3月14日、東京工業大学の産学協働プログラムの第1号となる「人生100年時代の都市・インフラ学」の発足を記念し、キックオフイベントとして記念講演会を大岡山キャンパス東工大蔵前会館で開催しました。プログラムの会員企業の経営トップや学内の関係者を含め、150名を超える方々が参加しました。
プログラムの概要
日本は、平均寿命が世界一の長寿社会です。2007年に日本で生まれた子供は107歳まで生きる確率が50%にもなると言われています。こうした超長寿社会日本においては、人々の暮らし方、働き方、学び方が変わっていくでしょうし、また変わらなければなりません。一方で、震災や水害は言うまでもなく、さまざまな自然災害の脅威が従来以上に高まっています。このような大変革は日本に限ったことではなく、今後、グローバル社会共通の根源的な潮流になると考えます。
本プログラムは、人類が歴史上経験のしたことがない大きな変化の中で、東工大の多様な領域の知見に加え、広く社会の知見を融合し、
- 人生100年時代の人の「幸福」とは何なのか?
- 人生100年時代の「人」を支える都市やインフラはどのようにあるべきか?
- 我々は何をすべきか?
を解明することを目的として活動します。環境・社会理工学院が本プログラムを企画・運営します。
記念講演会
キックオフイベントの記念講演会では、最初に益一哉学長が、本学の将来構想と本プログラムの意義について語りました。東工大が目指すべきゴール「世界最高の理工系総合大学」に向けて、「科学技術のファシリテーターとして、客観的な知見を社会に提供しながら、社会と共に未来をデザイン」することが本学の目標の1つであると説明し、「本プログラムは、この目標達成に向けた戦略的なフラッグシッププログラムである」と述べました。
続いて、特別講演として和泉洋人内閣総理大臣補佐官が「人生100年時代の都市・インフラ整備」について話しました。「人生100年時代とは」から始まり、Society5.0(ソサエティ5.0)、スマートシティ、科学技術イノベーションに係る政府の取り組みまで広範なテーマを取り上げました。和泉補佐官の最後のメッセージ「未来は明るい」はとても印象的でした。
さらに、本学の科学技術創成研究院の柏木孝夫特命教授(先進エネルギー国際研究センター センター長)が「超スマートエネルギー社会へのアプローチ」と題して、特別講演を行いました。今後の都市・インフラの最重要なイシューであるエネルギーシステム、特に、地域主導の地産地消型エネルギーシステムの重要性について話しました。
講演会の後、懇親会を開催しました。100名を超える方が参加し、今後のプログラムへの期待を語りあう姿が見られました。
産学協働プログラム「人生100年時代の都市・インフラ学」はこの日がスタートです。今後3年間にわたり、東工大および国内外の外部専門家に加え、本プログラムの趣旨に賛同する企業をメンバーとするワークショップ等を通じて、議論を深めます。本プログラムの成果については、公開シンポジウム等を通じて、広く社会に提言していく予定です。
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