東京工業大学 教育・国際連携本部は、本学の教育改革が目指す「学生が自ら学び考える教育」をさらに推進するため、「Student-Centered Learning(学生本位の学び)の実現に向けて」を研修テーマに宿泊形式の全学FD(ファカルティ・ディベロップメント)※1 を、2019年11月25日~26日に東京都府中市にある研修施設クロス・ウェーブ府中にて開催しました。
※1 : FDはFaculty Developmentの略称で、教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取り組みの総称。
本研修は、全学から教員48名と、オブザーバーとして榎並和雅監事及び三矢麻理子監事が参加し、本学 教育革新センターと学務部の協力のもと開催されました。
全プログラムを終えて行ったアンケート(42名/回収率87.5%)では、参加教員の満足度は「満足」と「やや満足」を合わせて95.3%と高く、特にグループ活動(検討)やディスカッション(指定討論)が有益であったことが見て取れます。自由記述には、「普段お会いしない他学院の先生方と1つのテーマを通して話し合いの場を持てたことがよかった」「学院を超えた交流ができ、知見が深まった」等の感想が寄せられました。
1日目(11月25日)
初日は、グループ活動から開始し、「キャンパスでの英語学習環境を創る」「オンラインを授業内外で活用する」「TA(ティーチング・アシスタント)※2 と協力して授業を展開する」「研究室教育を通して学生を育てる」というテーマごとに、参加教員がグループを編成し、翌日のプレゼンテーションに向けて活発な意見交換と検討が展開されました。
※2 : TAとは、教育や授業の補助準備など、教育に関わる業務補助を行う学生のこと。
続くレクチャーでは、益一哉学長が「本学が目指す教育」と題して、本学の掲げる人材像、教育ポリシー、教育プログラムの全体像、本学の将来構想について講演しました。
水本哲弥理事・副学長(教育担当)からは、本学が取り組んでいる様々な教育改革の現状と課題について話題提供がありました。
レクチャーに続いて、サークルタイム「学長と理事・副学長を囲んで」と題して、参加教員から学長および理事・副学長へ本学の教育改革に関する質疑がなされ、活発な対話が繰り広げられました。
ネットワーキングブレイクを挟んで行われたディスカッション(指定討論)では、関西大学 教育推進部の森朋子教授より、「見える学力・見えにくい学力・見えない学力」という学力の3要素や、学習理論の観点に基づいた「これからの授業」についての講演がありました。この内容を受けるかたちで、講師と参加者とのディスカッションが行われ、今回のテーマである「Student-Centered Learningの実現に向けて」のもと、活発に意見が交わされました。
ディスカッションを終えた各グループは、翌日のプレゼンテーションの準備に向けて、引き続き、活発な意見交換と検討を展開していました。
加えて、初日を終える懇親会では、益学長や水本理事・副学長も輪に入り、和やかな雰囲気の中、学院および系・コースの垣根を超えた交流が見られました。
2日目(11月26日)
オリエンテーションの後、各グループはプレゼンテーションの最終準備に入りました。その後の各グループからの発表では、それぞれが教育現場で抱えている課題や改善案などが提示されると同時に、将来の展望や教育改革に対する提案が行われました。
発表後は質疑参加だけでなく、他のグループ発表に対してフィードバックシートを記入し、それを踏まえて自身の発表内容に関する再検討を行う、アクティブラーニング形式のワークショップを行いました。
昼食後は、保健管理センターの齋藤憲司教授から「多様化する学生の現在~Student-Centered Therapy(学生本位の対話療法)の現場から~」と題する、現代学生の気質と教職員の学生への関わり方についての講演が行われました。
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