東京工業大学教育革新センターは10月6日と11月13日、教育革新シンポジウム2020として「東工大オンライン授業のグッドプラクティス 1・2」を開催しました。
2015年度から数えて6回目の開催となる本シンポジウムは、全体テーマを「COVID-19 インパクトは大学教育の未来を変える―学習者中心の教育を再考する―」として3回シリーズで開催します。第1回と第2回は、「東工大オンライン授業のグッドプラクティス」と題して、コロナ禍を契機に起きた大学教育の変容をテーマに、本学におけるオンライン授業の実践を踏まえ、新たな授業スタイルを検討しました。学外からは日刊工業新聞社で大学を取材する山本佳世子氏が発表内容に対するコメンテーターとして登壇しました。
学内教職員に限定したオンライン開催でしたが、第1回は164名、第2回は121名が参加しました。
シンポジウム冒頭、第1回では益一哉学長より、第2回では水本哲弥理事・副学長(教育担当)より開会の挨拶がありました。その後、登壇者がオンライン授業における自身の経験を踏まえた実践内容を紹介しました。質疑応答の時間では登壇者が参加者からの質問に答えました。さらに、山本氏が各登壇者の発表についてコメントしました。 最後に、山本氏がシンポジウム全体の感想を述べ終了しました。
それぞれのプログラムは、以下のとおりです。
プログラム
第1回(2020年10月6日(火))
10:25 - 10:30 |
開会、益学長挨拶 |
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10:30 - 10:42 |
「四月の教室で」 正井秀俊 理学院 助教(微分積分学第一・演習/線形代数学第一・演習 担当) |
10:42 - 10:54 |
「板書による遠隔授業への取り組み:陽報と課題」 大森建 理学院 准教授 (有機化学基礎A 担当) |
10:54 - 11:06 |
「オンラインによる学生実験」 川本正 物質理工学院 助教(有機材料工学実験第一 担当) |
11:06 - 11:10 |
時間調整 |
11:10 - 11:20 |
質疑応答及び山本佳世子氏からのコメント |
11:20 - 11:32 |
「授業中のこまめな小問解きと、課題提出へのフィードバック」 徳永万喜洋 生命理工学院 教授 (物理化学第二(統計熱力学)担当) |
11:32 - 11:44 |
「各回積み上げ式による成績評価」 神田学 環境・社会理工学院 教授 (気象学基礎 担当) |
11:44 - 11:56 |
「英語教室のグッド・プラクティス」 山根亮一 リベラルアーツ研究教育院 准教授 (英語 担当) |
11:56 - 12:00 |
時間調整 |
12:00 - 12:10 |
質疑応答及び山本佳世子氏からのコメント |
12:10 - 12:15 |
閉会 |
第2回(2020年11月13日(金))
14:25 - 14:30 |
開会、水本・理事副学長挨拶 |
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14:30 - 14:42 |
「オンデマンド授業の実施報告」 八木透 工学院 准教授 (生体工学基礎 担当) |
14:42 - 14:54 |
「工学リテラシー:ものを制御する ~試行錯誤実験のオンデマンド化の試み~」 三平満司 工学院 教授 (工学リテラシーIIab 担当) |
14:54 - 15:06 |
「T2SCHOLAによるオンデマンド授業の試み」 村田剛志 情報理工学院 教授 (計算基礎論 担当) |
15:06 - 15:10 |
時間調整 |
15:10 - 15:20 |
質疑応答及び山本佳世子氏からのコメント |
15:20 - 15:32 |
「プログラミング講義・演習でのインタラクション」 林晋平 情報理工学院 准教授 (システムプログラミング 担当) |
15:32 - 15:44 |
「リアルタイムのZOOM授業とオンデマンドのyoutube授業の組み合わせ方」 柳瀬博一 リベラルアーツ研究教育院 教授 (メディア論C 担当) |
15:44 - 15:56 |
「FD基盤科目としての「東工大立志プロジェクト」~ オンライン化によって変えたこと・変えなかったこととその効果」 岡田佐織 リベラルアーツ研究教育院 准教授 (東工大立志プロジェクト 担当) |
15:56 - 16:00 |
時間調整 |
16:00 - 16:10 |
質疑応答及び山本佳世子氏からのコメント |
16:10 - 16:15 |
閉会 |
シンポジウムを終えて参加者に行ったアンケート(第1回:79名/回収率48.2%、第2回:45名/回収率37.2%)では、参加者の満足度は「そう思う」と「ややそう思う」を合わせて、それぞれ98.7%(第1回)、95.5%(第2回)と高く、また、「ご自身の授業に活用できそうな知見を得られましたか?」という質問に対しては、「そう思う」と「どちらかいえばそう思う」を合わせて、それぞれ73.4%(第1回・第2回)と今回のテーマが有益であったことが見て取れました。自由記述には、「とても興味深く聞くことができました」「他の先生の講義内容を知る機会が少ないので、大変参考になりました」「各先生方、学生のニーズを探りながら工夫されていて大変興味深いお話ばかりでした」等の感想が寄せられました。