2月9日、大岡山キャンパス西9号館コラボレーションルームにて、工系学生国際交流基金派遣実績報告会および工系留学報告会が開催されました。
工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院の3学院は、国際性を持った工学を専門とする高度技術者を養成するため、合同で所属学生を海外の大学等に派遣しています。海外で様々な国の研究者や学生と研究を行うことで自身の専門性を深め、より広範な先端科学技術・知識を学びながら、異文化に触れることで学生自身の修学意欲のさらなる向上と国際意識の涵養を図ることをねらいとし、学生国際交流プログラムを独自に実施しています。このプログラムは、(1)海外大学との交流協定締結などを通じた学生相互派遣のための環境整備、(2)各種基金等を利用した所属学生の海外派遣支援制度、を運営しています。
前半に行われた工系国際交流基金派遣実績報告会では、工系国際連携室の留学プログラム担当主査である竹村次朗准教授(環境・社会理工学院 土木・環境工学系)が、本プログラムの概要ならびに2016年度の実績について説明を行いました。
続いて後半に行われた工系留学報告会は、全学または前述の3学院と交流協定のある海外の大学へ2016年秋に短期留学した学生が履修対象となっている授業「国際研究研修」の一環として実施されたものです。留学経験者が、自身の留学生活について英語で発表を行いました。派遣先大学と発表者(計9名)は以下の通りです(順不同 敬称略)。
派遣先大学 |
発表者(所属・学年は発表当時) |
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メルボルン大学(オーストラリア) |
早川裕子(物質理工学院 材料系 修士課程1年) |
中川理仁(工学院 機械系 修士課程1年) |
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南洋理工大学(シンガポール) |
北川雄司(工学院 機械系 修士課程1年) |
山下雄大(工学院 機械系 修士課程1年) |
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韓国科学技術院(KAIST、韓国) |
秦悠人(工学院 機械系 修士課程1年) |
中谷隆一(物質理工学院 材料系 修士課程1年) |
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スイス連邦工科大学チューリッヒ校 |
佐山浩輝(環境・社会理工学院 建築学系 修士課程1年) |
チュラロンコン大学(タイ) |
小林巴奈(環境・社会理工学院 土木・環境工学系 修士課程1年) |
アールト大学(フィンランド) |
森本有香(物質理工学院 材料系 修士課程1年) |
南洋理工大学へ留学した工学院 機械系の山下雄大さん(修士課程1年)は「東工大では機械系に所属し二次電池の研究を行っていましたが、研究を深めるに当たり、違う視点(特に材料系)からも電池を研究してみたいという気持ちが生まれたことから、今回の派遣プログラムに応募し、目標を設定しました。幸運にもリチウム空気電池という自分が東工大で研究している対象を中心に研究することが叶いました。自分の力不足を感じることも多々ありましたが、受入研究室のサポートもあり、概ね目標を達成できたと思います」と研究の総括を報告しました。
KAISTに留学した物質理工学院 材料系の中谷隆一さん(修士課程1年)は「これまで経験したことのないことを積極的に体験することは自らを成長させることに繋がると思います。その中で、多くの友人と繋がることもできますし、多くの先生方とも良好な関係を作ることもできます。それが次の関係にも繋がるので、恐れず、とりあえず挑戦することが大事だと思います」と留学を検討する後輩たちへのメッセージを述べて発表を締めくくりました。
工系学生国際交流プログラム5種の中で、今回の報告会での発表者が多かったC2カテゴリー(AOTULE: Asia-Oceania Top University League on Engineering)に属するアジア圏トップ大学工学系への派遣は、3学院からの経済支援を得て留学ができ、年3回募集があるため応募しやすく、また、修士課程から東工大へ入学した学生にも修士1年目から留学のチャンスがある人気のプログラムです。
本報告会で、2017年度の工系学生国際交流プログラムの夏期派遣が決まった学生たちも、発表者の英語によるプレゼンテーションを聴き、留学への気持ちや語学習得へのモチベーションをさらに高めた様子でした。また本プログラムへの応募を検討している学生も積極的に発表者へ質問し、意見交換や情報交換が活発に行われた報告会となりました。