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多湖輝興教授が2020年度化学工学会賞 研究賞を受賞

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東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の多湖輝興教授が2020年度の化学工学会賞研究賞(實吉雅郎記念賞)を受賞しました。公益社団法人化学工学会が12月26日、発表しました。
化学工学会賞(研究賞)は、化学工学に関する新規性に富む優れた研究、もしくは特に完成度の高い優れた研究に贈与されます。

研究題目

「結晶サイズ制御と金属微粒子内包構造によるゼオライト系固体触媒の高活性化に関する研究」

本研究は、ゼオライト系固体触媒の活性向上と長寿命化に対して、"ゼオライトの結晶サイズ"と"金属微粒子のゼオライトによる内包構造"という独創的なアプローチを試み、学術上および工学上、重要な知見を得たものです。

結晶サイズを制御したゼオライト触媒:低級オレフィン(エチレン、プロピレン、ブチレン)の合成
結晶サイズを制御したゼオライト触媒:低級オレフィン(エチレン、プロピレン、ブチレン)の合成

金属微粒子を内包したゼオライト触媒:合成ガス(水素と一酸化炭素の混合ガス)の製造
金属微粒子を内包したゼオライト触媒:合成ガス(水素と一酸化炭素の混合ガス)の製造

多湖輝興教授のコメント

多湖輝興教授

ゼオライトは、一般家庭では猫砂や土壌改良剤として利用されていますが、化学工業では、低級オレフィンや芳香族等の化成品合成のための固体触媒、あるいは微粒子状金属触媒を固定化するための触媒担体として、活用されています。このように汎用性の高いゼオライト系固体触媒に対して、私は、結晶サイズの異なるゼオライト触媒、および金属微粒子がゼオライトに内包された特徴的な構造を有する触媒を開発しました。エチレンやプロピレン等の低級オレフィン合成反応では、反応律速と活性劣化抑制が実現できるゼオライト結晶サイズを明らかにしました。また、メタンの二酸化炭素改質反応では、金属微粒子のゼオライトへの内包構造が触媒の活性と安定性の向上に有効であることを明らかにしました。

これらの研究成果と今回の受賞は、これまでにご指導いただいた先生方と共同研究者の皆様、一緒に研究を進めてきた研究室の同僚や学生の皆様のおかげです。ここに感謝の意を表します。ゼオライトを含めた固体触媒は、GHG削減や二酸化炭素資源化を実現するキーマテリアルと考えています。持続可能な社会の構築に貢献するために、これからも触媒研究に邁進していきます。

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お問い合わせ先

物質理工学院 応用化学系

教授 多湖輝興

E-mail : tago.t.aa@m.titech.ac.jp


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