10月17日~19日、本学が加盟しているMIRAIプロジェクトが主催する第1回MIRAIセミナーがスウェーデンのルンド大学にて開催され、本学から安藤真理事・副学長(研究担当)、関口秀俊副学長(国際連携担当)ほか、8名が参加しました。
MIRAIプロジェクトとは、2015年に東京で開催された日本・スウェーデン学長サミットにおける合意を契機として、スウェーデンの7大学・日本の8大学が連名でスウェーデン研究・高等教育国際協力財団に応募、採択となった2017年から2019年までの3年間のプロジェクトです。同プロジェクトは、サステイナビリティ(持続可能性)、材料科学、エイジングの3つの分野を中心に、両国の共同研究を推進、若手研究者の育成・交流を目的としています。
今回のセミナーは、同プロジェクトが2016年秋に始動してから最初に開催された本格的なイベントです。日本、スウェーデンから総勢170人が出席する大規模な会合となりました。
セミナー初日となった17日の午前には、全体会議として、日本、スウェーデンの政府および研究費助成機関の代表者による科学技術政策や研究資金プログラムの紹介や両国の大型研究施設の代表者によるパネルディスカッションが行われ、二国間の連携強化、共同研究の発展などについて議論が行われました。
午後からは、サステイナビリティ、材料科学、エイジング の主要研究分野のグループセッションが行われ、個別にプログラムが進行しました。また、新たな連携テーマとして検討されているイノベーションについても個別セッションで議論が行われました。本学からは、関口秀俊副学長、科学技術創成研究院(IIR)の山口猛央教授、田巻孝敬准教授がサステイナビリティのセッションに、元素戦略研究センターの金正煥助教、IIRの飯村壮史助教が材料科学のセッションに参加しました。
3つの主要研究分野のセッションは、今回のセミナーの主要イベントとして、19日の昼まで3日間に亘って行われ、若手研究者の交流の場となりました。各セッションでは、両国の各大学から参加した研究者が自らの研究内容を発表、その後、グループワークを実施し、共同研究の可能性や大学院生向けセミナーの開催など、教育面での交流についても協議を行いました。
最終日の19日午後には、ルンド市郊外にある電子加速器研究施設マックス・フォー(MAX IV)および建築中の欧州核破砕中性子源(ESS)の見学が行われました。MAX IVは、ルンド大学MAX IV研究所が運営するシンクロトロン放射光源施設であり、スウェーデン最大の研究プロジェクトです。また、ESSはスウェーデン、デンマークを中心に12ヵ国が参加する欧州研究インフラ・コンソーシアムの枠組みで建設が進められている次世代中性子発生施設で、2023年に本格稼働が予定されています。
なお、セミナー開催中、両国メンバー大学の代表者による会合が複数にわたって持たれ、2018年度以降のセミナーやワークショップの開催方針について具体的な議論を行い、親交を深めました。日本・スウェーデン外交関係樹立150周年を迎える2018年秋には、第2回MIRAIセミナーが日本で開催される予定です。
MIRAIプロジェクト参加大学
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日本側8大学
広島大学、北海道大学、九州大学、名古屋大学、上智大学、東京大学、東京工業大学、早稲田大学
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スウェーデン側7大学
シャルマーズ工科大学、リンシェーピン大学、ルンド大学、ストックホルム大学、ウメオ大学、ヨーテボリ大学、ウプサラ大学