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科学教室「進化論と利他行動」ほか 2017年度開催報告

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生命理工学院 生命理工学系 基礎生物学教室では、東工大基金による支援事業の一つ「理科教育振興支援」の後援を受け、主に小・中・高校生を対象に、科学に触れ合ってもらう公開教室を不定期で開催しています。昨年度は、大岡山キャンパスにて科学教室を3回開催しました。

「なぜ植物には葉っぱがあるの?」

夏休み中の8月27日に、小学生を対象とした科学教室「なぜ植物には葉っぱがあるの?」を開催し、多くの親子が参加しました。

大岡山キャンパス内で葉を採集し、葉の主な構造である気孔や葉脈を顕微鏡で観察したり、葉脈を蛍光色素で染めたりしました。また、薬品処理をして葉肉を取り除いた葉脈の栞を作って、持ち帰りました。

植物の構造についての講義
植物の構造についての講義

蛍光色素を吸わせた苺の葉脈
蛍光色素を吸わせた苺の葉脈

葉肉を取り除く参加者
葉肉を取り除く参加者

薬剤処理した葉脈で作ったしおり
薬剤処理した葉脈で作ったしおり

「進化論と利他行動」

タカ・ハトゲームの結果例
タカ・ハトゲームの結果例

工大祭(本学の学園祭)開催中の10月7日には、高校生以上を対象とした科学教室「進化論と利他行動」を行いました。

昨年春に続き、コンピュータ・シミュレータをバージョンアップして行いました。目の前の川で溺れてしまった子供を助けるような、自分の命を賭けて他人を助けようとする「利他行動」は、ダーウィン流の古典的な進化論で理解することは困難です。このために考えだされた一つのモデルである「囚人のジレンマ」※1を紹介し、「タカ・ハトゲーム」※2の解説をしました。準備したコンピュータ・シミュレータを参加者に操作してもらい、「利他行動」を生物学的に説明できるかを考察しました。

※1
囚人のジレンマとは、個々にとっての最適戦略が全体にとっての最適戦略にはならない「ジレンマ」状態を表すモデルの一つです。自身の「利益」を最大化するために、あえて自己を犠牲にする利他行動を選択した方が良いケースがあることが示されます。
※2
タカ・ハトゲームとは、ゲーム理論における最も有名なゲームの1つです。このゲームでは、各プレイヤーはそれぞれ鷹戦略(利己行動)と鳩戦略(利他行動)を選択して対戦させます。その対戦結果を各プレイヤーの「利益」とみなし、そこからそれぞれの適応度を求めます。つまり各プレイヤーの適応度は、どのような戦略を取るか(利己行動か利他行動か)で決まってきます。

「海の生物の行動観察」

工大祭2日目の10月8日には小学生の親子を対象に「海の生物の行動観察」を実施しました。

アサリの海水ろ過作用、ムール貝のエラの機能、ヤドカリの引っ越し、ウミホタルの発光を親子で観察しました。直接観て、手で触れることによって、特徴的な海の生物の構造と行動から生息環境を理解することができます。海辺の生物がどのような行動をして、生活をしているのかを知り、様々な環境の中で生活している生き物のためにも自然環境を大事にすることを伝えました。

ムール貝からエラを取り出す
ムール貝からエラを取り出す

ヤドカリの引っ越し
ヤドカリの引っ越し

今年も基礎生物学教室では、小・中・高校生が科学にふれる教室の開催を予定しています。

東工大基金

このイベントは東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

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お問い合わせ先

生命理工学院 基礎生物学教室

Tel : 03-5734-2700


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