2018年3月31日(日)をもって、三島良直学長、岡田清理事・副学長(企画・人事・広報担当)、丸山 俊夫理事・副学長(教育・国際担当)、安藤 真理事・副学長(研究担当)が退任します。代表して、三島学長の退任にあたっての挨拶をご紹介します。
2012年10月に学長に就任してから5年半が経ちました。その間本学の教育、研究、ガバナンスの改革、そして国際化に向けたさまざまな努力に全力を尽くせたと思っています。そして、このたび無事に任務を終えることが出来るのは、他大学ではまねのできない本学の教職協働体制のもとでの教職員の皆さんのご協力のおかげです。
私は類別入試の始まる1年前の1969年に本学に入学し、2年目の学部・学科の所属に際して工学部金属工学科を選択し、以後大学院修士課程修了までの6年間を過ごしました。そして博士後期課程への進学を決意しましたが、考えるところがあって修士2年時の夏ごろから米国カリフォルニア大学バークレー校への進学に挑戦しました。首尾よく材料工学専攻の博士課程への入学を果たして1975年4月から留学生活を始めました。米国の大学での授業履修・単位取得のプロセスが大変なことは聞いていたのですが、日本では授業が少ない博士課程においてもそうで、はじめの学期(当時は各10週間の3学期制)では4単位の授業を2つ履修するだけで精一杯でした。それでも1年も経つと新しい環境に慣れて留学生生活も厳しくも楽しいものへと変化していき、研究にも没頭することが出来ました。Ph.D(博士号)の取得には3年9ヵ月かかりましたが、ポスドクとして過ごした2年間を加えたこの期間の経験が私のその後の教員としての考え方に大きなインパクトを与えたことは間違いありません。例えば、学生にとって、教員の授業にかける熱意に向き合い、非常によく練られた実験科目に取り組み、そして各科目において課される宿題やレポートに対する並大抵ではない労力を費やして学期を乗り切ること、そしてこれを積み重ねていく過程こそが大学での成長に欠かせないことを実感したことが挙げられます。
本学においても学生諸君が受け身ではなく積極的な修学に挑戦し、教員の皆さんは学生目線で系統的なカリキュラムのもとで各授業科目において習熟すべき知識や技能を明確にした上で、さまざまな教育手法を考えて彼らを鍛え、彼らに単位を修得した時の達成感を感じさせることが肝心だと思います。研究室における本学の最先端の研究を通した教育や専門外の教養教育を含めて、本学で学ぶ学生の能力を入学当初から卒業・修了までにいかに伸ばして上げられるかを全学的に共通の目標として取り組んでいただければと思います。
4月からは新体制のもとで本学の大きな飛躍に向けて、構成員一丸となって邁進していかれることを期待しています。今後も皆さまからの変わらぬご支援をお願い申し上げて、退任の挨拶といたします。
学長 三島良直