東京工業大学物質・情報卓越教育院(TAC-MI)は9月28日に、修士課程学生の成果発表会および産学交流イベントを、オンラインで開催しました。第1部は、2020年6月に開催した博士後期課程学生による成果発表会に続く今年度2回目の成果発表会となります。第1部では、修士課程の学生20名によるポスター発表を行い、本教育院の連携協力機関である企業関係者や本教育院のプログラム担当者、協力教員、学生など、学内外から約100名が参加しました。午後の第2部では企業メンターと学生との面談を実施しました。続く、第3部では、産学交流イベントとして、本教育院の会員企業22社が本教育院の登録学生に向けて、キャリア教育のための企業紹介を行いました。
当日のプログラム
10:00 - 12:45 <第1部> |
修士課程の学生による成果発表会~ポスターセッション~ |
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13:30 - 15:00 <第2部> |
企業メンターと学生との面談 |
15:30 - 18:30 <第3部> |
産学交流イベント~会員企業によるキャリア教育のための企業紹介~ 全体交流会 |
第1部 修士課程の学生による成果発表会~ポスターセッション~
第1部の開会式では、物質理工学院の須佐匡裕学院長および物質・情報卓越教育院の山口猛央教育院長が開会の挨拶を行いました。続いて、物質・情報卓越教育院の川内進特任教授よりポスターセッションの進め方について説明があった後、修士課程の登録学生20名が自身の研究についてのポスタープレゼンテーションを行いました。
今回のポスターセッションはビデオ会議システムZoom(ズーム)のブレイクアウトセッションを使って実施しました。発表ルームとして10個のブレイクアウトルームを作り、前半、後半10名ずつが各ブレイクアウトルームに分かれ、一人あたり20分3回のプレゼンテーションを行いました。
学生の発表は、最初に研究の背景を説明し、専門以外の聴衆にも研究の意義が理解しやすいよう配慮がなされたものが多く、研究内容の説明もしっかりしたものでした。ポスター発表ということで、聴衆が見やすいよう説明箇所を拡大する等の工夫が出来ている学生と、そこまでの余裕がない学生がいました。しかし、うまく操作すれば発表全体も把握できるので、オンラインでのポスター発表のポテンシャルを示しました。また、対面でのポスター発表では、聴衆がポスターの前に群がってしまい、よく見えないし聞こえないなど不便な場合もあります。オンラインではじっくり話が聞けるため、メリットを感じた方も多かったようです。
第2部 企業メンターと学生との面談
第2部では、企業メンターと学生との面談を行いました。物質・情報卓越教育院では、企業メンター制度を導入しています。企業の研究、開発、技術、企画、マーケティング等の経験豊富な社員との面談により、学生の視野を拡げると共に、自身の強み弱みを把握し、改善へのアドバイスを得るために、設けられている制度です。一人の学生に対し、一人の企業メンターがつき、修士課程から博士後期課程までの間、継続的に見守ります。
本教育院では、修士課程の学生は年1回、博士後期課程の学生は年2回程度、企業メンターと面談を行います。
第3部 産学交流イベント~会員企業によるキャリア教育のための企業紹介~
第3部では、本教育院の会員企業22社が本教育院の登録学生に向けて、企業紹介を行いました。本イベントは、第1部と同様に、Zoomのブレイクアウトセッションを使って実施しました。前半は11社、後半は11社が各ルームに分かれて企業紹介を行いました。
会員企業からは「博士後期課程の学生の採用に対するスタンスや採用後の業務について話す機会が得られ、学生の側からも質問が多く出されて大変有意義だった」との感想がありました。また学生からも「いろいろな企業の話を聞けて、参考になった」との声が寄せられました。
参加企業 22社
AGC株式会社 / 旭化成株式会社 / ENEOS株式会社 / 浜松ホトニクス株式会社 / JFEスチール株式会社 /JX金属株式会社 / 株式会社 カネカ / LG Japan Lab株式会社 / マツダ株式会社 / 三菱ケミカル株式会社 / 三菱ガス化学株式会社 / 長瀬産業株式会社 / 日産自動車株式会社 / 日本ゼオン株式会社 / 昭和電工株式会社・日立化成株式会社(10/1から昭和電工マテリアルズ株式会社に商号変更)(合同)/ 住友電気工業株式会社 / 住友化学株式会社 / TDK株式会社 / 株式会社 東芝 / 東ソー株式会社 / 東洋製罐グループホールディングス株式会社 /
(ローマ字アルファベット順)
コロナ禍でのオンライン開催
6月の博士後期課程の学生による成果発表会に引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、オンライン開催となりました。今回は、新しい試みとしてZoomのブレイクアウトセッションで、参加者が自由に各ルームを移動できる仕組みを利用しました。ブレイクアウトセッションルームの移動は初めての参加者も多く、イベント序盤は、移動の仕方が分からず戸惑う方も多く、スタートが遅れましたが、徐々に使い方に慣れ、スムーズに進めることができました。
企業交流イベントでは、各企業の事業紹介に加え、企業で求められる人材や企業における博士人材の活躍の場について、知ることのできる良い機会となりました。
今後も物質・情報卓越教育では、企業との交流イベントを通して、社会サービスの実装を見据え、地球規模の視野を持った、産業界が期待する卓越した人材を育成していきます。
「物質×情報=複素人材」を育成する卓越した博士教育
物質・情報卓越教育院(TAC-MI)は、本学から申請した2018年度卓越大学院プログラム『「物質×情報=複素人材」育成を通じた持続可能社会の創造』が文部科学省に採択されたことにより、2019年1月に設立されました。
本教育院では、複眼的・俯瞰的視点から発想し、新社会サービスを見据え、情報科学を駆使して独創的な物質・情報研究を進める「複素人材」を産業界とともに育成します。
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