東京工業大学附属科学技術高等学校は、10月26日に環境省主催の「ぐぐるプロジェクト ラジエーションカレッジセミナー」を附属高校の生徒を対象に開催しました。
「ぐぐるプロジェクト ラジエーションカレッジ」は、環境省が放射線の健康影響に関する情報発信を展開するという取り組みで、主に大学生、大学院生、専門学校生を対象としています。「ぐぐる」とは「学び、知をつむぐ」、「人、町、組織をつなぐ」、「自分ごととしてつたわる」の語尾からとったもので、放射線の健康影響について、「知る」、「学ぶ」、「決める」、「聴く」、「調べる」といった視点で様々なことに取り組みます。
今回、全国で初めて高校でのラジエーションカレッジセミナーを開催しました。本事業を担当する環境省大臣官房環境保健部放射線健康管理担当参事官室のアミール偉主査が東工大の卒業生であり、大学院在学中に附属高校で理科・化学の講師を務めていたことから実現したものです。
セミナーには1~3年生の希望者18名が参加しました。メインテーマは「情報の信頼性を考える」(講師:アミール主査)です。大学生を対象とした通常のラジエーションカレッジセミナーでは放射線の基礎を中心とした内容を扱いますが、今回は異なる設定にしていただきました。また、メインテーマの他に「手術におけるテクノロジー」(講師:環境省大臣官房環境保健部放射線健康管理担当参事官室 小川総一郎参事官補佐)をテーマに設定し、2部構成の特別講義となりました。アミール主査の講演は、放射線に関する情報を読み解く力と風評にまどわされない判断力を身につけることを目的としました。また、小川参事官補佐の講演は、生徒が現在学んでいる科学技術が医療現場でどのように使われているのかを知ることによって、さらに科学技術に興味・関心を持ってもらうことを狙いとしました。
講演は双方向な環境で行われ、Webツールを使った質疑応答では多くの質問が出ました。セミナー終了後も残って熱心に質問している生徒もおり、高校生にとって非常に有意義な時間となりました。
参加した生徒の感想
- これまで、いくつかの授業でレポート作成の課題に取り組む際、「ネットの情報はうのみにしてはいけないよ」と先生方から注意喚起がなされてはいたものの、どうしてもネットに書かれたことが正しいと思い込んでしまうことが多々ありました。そこで、今回の講義にて「情報」の怖さを具体例と共に学ぶことができ、今後の自分自身にとって有意義な時間となりました。ありがとうございました。
- 環境省や放射線のことだけでなく、情報の信頼についても学ぶことができ、これから自分が生活していく上で、偏見や噂に対する態度を考えるきっかけとなったのでとても良い経験となったと思う。また、環境省と聞いて、今まではイメージがしにくかったが、話を聞いて、環境省への考えを改めることができた。
- つむぐ、つなぐ、つたわる。ぐぐるプロジェクト|環境省
- 東京工業大学附属科学技術高等学校
- 飯山市STEAM親子実験教室「micro:bitではじめるプログラミング」を開催|東工大ニュース
- 高大連携サマーチャレンジ2021 開催報告|東工大ニュース
- 大学院博士後期課程の学生が附属高校で授業|東工大ニュース
- 東工大附属科学技術高校のチームがロボカップジュニア国際大会で3位入賞|東工大ニュース
- ノーベル賞の吉野彰さんが東工大附属科学技術高校で特別授業|東工大ニュース