4月15日、東アジア研究型大学協会(AEARU:The Association of East Asian Research Universities)の第40回理事会が東工大で開催され、議長校のソウル大学、副議長校の筑波大学、北京大学、南京大学、香港科技大学、台湾大学および本学から、29名が参加しました。
AEARUは、1996年に東アジアにおける研究型大学間の交流促進を目的として設立されたフォーラムで、日本・中国・韓国・香港・台湾から18の大学が加盟しています。理事会は年に2回開催され、議長校、副議長校、前議長校、および4つの理事校で構成されています。東工大は設立年より同フォーラムのメンバー校で、2016年~2017年の2年間、理事校を務めています。
三島良直学長はまず、開催校として開会の挨拶を行い、東アジアの高等教育機関の交流を深め、国際的な課題の解決に向けて同地域の教育機関の連携を強化するというAEARUの2つのミッションについて紹介しました。また、本学が昨年8月に開催した「AEARU第6回エネルギー・環境ワークショップ」を含むさまざまな活動が、加盟大学の学生たちのネットワーク作りに寄与していると話しました。さらに、加盟大学の学長や代表者が集う理事会や総会は、出席者の意見や情報を交換する大変貴重な機会であり、そのような会を本学で開催することは、大変光栄なことだと述べました。
理事会では、ソウル大学のナック・イン・スン学長が議長を務め、2017年に開催が予定されている活動の進捗状況と今後の会議日程等について確認しました。
理事会終了後、一行は東工大のすずかけ台キャンパスに移動し、本年4月に発足したばかりの細胞制御工学研究センターの大隅良典栄誉教授・細胞制御工学研究センター長および田口英樹教授の研究室を訪問しました。2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅栄誉教授とは、オートファジー(自食作用)研究の概要や同教授の基礎研究に対する思い等について懇談し、予定時間を超えて熱心に言葉を交わしました。
続いて、一行は、元素戦略研究センターを訪問し、科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の細野秀雄教授・元素戦略研究センター長による同センターの概要説明を受けた後、施設を見学しました。文部科学省元素戦略プロジェクトの一環として2012年8月に設置された同センターは、「石ころ」や「セメント」のようなありふれた物質から人類に役立つ革新的な材料を生み出すことを目標として研究を行っています。センター長である細野教授は、これまでに液晶パネルや有機ELディスプレイの駆動に適したIGZO-TFTの提唱や、常識を覆した鉄系超電導体の発見など、数々の研究成果を生み出しています。
AEARU理事会の歓迎夕食会・昼食会では、毎回主催大学の学生によるパフォーマンスが披露されます。
理事会前日の14日に開催した歓迎夕食会では、「東工大管弦楽団」の四重奏グループが演奏を行い、出席者の会話に華を添えました。夕食会後半には、ジャグリングサークル「ジャグてっく」のメンバー5名が登場し、授業や研究の合間に練習を重ねているさまざまな技を披露し、会場を沸かせました。
さらに、15日の理事会終了後に開催した昼食会では、ラテンジャズビッグバンドサークル「ロスガラチェロス」が、リズミカルで力強い演奏を披露し、参加者も手拍子で応えるなど、楽しい昼食時間を演出しました。
活躍した学生に理事会出席者から質問が出るなど、勉強や研究だけでなく、学生生活をおおいに謳歌している東工大の学生たちと理事会出席者が触れ合える場となりました。
本学でAEARU理事会を開催するのは今回が初めてでしたが、東工大の研究力の高さや学生の幅広い活動を東アジア地域のトップ大学の学長等にアピールするとともに理事会参加者が親交を深めるよい機会となりました。理事会参加者は、次回の第41回理事会および第23回総会を開催する筑波大学での再会を誓いあい、一連の日程を終えました。