2017年12月~2018年1月にかけて、留学生の日本文化体験、および東工大生との学生交流を目的としたホームビジット(家庭訪問)が行われました。2016~2017年のウインタープログラムで試行し、2017年のサマープログラムでも継続、今回で3回目の実施となるホームビジットプログラムは、本学学生9名と本学職員3名の協力により、11名の留学生が体験しました。
前2回は東京近郊在住の東工大生とそのご家族のご協力の下行いましたが、今回は、本学学生宅のみでなく、本学職員の協力を得て、本学学生と留学生のペアでの職員の家庭訪問も実施しました。
ホームビジットプログラムでは、これまでに本学学生23名により、合計50名の留学生が家庭訪問を行い、参加者からは学内での交流とは趣が異なるより深い交流ができたとの報告を受けています。
ホームビジット受け入れ家庭の本学学生およびご家族からのメッセージをご紹介します。
ホームビジット受け入れ家庭、東工大生からのメッセージ
東工大生の家庭でのホームビジット
足達哲也さん(工学院 システム制御系 修士課程2年 ミュンヘン工科大学派遣留学2016~2017)
今回、豪州メルボルン大学からの留学生ラドラシシュ(バンドパドヘイ・ラドラシシュ)さんと交流しました。受け入れのお話をいただいたのがちょうど長期留学を終えた後で、今度はぜひ日本に来た留学生を私がおもてなしして、少しでも留学中の貴重な経験を提供できればと思い、受け入れを決めました。
私は日本を代表する観光地に長年住んでいるのですが、こうして海外からのお客さんを案内するのは初めてで、彼との会話の中で自分の街のことや自分自身の昔の記憶を思い出したりすることができ、異文化交流と併せて自分のことや身の回りのこと思い出すきっかけになり、有意義な経験となりました。
ご両親からのメッセージ
ラドラシシュさんの訪問では、楽しい時間を過ごせました。当初、インド出身の方だということで、食べ物の制約がないのかと心配しましたが、ご本人からのメールで「何でも食べられます」との返事があったので安心しました。手巻き寿司メニューはなるべく沢山の食材を用意するように心がけ、ご本人から「こんなに沢山の魚の種類があるのを、ひとつのお皿で見たのは初めてだ」と喜んでもらえました。すかさず、我が家にあった食材図鑑により日本で食べられる水産物のバラエティを説明したところ、ご本人は大変驚いていました。また、「何でも食べられる」ようにしている理由として「グローバルに活躍する人材になるためには、ローカルな制約を言っている場合ではない」という説明をされたことには、脱帽しました。ただし、「納豆は食べられない」というのはご愛敬でした。日本へのショートステイが決まって、お父様が大変喜んでいるとの話には感銘を受けましたが、お父様は化学会社の技術者とのことで、「日本企業は高い技術力を持っていること」、「日本は誠実な国民性を有していること」がその理由だそうです。ラドラシシュさんが本国に帰って、日本の印象をご両親に報告してくれるのだとしたら望外の喜びです。
拙宅を訪問された最初のインド人の方でしたが、こういうかたちで国際交流に貢献できるのなら、次の方の受け入れも大歓迎です。
竹之下眞央子さん(生命理工学部 生命科学科 学士課程3年 韓国KAIST派遣2017参加学生)
我が家で留学生を受け入れるのは初めての試みということもあり、緊張と不安を感じながら当日を迎えましたが、到着とともに見せたメルボルン大学のルイユ(スー・ルイユ)さんの素敵な笑顔と、「コンニチハ!」という明るい挨拶が、それまでの心配を一気に吹き飛ばしてくれました。
ホームビジットが終わった後、この企画に参加することができ、本当に貴重な経験になったと感じました。両親も「視野を広げるよい機会になりました。娘の成長を頼もしく思いました。」と話しています。
どのようなことをしたら留学生に喜んでもらえるだろうと考えるのは大変でしたが、家族や友人、留学生と話し合うなかで、日本の魅力や文化、習慣についても再認識することができました。留学生と一緒に行動をともにし、様々な発見があった一日でした。留学生が「来日してから一番楽しい日だった」と話してくれたことが何より嬉しかったです。日本で楽しい思い出を残してほしい、もっと日本のことを知ってもらって、日本を好きになってほしいという想いで今回の企画に参加しましたが、この言葉を聞いて、そのやりがいがあったと感じました。ルイユさんが私のパートナーで本当に良かったです。
本学職員の家庭でのホームビジット
高田紘克さん(第1類 学士課程1年 スリランカ超短期派遣2017参加学生)
初めに私がこのプログラムに参加しようと決めたのは夏にスリランカへ行った時に現地の学生たちと交流したのがとても楽しく、もっと世界中の人と仲良くなりたいと思ったからです。今回はメルボルン大学からの留学生2名(ドン(ヌヤン・トロン・ドン)さん、チーチュン(ハン・チーチュン)さん)と日本人学生1名(菅原孝弥さん)とともに参加しました。
後期に入ってから英語の選択授業が取れなくなってしまったためか英語力の低下を感じており、当日も留学生との会話でも言葉が出てこなかったり何を言っているのか聞き取れなかったりといったことが本当に沢山ありました。それでも彼らは優しくて嫌な顔せずに会話を続けてくれたので嬉しかったです。たっぷり時間があったので色々な事を話せました。
彼らが日本に来てから行ったところや東工大での過ごし方、メルボルンの様子など書ききれないほど多くの会話ができたと思います。彼らはたこ焼きや焼きそばなどの日本食や日本の便利さに驚いていて逆に日本の良さも再確認出来ました。
僕が所属する合唱団の演奏会に誘ったところ行きたいと言ってくれて、合唱を披露するのが楽しみになると同時にこれからも連絡を取り合いたいと感じました。
最後に、彼らが語ってくれたメルボルン大学にとても魅力を感じたのでいつか留学したいです。これをモチベーションに英語の勉強を頑張ります!
網崎優樹さん(環境・社会理工学院 融合理工学系 修士課程1年 2018年2月~中国清華大学へ留学予定)
メルボルン大学のボ(ツン・ボ)さんとディディ(ツ・ディディ)さんとともに参加しました。普段から留学生と会話することはあったものの、日本の家庭での交流は過去にしたことがなく、私自身が新鮮さを感じました。大学を外れていつもよりゆっくりとした空間の中で、普通に話すよりもより深く交流できたと思います。
今回のホームビジットにあたり、協力したいと思ったものの、家庭の事情で自分の家に招けなかったことが唯一の心残りです。うまく留学生と交流できたのは、ひとえに職員の方のご一家のあたたかいおもてなしのおかげだと思います。ご家庭にお招きいただき、改めて感謝を申し上げたいと思います。次は是非家族の了承を得て、私の家に招きたいと思います。
東京工業大学は、これからも留学生と本学学生の交流の場を創出するため様々な活動を行っていく予定です。
本学学生のご家族の皆様および教職員の方々にご協力いただければ幸いです。
本プログラムは、「スーパーグローバル大学創成支援事業(Top University Global Project)」による取組みの一環として開始しました。
「スーパーグローバル創成支援事業」は、2015年に文部科学省が開始したプログラムで、日本の高等教育の国際競争力の向上を目的に、海外の卓越した大学との連携や大学改革により徹底した国際化を進める、世界レベルの教育研究を行うトップ大学や国際化を牽引するグローバル大学に対し、制度改革と組み合わせて重点支援を行うことを目的としています。
お問い合わせ先
国立大学法人 東京工業大学 留学生交流課
E-mail : summer.program@jim.titech.ac.jp、winter.program@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3785 / 3786