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大学院エネルギーコース学生によるポスター発表会を実施

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1月31日に、2018年度「エネルギーイノベーション協創プロジェクト」「エネルギー学理実践研究A」のポスター発表会が、東工大大岡山キャンパス 環境エネルギーイノベーション棟にて開催されました。

ポスター発表会 ―エネルギー問題研究の位置づけを再認識―

ポスター発表会は、エネルギーコースに所属し、「エネルギーイノベーション協創プロジェクト」「エネルギー学理実践研究A」「エネルギー学理実践研究B」を受講している修士課程・博士後期課程の学生の俯瞰力を養うことを目的として、毎年開催しています。ポスター発表を通して、異なる分野の研究課題を学ぶと共に、エネルギー問題に対する自身の研究の位置づけを再認識する場となります。異なる学術的な背景を持つ学生が、修士・博士の垣根を越えてエネルギーという共通のキーワードに対して学際的な議論を行うことができます。今年度で3年目を迎え、修士課程・博士後期課程をあわせて74名の学生がポスター発表会に臨みました。

ポスター発表会の様子

ポスター発表会の様子

一部の博士後期課程の学生は、「エネルギー学理実践研究B」におけるPBL(Project Based Learning、課題解決型学習)の場として、本発表会を1つのプロジェクトとして捉え、世代や分野を超えて活発な交流・議論を行う方策を模索しました。これらの学生によって本発表会が運営され、当日の受付や会場設営が行われました。ポスター発表会は、2グループに分かれて行われました。各グループ1時間ずつ、参加学生のみならずコースの教員も交えて活発な議論が繰り広げられました。学生同士で議論を深めたり、教員と真剣勝負に臨む学生もいたりと、わずか2時間でしたが、有意義な時間となりました。

チュートリアル講演会 ―研究内容をわかりやすく発表―

ポスター発表会の後、新進気鋭の若手教員による「チュートリアル講演」を参加者全員が聴講しました。チュートリアル講演は、昨今、異分野の研究者に対して自身の研究内容をわかりやすく発表する機会が増えてきているため、学生のスキル向上の一助になることを目指し、初めて企画されました。工学院 機械系の渡部弘達助教が、持続可能な社会を実現する1つのアプローチである「低炭素循環型社会」の実現が求められていることを念頭に、固体酸化物燃料電池(SOFC)やダイレクトカーボン燃料電池(DCFC)に関する研究内容をわかりやすく紹介しました。研究内容は、ベーシックな研究からものつくりにいたるまで多岐にわたっており、エネルギー分野の研究に携わる学生にとって励みとなる有意義な内容でした。講演の最後には、研究を進めていく上で重要なことなど学生へのアドバイスも行われ、熱心に聞く学生の姿が印象的でした。

渡部助教によるチュートリアル講演

渡部助教によるチュートリアル講演

最後に交流会が行われました。優秀なポスター発表を行った「エネルギーイノベーション協創プロジェクト」の参加学生の中から最優秀賞1件、優秀賞10件、また「エネルギー学理実践研究A」の参加学生の中から最優秀賞1件、優秀賞1件の発表があり、エネルギーコースの末包哲也コース主任(工学院 機械系 教授)から受賞者に対し表彰状が授与されました。

なお、昨年の発表会の模様(ビデオ映像)はエネルギーコースウェブouterにて閲覧可能です。

参加学生のコメント

村田歩紀さん(工学院 電気電子系 修士課程1年)

大学外で発表する機会は稀で貴重な場面であると思いますが、大学内で発表を行う経験もまた貴重なものであると実感しました。専門分野外の方への発表が中心であるため、自分の研究の意義について余すことなく伝えることを重点的に意識し、ポスターの作成や発表に取り組みました。これらから、研究の成果を報告するというだけでなく、的確で「伝わる」発表をするまでが研究であるということを再認識しました。学生同士の議論も活発に行われ、モチベーションの向上にもつながりました。学内という範囲で自分の視野を広げ、プレゼンテーションの質を高めるという非常に有意義な経験ができました。

エネルギーコースとは

エネルギーコースは理学院の化学系、工学院の機械系、電気電子系、物質理工学院の材料系、応用化学系、環境・社会理工学院の融合理工学系という4学院6系から構成される複合系コースです。各系における深い専門性をベースとしながら、エネルギーに関する体系的な幅広い知識の習得を目指しています。複雑化したエネルギー諸問題を「多元的エネルギー学理」の視点から判断できる俯瞰力を備え、イノベーションを牽引する人材を育成します。

複合系コースとは

東工大は2016年に教育改革を行い、世界最高水準の研究の中で学生が自ら学び考える教育を進め、独自の教育カリキュラムを構築しています。学士課程卒業生の約9割が入学する大学院(修士課程と博士後期課程)で学生は自分の「コース」を自由に選択します。

中でも、異なる学問領域を融合した「複合系コース」は、複数の学院や系にまたがっている先駆的なコースとして、教育改革で誕生したコースです。地球規模の社会的課題を解決するために、専門分野にとらわれず、さまざまな分野の知見を活かす人材を育成し、東工大は21世紀の理工系総合大学に求められる役割を果たします。

複合系コースでは、「エンジニアリングデザインコース」「ライフエンジニアリングコース」「原子核工学コース」「知能情報コース」「都市・環境学コース」そして「エネルギーコース」の計6つのコースを提供しています。


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