4月24日、日本科学未来館で、バラク・オバマ米大統領と日本の若者が科学技術について語り合いました。このイベントに東工大から学部4年生2名、附属科学技術高校生5名が参加しました。オバマ大統領と直接話ができるという経験を通して、学生たちは何を感じたのでしょうか。
理学部物理学科・グローバル理工人育成コース所属 4年 小泉 瑠奈
ジオ・コスモスの前で。後列中央が小泉瑠奈さん
当日、オバマ大統領は毛利衛宇宙飛行士とともに入場されました。最初に私たち学生は、大統領へ自己紹介をし、その後、国際宇宙ステーションに滞在中の若田光一宇宙飛行士のビデオメッセージを一緒に視聴しました。ビデオメッセージでは若田さんと他二人の宇宙飛行士が大統領に挨拶をし、国際宇宙ステーションでの活動を報告されていました。
ビデオメッセージの後、“ジオ・コスモス”という3Dの球状のパネルに宇宙からみた地球が映し出された球体の前に移動し、野口聡一宇宙飛行士が装置について説明をした後、大統領ともう一人の日本人学生と私でパネルに映し出されている地球を回転させました。地球を回転させながら、大統領は「次はどちら方向に回転しようか」や「宇宙に興味はあるのか」などと問いかけて下さり、私も緊張がほぐれ、会話を楽しむことができました。地球儀を回転した後、大統領から専攻や研究している内容、将来の夢などを聞かれて、お話ししました。
その後行われたオバマ大統領のスピーチでは、もっと多くの日本人学生にアメリカに来て研究をしてほしいという話がありました。大統領は、私たち学生のことも独立した一社会人としてとらえ、接していただいているという印象を受けました。
今回、大統領との出会いにより、今学習していることを社会にすぐにも生かすことができるような形で、私たちが科学を深めることを世界が待っていると、強く感じました。
生命理工学部生命工学科・グローバル理工人育成コース所属 4年 山元 奈緒
来日に際し、オバマ大統領ご本人が、ぜひ日本の学生と交流したいとおっしゃったのがきっかけで、今回の大統領と日本の学生との交流イベントが、日本科学未来館で行われました。イベントには20名の高校生と10名の大学生、計30名が参加しました。
オバマ大統領とアシモを囲んで、左が山元奈緒さん
イベントは大きく4つのセクションに分かれており、私はASIMOの紹介をする2つ目のセクションに参加しました。このセクションに参加したのは私を含め大学生2人で、幸運にもオバマ大統領の隣でお話する機会を得ました。
大統領は大変気さくな方で、私が咄嗟に「ASIMOが蹴るボールをキャッチしてみませんか」と勧めたところ、「Sure!」と快諾され、ASIMOとのサッカーを楽しんでくださいました。大統領はASIMOのセクションが終わり、次のセクションに移動する際、「まだあの学生ときちんと話をしていない」と、わざわざ戻って来られ、もう一人の学生と大統領との3人での会話の時間を持ってくださいました。「今何を専攻しているのか?」、「学んでいることを将来どのように生かしたいか?」、「将来何をしたいか?」、「留学はしたいか?」など次々と質問をされ、生命情報を専攻している私に対して、「人々の健康や生活に関わる非常に大切な分野だからぜひ頑張って勉強を続けてほしい」と励ましの言葉をかけてくださいました。アメリカ大統領が、一大学生のために時間を割いて話をし、励ましの言葉をくださるその温かさに非常に感動しました。また、トップに立つ人の立ち振る舞いを実際に見て、感じることができたことは本当に素晴らしい経験でした。幸運にもこのような機会をいただいたことに心から感謝し、この経験をこれからの人生の糧にしていきたいと思います。
附属科学技術高校の生徒たち
今回は、オバマ大統領の演説を聴けるという貴重な機会をいただきました。個人的に英語はプログラムを作成する上でもかなり使用するので勉強していた方なのですが、結局当日は、大統領の演説でよく聞き取れない部分がありました。やはり、もっと英語は勉強するべきです。(神保和行)
首脳会談の時などテレビでお見かけする顔とは違い、オバマ大統領はフランクで親しみやすい方でした。握手の際に大統領から少し質問をされましたが、私が痛感したのは英語の必要性です。いつ使う機会が訪れるか分からないので、キチンと準備しておく必要があると感じました。(安倍峻平)
私は今回のイベントで、英語の重要性を改めて感じました。突然の英語の質問に答えることはかなり難しく、普段なら答えられることも上手く言えないなど、実力不足も体感しました。この貴重な体験を機に、様々なイベントに参加して、実力を深めていきたいです。(笠井信宏)
今回、オバマ大統領のスピーチを直接拝聴できるというとても貴重な体験をさせていただき、素晴らしい時間を過ごす事ができました。スピーチでは、日本とアメリカの科学技術分野での協力の必要性や、将来の展望についてお話をいただき、日頃の勉強の大切さを思うとともに、将来の夢への決意が、より一層強くなるきっかけとなりました。(畝本涼)
私は英語が得意ではありませんが、このイベントを通じ「英語を操れない私」を非常にもどかしく思うようになりました。二度と得られないようなこの経験を、今後の人生を歩む上でのモチベーションとしていきたいです。人生、本当に何があるのかわかりません。(川端唯人)
講演するオバマ大統領と学生たち
※ 5月16日、文中に誤植がありましたので修正いたしました。