東京工業大学ヨット部の部員3ペア6名が、11月1日から3日まで和歌山セーリングセンターと和歌浦湾(和歌山県和歌山市)で開かれた第85回全日本学生ヨット選手権(以下、全日本インカレ)スナイプ級に出場し、クラス別団体総合成績で参加24校中の4位と念願の初入賞を果たしました。33年ぶりに全日本インカレに出場したヨット部の3艇は、全国の24校72艇と3日間で計6レースを競いました。初めて経験する和歌浦の難しい海面でしたが、3艇はそれぞれ着順が9位以内に入るシングルフィニッシュを1回ずつ果たすなど活躍し、スナイプ級総合で4位の成績を収めました。
出場選手ら部員8名は11月6日、大岡山キャンパスで、益一哉学長に全日本インカレの成績を報告し、益学長からお祝いと激励の言葉を受けました。
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全日本インカレに遠征した東工大ヨット部チーム
出場したスナイプ級の3ペアは次の通りです。スナイプ級は2人乗りで、スキッパーは舵と主帆(メインセール)を操り、クルーは前帆(ジブセール)を操ります。
岡田・鈴木ペア
スキッパー 岡田瑛さん |
工学院 機械系 学士課程4年 |
クルー 鈴木拓己さん |
情報理工学院 数理・計算科学系 学士課程4年 |
北島・青木ペア
スキッパー 北島龍一さん |
工学院 情報通信系 学士課程4年 |
クルー 青木志雲さん |
工学院 機械系 学士課程3年 |
萩生田・井戸ペア
スキッパー 萩生田汐音さん |
環境社会理工学院 建築学系 学士課程4年 |
クルー 井戸達彦さん |
理学院 数学系 学士課程4年 |
レース経過
全日本インカレの最終成績記録や、東工大ヨット部およびヨット部OB/OG会の一般社団法人くらまえ潮会のウェブサイトによると、レースの経過は次の通りです。
東工大チームは普段の練習拠点である神奈川県葉山町でスナイプ艇3艇を車に積み込み、10月28日夜、出発しました。14時間の運転で翌29日午前、開催地の和歌山セーリングセンターに到着し、同日午後と30日、31日に和歌浦湾で練習しました。湘南の海には慣れている部員ですが、和歌浦は未経験です。風向きの振れや風力の強弱が激しく変わり、三方を陸に囲まれた海面の波の状態も読みにくい自然を相手に、練習に取り組みました。
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葉山から和歌山に運び込んだスナイプ級レース艇
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レース会場の和歌浦湾で行われた他大学との合同練習
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蔵前工業会和歌山支部・大阪支部から差し入れを受け取る
鈴木主将(中央)と井戸副将(右)
第1日(11月1日)
無風ないし微風の気候となり、成立したレースは第1レースだけでした。東工大の3艇は総合で24校中暫定6位に食い込みました。
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第1日の東工大チーム3艇
第2日(11月2日)
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第2日第5レース途中で、1、2、6位につける東工大チームの
レグ(帆走経路)。第5レースの結果は大学別2位
終日、冷たい雨と安定しない風の中、第2レースから第5レースまで4レースを行いました。第2レースでは北島・青木ペアが着順8位とシングルでゴールしました。第4レースは岡田・鈴木ペアが4位を記録しました。第2、第3レースでは苦戦した萩生田・井戸ペアは問題点を修正し、第5レースで5位に入り健闘しました。第5レースだけを見ると東工大の3艇は総合で2位の好成績でした。
第2日を終わって、東工大は総合で24校中暫定6位を維持しました。
第3日(11月3日)
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第4位入賞の賞状
風が一定して吹かず、強弱が激しい日で、第6レースの1レースだけを行いました。岡田・鈴木ペアが10位に入るなど、東工大はこのレースも総合2位でした。
全レースを終え、東工大はスナイプ級の団体総合成績で強豪校やライバル校を破り、4位に入賞しました。参加した国公立大学の中では鹿屋体育大学(総合3位)に次ぐ成績でした。
出場した選手のコメント
岡田・鈴木ペア
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岡田(右)・鈴木ペア
北島・青木ペア
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青木さん(前列右から2番目)の肩に手を置く北島さん(後列右)
萩生田・井戸ペア
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萩生田(左)・井戸ペア(左端の艇)
益学長への報告
全日本インカレが開かれた和歌山から戻った3ペアら部員8名は11月6日、顧問の大友明教授(物質理工学院 応用化学系)、くらまえ潮会の白木善紹代表理事・会長、同会の梅根耕二郎理事・副会長とともに、益一哉学長と水本哲弥理事・副学長(教育担当)に成績を報告しました。
ヨット部主将の鈴木さんからは、2020年秋季の各大会の結果について報告がありました。大学入学以前のヨット経験者が多い他大学チームに対して、東工大の出場メンバーは全員がヨット未経験であったこと、470級とスナイプ級の違いなどについて説明がありました。
出場選手の井戸さんからは、遠征初日から最終日までの現地での様子について報告がありました。到着初日からの海上練習では、未経験の和歌浦湾や強風に苦労したこと、33年ぶりの出場にもかかわらず4位入賞したことが関係者に大きなインパクトを与え、ヨット関連の各種メディアに取り上げられたことなどについて説明がありました。
くらまえ潮会の白木会長は、ヨット部の活躍により会員が大いに盛り上がったこと、サークル活動への継続的な支援の重要性について話しました。
益学長は、ヨット部へお祝いの言葉やくらまえ潮会からの支援に対するお礼の言葉を伝え、時間いっぱい熱心に質問を繰り返しました。
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益学長に報告するヨット部員
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益学長と賞状を囲んで記念撮影するヨット部員
ヨットレース
ヨットレースは、ディンギーと呼ばれる2人乗りのエンジンのないヨットに乗り、風や潮といった気まぐれな流体の中をどう早く進むか、高度な戦略と戦術が要求される頭脳スポーツです。スナイプ級とは、鳥のシギを指す英語名からその名が取られた、2人乗りで帆が2枚のレーシング・ディンギーを用いて戦われるレースです。安定感のある艇体とシンプルな構造が特徴であり、国内外を問わず幅広い年齢層から親しまれているクラスです。
東工大ヨット部
部活動としても歴史が古く、一般社団法人くらまえ潮会という会員数400名を誇るヨット部OB/OG会が、「一人前のセーラーを育てることは、すなわち一人前の社会人を育てること」をモットーに、現役部員の活動を全面的に支援しています。今回の大会への出場も、OB/OG会の支援を受けています。
- 第85回全日本学生ヨット選手権
- 東京工業大学体育会ヨット部
- 一般社団法人くらまえ潮会
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