまで学士課程に限定されていた教養教育を博士後期課程まで拡大したことなどを、その特色として説明しました。キム学長らが教養教育の狙いについて質問すると、岡田理事は、最先端の理工系の専門知識を広く修得することに加えて、哲学や社会学、外国語といった授業を通して、学生の理工系学問の社会的意義についての理解を深め、幅広い価値観と自由な発想力を養い、コミュニケーション能力などの向上を図ることを目的としていると答えました。
続いて、クロス教授がMOOCsについて紹介しました。東工大はMOOCs配信プラットフォームであるedXに加盟し、TokyoTechXとしてオンライン講座を提供していること、現在公開している2つの講座(地球科学と建築)は約17,000人が履修していること、さらに2つのオンライン講座の開発を本学教育革新センターオンライン教育開発室(OEDO)で、教職員と学生が協働で行っていることを説明しました。
その後、キム総長がPOSTECHの概要を紹介しました。2016年に創立30周年を迎えたPOSTECHは、韓国初の研究志向型大学として、国内外で高く評価され、現在約3,500人の学生が韓国東部の港湾都市浦項キャンパスで学んでいます。また、浦項加速器研究所(PAL)を始めとする70以上の研究所があります。
続いて、パク国際協力チームリーダーが、POSTECHが実施している学生交流プログラムについて説明を行い、キム総長は、同プログラム等を通して、本学との学生、研究者交流をさらに推進していきたいと述べました。
理事・副学長らとの懇談後、キム総長らPOSTECH代表団は、山浦弘教授(工学院)、 POSTECHの卒業生でもある金俊完准教授(科学技術創成研究院)と東工大の学生交流プログラムについて懇談し、今後、両学の学生交流を推進するための意見交換を行いました。2つの懇談の後、一行は博物館・百年記念館に足を運び、広瀬茂久特命教授の案内で、同博物館を見学しました。