3月27日、大岡山キャンパスの体育館にて、学位記授与式を執り行いました。
学長と来賓の方々、役員、部局長等列席のもと、卒業生・修了生、教授陣、そして卒業生・修了生のご家族も多数出席し、学部は11時から、大学院は14時から学位記授与式を挙行しました。
学長式辞で三島良直学長は、卒業生・修了生・ご家族へのお祝いの言葉に続き、 学部の卒業生に向けて「学部を卒業し、就職して社会人となられる皆さん、大学院に進学する皆さんはそれぞれに夢と希望を持って将来をみつめていることと思います。学生生活を終え、社会人となる皆さんは日本一の理工系総合大学である東京工業大学の卒業生としての誇りを持ち、そして本学で培った専門基礎力をベースにして、与えられた業務に果敢に取り組むとともに、柔軟な思考力をもって様々な場面で社会貢献を果たすべく、気概を持って前進してください。これから大学院へ進学する皆さんは、これまでに培った専門基礎力をもとにそれぞれの分野での専門力を高め、2年後、あるいは5年後には社会人として我が国の、そして世界の人間社会の持続可能な発展に向けて、新しい社会を切り拓く役割を果たす気概を身につけた人材に育つことを期待しています。これまでの延長として学生生活を続けるのではなく、将来自分を最も活かせる活躍場所と役割に対する夢を意識しながら充実した大学院生活を送ってほしいと願っています」とメッセージを贈りました。
また、大学院の修了生に向けて「今日修士あるいは専門職の学位記を手にされ、これから社会人としての新しい人生をスタートする皆さんは、これまで長い学生生活を終え、まったく新しい環境に身を置くことになります。本学出身の皆さんへの産業界等からの期待は特に大きいことを自覚し、それに応えていくために日々の努力の積み重ねが重要であることを心してほしいと思います。初めは与えられた仕事をこなすだけで精一杯になるのもやむを得ないと思いますが、経験を積み重ねるほどに、正確で説得力のある業務報告を提示できるよう、そしてさらにその先の進め方についての提案を示すことができるよう心がけてほしいと思います。すなわち、常に与えられた仕事をこなすだけではなく一歩先を目指しつつ進んでほしいと思います。さらに週末などの時間を利用して企業経営の基礎、語学力、教養等を身に付けていくなど、企業という組織の中でいかに自分を磨くかに主体的に取り組み挑戦し続けていただきたいと思います。
博士後期課程に進学される皆さんの大半は修士論文で取り組んだ研究テーマを発展させ、さらなる研究能力の進化に取り組むこととなります。科学技術の奥深さを体感し、時間をかけてこれと向き合う貴重な時間を過ごされることでしょう。その中で取り組む研究課題の目的と意義への理解を深めつつ、得られた結果の意味するものについて、指導教員や研究室の仲間たち、そしてその分野の学外の研究者たちとの忌憚のない意見交換を通して説得ある独自の見解を論文としてまとめていくプロセスを身に付けてください。博士の学位は特定の分野の研究論文としての価値だけではなく、そのプロセスを全うしたことに対する資格として与えられるものです。
本日、博士の学位記を手にされる皆さんは、これからはアカデミアで引き続き研究や後進の教育に当たるか、企業等で研究者としてのキャリアを積んでいかれることでしょう。特に企業においては学位取得のために取り組んだ課題とは異なる新たな分野、課題に挑戦することと思います。今述べたように博士とは新たな課題解決に臨みこれを解決するために必要な要素とプロセス遂行に対して資格を身に付けていることを自覚し、自信を持って力強く能力を発揮してほしいと思います。博士を修了する皆さんは本学が輩出する科学技術人材の最高峰であることを忘れずに世界を舞台に社会貢献を果たして行くことを期待しています」と述べ、修了生を激励しました。
多くの来賓の方々を代表し、本学同窓会である一般社団法人蔵前工業会理事長、東日本旅客鉄道株式会社監査役の石田義雄氏(昭42年理工学部機械工学科卒)より祝辞をいただきました。
続いて、学部学位記授与式では各学科の代表者に学位記が授与され、大学院学位記授与式では修士課程・専門職学位課程については専攻・コース代表者、博士後期課程は修了者全員に、学位記が授与されました。
学部学位記授与式では、学部学生の勉強意欲の向上を図ることを目的にとして学業成績が優秀な学部学生(各学科1名)を表彰する平成28年度東京工業大学優秀学生賞の表彰も行われました。
今年は、学部では1,072名が卒業するとともに、大学院では、修士課程1,475名、専門職学位課程26名、博士後期課程192名が修了しました。
式後は、ご家族、友人と本館を背景に記念写真を撮るなど、春雨の中、旅立ちを祝いました。
卒業生、修了生のみなさんのご健康と益々のご活躍を心よりお祈りします。