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博物館では、2013年11月より半年間を費やして附属高校生と東工大生が共に取り組む “東工大POTTERY CAMP ~やきものづくりから学ぶものつくり” を実施しました。
この成果報告展が、工学部無機材料工学科、附属科学技術高等学校との共催により、5月25日~6月30日の約1ヶ月間、百年記念館2階展示室にて開催されました。期間中は、学内外から多くの来場者があり、一連の活動とそこで生まれた作品に対する講評を受けることができました。
東工大生の手による益子の器
展示室の壁面に沿って設けられた展示台には、参加者21名と教職員12名の手による総制作数500点以上のうち、92点の益子焼が並びました。型・手びねり・ろくろといった種々の手法により成形された生地と、 7種の釉薬(並白・糠白・糠青磁・灰・飴・柿・黒)の組合せ、そこに参加者ひとりひとりのアイデアが加わった実に多彩な作品の数々。益子の土と釉薬をもちいて、卒業生・濱田庄司が築いた登り窯により焼成されたこれらの作品は、まさに東工大生の手による東工大製・益子焼となりました。
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制作された多彩な作品の数々
全参加者の作品が一堂に並ぶ展示風景.手前は村田浩先生による見本作品。
壁面には本プログラムのプロセスを解説するタペストリーと写真
POTTERY CAMP2013報告会
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飯田侑美さん(学部1年)
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姜竣銘さん(学部2年)
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小栗寛生さん(修士2年)
6月24日には、博物館長である大谷理事・副学長の呼びかけにより、鈴木蔵前工業会理事、本学の岡田、丸山両理事・副学長、齋藤附属科学技術高等学校長、東工大基金室をはじめとする学内関係者を招いて、本プログラムの報告会が行われました。報告会では、参加者を代表して3名の学生(飯田さん(学部1年)、姜さん(学部2年)、小栗さん(修士2年))が、自らの作品の前に立ちプレゼンテーションを行いました。制作上の工夫やその過程で学んだこと、実生活の中で用いる器に対する関心が変化したこと、ものつくりと文化との関わりについて考えはじめたことなど、このプログラムから得た学びを率直な言葉で表していました。
プログラムを終えて
1916(大正5)年に濱田庄司が東京高等工業学校(東工大の前身)を卒業してから約100年の時を経て、濱田が生涯作陶をつづけた益子の地に現在の東工大生・附属高校生が集い、作陶に取り組みました。濱田庄司や島岡達三、また今回のプログラムを通じて終始熱心に指導に当たってくださった村田浩先生をはじめとする現代の陶芸家の方々が、何を思い目指して日々の探究を続けてこられたのかについて、参加者は個々の専門分野や興味を動機として、多方面から学び感じることができました。
POTTERY CAMP2013報告会に参加した方たちで
お問い合わせ先
東京工業大学 博物館
Tel: 03-5734-3340
Email: centshiryou@jim.titech.ac.jp