3月24日、本学グローバルリーダー教育院に所属する東工大生や、一橋大学、東京大学、お茶の水女子大学の学生などが主体となり、愛媛県北宇和郡松野町立松野中学校の生徒を対象にワークショップを同校にて実施しました。町内唯一の中学校である松野中学校の全校生徒およそ100人のうち、1年生から3年生までの生徒20人が参加しました。東工大からは学生4名、教員1名が参加しました。
愛媛県北宇和郡松野町は、県南部の中山間地域に位置し、その人口は4,000人に満たない小さな町です。町内に高等学校以上の学校はないため、松野町の中学生は、大学生がどのような生活をしているかを日常で目にする機会がほとんどありません。そこで、松野町に住む中学生を対象として、大学院生・大学生が実際の「大学での学び」がどのようなものかを紹介し、参加者が自身の将来について考えるという、キャリア教育としてのワークショップを実施しました。
午前の部:大学の学びを体験
まちづくりコース
大学院生が「まちづくりとは何か?」と題した講義を行った後、参加した中学生と大学院生が一緒に町内を散策しました。町内観光施設の運営者へインタビュー等を行い、街の観光資源や魅力、課題を見つけることができました。最後に、理想の観光ルートを考え、発表を行いました。
人工知能コース
じゃんけんのグー・チョキ・パーをコンピューターに学習させ、画像認識を行う人工知能デバイスを製作したり、人工知能を使ったサービスのアイデアを発表したりしました。このコースは、東工大生が代表を務める国際学生サークル「Robogals Tokyo(ロボギャルズ・トーキョー)」が担当しました。Robogals Tokyoは、2008年にオーストラリアで設立されたRobogalsの東京支部として、小~高校生に将来技術者を目指すきっかけを提供すべく、プログラミングのワークショップなどの活動を主に行っています。
午後の部:将来のビジョンを考える
大学院生・大学生がどのようにして、やりたいこと、学びたいことを見つけたのかについてパネルディスカッションを行った後グループ毎に分かれ、将来どのようなことをしたいかなどを話し合いました。松野町の中学生にとっては、東京の大学生と話す貴重な機会となり、将来について考えるきっかけとなりました。
参加者した中学生の声
参加した中学生からは「松野町は頑張っているなと知ることができた。田舎くさい感じが苦手だったけれど、まあまあ良い所だなと思った」「自分が繋げた回路で人工知能が動いて感動した」「自分の将来に自信がついた」などの声が聞かれました。
リーダーを務めた土屋泰樹さんと逢坂仁葵さん(グローバルリーダー教育院 修士課程2年)のコメント
昨年5月からこのワークショップの準備を進めました。私たちやメンバーの、まちづくりや電子機械、人工知能の研究の専門性を生かし、体験してもらうことで、中学生が学ぶことの楽しさ、面白さに気づき、そして、将来への視野が広がったと感じてくれて、とても嬉しかった。自分自身の本当に好きなことを見つけ、将来に向けて、楽しく頑張って欲しいです。
グローバルリーダー教育院とは
科学技術分野に強みを有する東工大ならではの持ち味を活かし、全学を挙げて設置した国際的リーダー人材を養成する学位プログラムを有する修士課程・博士後期課程を一貫した教育課程として2011年4月に設置されました。
全学院から学生を募り、個々の専攻分野における深い専門知識をベースに、そのスキルを他分野の科学技術の発展に活かすことのできる素養、日本や世界における文化の理解と国際性、技術経営に関する知識、コミュニケーション能力、俯瞰力や行動力を備えた「真のグローバルリーダー」を育成することを最大の目的としています。
グローバルリーダー教育院は、2019年3月末をもって文部科学省博士課程教育リーディングプログラム事業による支援期間が終了しましたが、2019年4月以降も「グローバルリーダー教育課程」として継続します。
また、本イベント開催にあたっては、東京工業大学基金事業「理科教育振興支援」による支援を受けました。その他、宇和島ケーブルテレビ、愛媛新聞には本ワークショップの様子が取り上げられました。