東京工業大学が設立した超スマート社会推進コンソーシアムは、6月9日および30日に、コンソーシアムに参加する企業や研究機関(以下、「コンソーシアムパートナー」という)と東工大の教員・学生が異分野融合の研究チームを作るため、超スマート社会卓越教育院と共催し、マッチングワークショップをオンラインで開催しました。このワークショップでは、コンソーシアムパートナーのニーズ(needs、要望)と、本学の教員・学生の技術的・人材的シーズ(seeds、研究成果、研究能力)を組み合わせることで、分野を超えた異分野融合研究チームの構築を目指します。様々な分野の教員・学生とコンソーシアムパートナーの担当者が直接議論をする機会の提供を目的としています。
6月9日の「シーズ・ラウンド」では学生が研究発表を行い、6月30日の「ニーズ・ラウンド」では、コンソーシアムパートナーが企業・団体の概要や必要としている研究の内容を説明しました。
シーズ・ラウンド 学生の研究アイデア紹介
シーズ・ラウンドには30人の学生、52人の教職員(スタッフ含む)、27のコンソーシアムパートナーから62人が参加しました。コンソーシアムの運営委員長を務める岩附信行教授(工学院 機械系)の開会挨拶の後、KDDI総合研究所の中村元代表取締役所長が「Beyond5G時代における先進生活者のライフスタイルと先端研究者のテクノロジー」と題した基調講演を行いました。
参加学生は、自身の研究概要を短時間で説明したのち、オンライン上に設けた個別会議室に移動し、研究内容を詳しく紹介しました。コンソーシアムパートナーとの活発な議論が続きました。
ニーズ・ラウンド パートナーが求める研究
ニーズ・ラウンドには、29人の学生、42人の教職員(スタッフ含む)、21のコンソーシアムパートナー等から56人が参加しました。パートナーは3分間の持ち時間で各企業および団体の紹介を行い、オンライン上の個別会議室に移動し、訪れた学生および教職員との間で質疑応答と議論を行いました。
その後、シーズ・ラウンドの学生発表について、パートナーが投票で選んだ3名の学生に学生優秀発表賞が贈られました。
最後に、東工大の卒業生でもあるアズビル株式会社の担当者から学生への激励の言葉があり、閉会しました。
ニーズ・ラウンドで発表したコンソーシアムパートナーの企業・団体
- 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
- 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
- アズビル株式会社
- アンリツ株式会社
- LG Japan Lab株式会社
- KDDI株式会社
- 株式会社ジェイテクト
- 東海旅客鉄道株式会社
- 株式会社東芝
- 株式会社日立産機システム
- 富士通株式会社
- マツダ株式会社
- 横河電機株式会社
- 楽天モバイル株式会社
- 農林水産省
- 大田区
- 公益財団法人 笹川平和財団 海洋政策研究所
ワークショップを終えて
ワークショップに参加した学生からは、「より現場に近い声を知っている方からの意見は非常に鋭いものが多く、普段のゼミやディスカッションとは異なる着想を得ることができた」「学生と教員が研究内容を発表するよい機会となり、企業や社会にも有益だった」といった声が寄せられました。学生が社会のニーズを知り、自身の研究に対する新しい着眼点を得る機会となりました。
マッチングワークショップは2020年6、7月と11、12月にも開催しました。次回は2021年11月、12月に開催予定です。超スマート社会推進コンソーシアムは、参加者の意向に基づき、具体的な研究のマッチングを進めていく予定です。
超スマート社会推進コンソーシアム
東京工業大学は、2018年、超スマート社会(Society5.0)の実現を推進する「超スマート社会推進コンソーシアム」を設立しました。参加機関と連携して人材育成から研究開発までを統合した新たな次世代型社会連携教育研究プラットフォームを構築します。現在46の企業、研究機関、自治体、個人が参加しています。
超スマート社会卓越教育院
超スマート社会卓越教育院では、修士・博士後期課程を一貫した学位プログラムにより、フィジカル空間技術とサイバー空間技術にとどまらず、量子科学や人工知能などの最先端の科学技術をも融合できる知のプロフェッショナル「スーパードクター」を養成しています。
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