東京工業大学すずかけ台キャンパスのすずかけ台図書館は、全面改修工事のため約1年間、閉館していましたが、7月12日、リニューアルオープンしました。
学生の学習スペースを拡大
すずかけ台図書館の建物は1978年3月、完成しました。増改築を重ねるうちに老朽化が著しくなり、特に空調設備や電気設備に大きな問題を抱えていました。そのため2020年度、閉館して全面的な改修工事に踏み切りました。丸窓が並ぶ印象的な外観はそのままですが、設備や内装を一新し、合わせてフロア構成を見直しました。結果として、資料や事務のためのスペースを減らし、学生が集中して学習に取り組めるスペースを大幅に増やすことができました。8月には本学の学生支援センターによる学修コンシェルジュやキャリア支援の窓口が図書館内に設置される予定です。
なお、現在は、新型コロナウイルス感染症まん延防止の観点から学外の方の利用はできませんが、将来は近隣住民の方にも親しまれる図書館となるよう、1階は誰でも自由に入れるフロアとなっています。
緑豊かなキャンパスを眺める
リニューアルオープン初日である7月12日、益一哉学長や理事・副学長、すずかけ台キャンパスの教職員、図書館サポーターの学生など学内関係者約30名が参加し、リニューアルオープン記念イベントが開催されました。
参加者は3つのグループに分かれて、図書館内を見てまわりました。グループの1つは、図書館サポーターとして活動している生命理工学院 生命理工学系 修士課程2年の齋藤優人さんが案内役となり、学長をはじめとする参加者にリニューアルのポイントを紹介しました。特に、3階に新たに設置された個人研究エリアや、すずかけ台キャンパスの緑豊かな眺めを楽しめる座席が好評でした。
1年間の閉館で図書館を知らない後輩も足を運んで
その後、1階の多目的ルームに移り、すずかけ台図書館長である科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の穐田宗隆教授の司会で、参加者からのあいさつがありました。
益学長は、改修された図書館を見て、これまでの古い図書館のイメージが一掃されたと感じたことや、これから図書館を使う主体である学生と図書館職員とが一緒になって、すずかけ台図書館をより一層良いものにしていってほしい、との希望を述べました。
財務担当の藤野公之理事・副学長は、今回の改修にあたり、本学施設運営部の担当者が特に工夫した点、苦心した点をひとつひとつ話しました。北條春夫名誉教授は、2013年から3年間にわたり、すずかけ台分館長を務めた当時の思い出を披露しました。
2021年3月まで、附属図書館長を務めた工学院 経営工学系の山室恭子教授からは、学生に使われてこその図書館であり「ソファがぼろぼろになってもよいので使い倒してほしい」と願う言葉が贈られました。
図書館サポーターの齋藤さんは、新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの大学院生が家と研究室の往復だけになりがちであること、昨年1年間は図書館が工事のために閉まっていたため、図書館の場所を知らない後輩もいること、そのような学生が図書館に足を運ぶよう、他の図書館サポーターや図書館職員と協力して活動していきたい、と抱負を述べました。最後に茂出木理子情報図書館課長が、改修に関わった多くの関係者それぞれへのお礼を述べ「学生に使いこなしてもらえる図書館を目指して、職員一同、より一層職務にはげみます」と話しました。
すずかけ台図書館は、今回のリニューアルに合わせて、これまでの名称「すずかけ台分館」を「すずかけ台図書館」に変更し、名実ともに新しく生まれ変わりました。本学の学修や研究を支える基盤であるだけでなく、すずかけ台キャンパスの学生・教職員の憩いの場となることや様々な面で学生生活をサポートしていく場となることが期待されています。
学外の方の入館は休止中
学外の方も東工大の図書館を利用可能ですが、新型コロナウイルス感染症のため、サービスを休止しています。
新型コロナウイルス感染症に対する本学の方針に基づき、学外の方の来館はご遠慮ください。利用再開日は、決まり次第図書館Webサイトにてお知らせいたします。
学外の方には公共図書館を通じて資料の貸出・複写の提供を行っていますので、そちらをご利用ください。