東京工業大学科学技術創成研究院は、4月1日を以て、新たに「細胞制御工学研究センター」を設置しました。その前身である「細胞制御工学研究ユニット」から継承した数々の強みを最大限活かしながら、基礎生命科学から医療・創薬への応用までを視野に入れた幅広い生命科学研究を牽引・推進することで、細胞制御工学の研究拠点と呼ぶにふさわしい研究センターを目指します。
1.細胞制御工学研究センター設置の経緯
2016年4月1日の科学技術創成研究院の発足に伴い、細胞生物学の新たな研究拠点として「細胞制御工学研究ユニット」を設置しました。同年、研究ユニットリーダーの大隅良典栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を始めとする多数の賞を受賞し、国際的に極めて高い評価を得ました。これを機に研究拠点形成を加速するため、「細胞制御工学研究ユニット」を発展的に解消し、「細胞制御工学研究センター」を設置することとしました。また、本センターは、科学技術創成研究院において、研究ユニットから研究センターに発展する第1号となります。
2.細胞制御工学研究センターの概要
「細胞制御工学研究センター」では、生命の基本単位である細胞レベルの生命現象に焦点を当てて先端的な基礎研究を進めるとともに、それら基礎研究の成果を利用した細胞医療と創薬の基盤技術の確立という社会還元も見据えた研究拠点となることをミッションとしています。
基盤研究では、細胞の構造や機能を「観る」、分子機構解析により「知る」、 細胞編集や再構成により「操作する」ための基盤的技術を確立することと、それに基づく遺伝子の発現・再編成からタンパク質の合成・修飾・分解に至るまでの分子機構、並びに、それらが織りなす細胞機能のダイナミクスとを理解すること、の2点を中心的な課題としています。
これらを達成するため、「細胞制御工学研究ユニット」から引き継いだ学内外の研究グループにより、国際的にも先導的な細胞研究を行います。これにより、基礎生命科学から医療・創薬への応用までを視野に入れた生命科学領域を牽引・推進し、細胞制御工学の研究拠点と呼ぶにふさわしい研究センターとして活動していきます。
- 様々な分野の細胞研究におけるプロフェッショナルを結集し、それぞれの強みを発揮して国際的な評価に堪える研究成果を持続的に生み出します。
- センター内および異分野の研究者との日常的な交流を下に、新たな領域を開拓していきます。
- 各種の最先端機器を導入して細胞研究の加速に努めます。
- 次世代研究リーダーを輩出するため、若手研究者の自由な発想を伸ばすことが可能な新しい人材育成と研究支援のシステムの構築を進めます。
- 国内外の研究者との連携、コンソーシアムの形成、企業連携の新しいシステム作り等、持続可能な研究体制構築を目指します。
3.細胞制御工学研究センターの体制(発足時)
- センター長: 大隅良典栄誉教授
- 大隅研究室: 大隅良典栄誉教授、堀江朋子助教
- 田口研究室: 田口英樹教授、丹羽達也助教
- 岩崎研究室: 岩崎博史教授、村山泰斗助教
- 木村研究室: 木村宏教授、佐藤優子助教
- 駒田研究室: 駒田雅之教授、福嶋俊明助教
- 加納研究室: 加納ふみ准教授、中津大貴助教、村田昌之特任教授
- 科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センター
- 役員会トピックス:科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センターを新設|東工大ニュース
- 大隅研究室
- 田口研究室
- 岩﨑研究室
- 加納研究室
- 木村研究室
- 駒田研究室