2月20日から23日の3泊4日、「角田農業体験旅行ホームステイプログラム」が開催されました。本プログラムは2009年に開始され、現在は学生支援センター国際交流支援部門事業として実施されています。東工大大岡山キャンパスが所在する目黒区と宮城県角田市が友好都市関係であるご縁から、角田市役所をはじめ公益社団法人角田市農業振興公社、アジアの農民と手をつなぐ会、ホームステイ受け入れ家庭など角田のみなさんの協力を得て企画・運営しています。
本学の留学生と外国人研究員が参加でき、今回は5ヵ国から留学中の16名(タイ8名、インドネシア3名、スウェーデン2名、ドイツ2名、中国1名)が参加しました。ホストファミリーと対面する歓迎会には、角田市の大友喜助市長も出席し、角田のみなさんによる神楽や歌、留学生によるダンスや歌が披露されました。最後はみんなで一つの輪になって踊り、10年間で築いてきた良好な関係が伝わる温かな会となりました。
滞在中のプログラム内容は大きく2つに分かれており、参加者全員で角田市および周辺市町村の施設見学やそば打ち体験等を行う日程と、それぞれのホストファミリーと過ごす日程で構成されています。2012年以降は隣接する山元町も訪問し、2011年の東日本大震災で津波の被害に遭った旧中浜小学校、いちごの産地だった被災地で現在は高設栽培を行う山元いちご農園を見学し、非常に有意義な体験となっています。ホストファミリーとは、お子さんが通う小学校への訪問や工場見学、ホストが農業を営む場合には田畑の見学等を通じて親睦を深めました。ホームステイ先で、出身国の料理をふるまった留学生もいました。
参加者の日本語レベルはさまざまで、日頃は研究室での会話も英語という学生もいますが、どの学生もホストファミリーと日本語でコミュニケーションしようと努めました。最終日の「お別れ会」ではほとんどの学生が日本語で感想を述べ、英語で述べた学生も「次に来る時は、日本語であいさつします」と話し、本プログラムは日本語学習の大きな動機付けになりました。学生からは「農村に滞在し日本語のみでコミュニケーションする体験ができたことは貴重でした」、「多くの経験ができ、忘れられない思い出になりました」、「次回も実施されるなら、全ての友人に参加を勧めます」等の声が寄せられました。また、10年間ホームステイを受け入れているホストファミリーからは「24時間×3泊4日、ご飯は何を作ろう、何かあったらどうしようと考えて大変です。でも、それ以上に素晴らしい思い出を毎年もらっています。子供たちも喜んでいます」、今年初めて受け入れたホストファミリーからは「初めてで不安でしたが、ご飯もたくさん食べてくれ、夜もぐっすり眠れたようで安心しました」との感想が聞かれました。
今後も、学生支援センター国際交流支援部門では国際交流機会を提供する体験旅行やイベントを実施し、リベラルアーツ研究教育院日本語セクションが行う日本語授業との学びの相乗効果を生み出していきます。