東京工業大学 物質・情報卓越教育院(TAC-MI)は、12月7日と8日に2021年度の国際フォーラムを開催しました。1年に1度、毎年開催するこのフォーラムでは、国際コミュニケーション力の向上を図ることを目的として、学生が海外アドバイザー教員や企業関係者、本学プログラム担当教員を前に、司会進行や質疑応答もすべて英語で研究発表を行います。
今年度は、博士後期課程1年23名と博士後期課程2年17名がプレゼンテーションを行いました。2日間のフォーラムには、本プログラムの連携企業関係者や本学プログラム担当教員、TAC-MI学生など約120名が参加しました。
博士後期課程1年の学生による研究発表
12月7日と8日午前に博士後期課程1年の学生23名の研究発表を行いました。司会進行、タイムキーピングは博士後期課程2年の学生が担当しました。1人あたりプレゼンテーション15分、質疑応答5分の持ち時間で進行しました。
国際フォーラムでの博士後期課程1年の研究発表は、本教育院登録学生の関門の1つである「博士論文研究基礎力審査(Qualifying Examination)」の一部を兼ねています。この発表を行う学生は、それぞれの研究の意義と成果についてプレゼンテーションを行い、発表後には活発な質疑応答が交わされました。
8日午後の閉会式では、全ての研究発表を聞いた参加者による投票の結果、最も票の多かった学生1名にベストプレゼンテーション賞が、続いて票が多かった学生1名にグッドプレゼンテーション賞が贈られました。
ベストプレゼンテーション賞
福永悠さん(理学院 化学系 博士後期課程1年)
グッドプレゼンテーション賞
アン・ニザ・エル・アイスナダさん(物質理工学院 材料系 博士後期課程1年)
海外アドバイザー教員による講演
12月7日午後の学生の研究発表後には、今年度から新しく本プログラムの海外アドバイザーに就任したチュラーロンコーン大学(タイ)のナット・リーラワット(Natt Leelawat)助教とインド工科大学マドラス校(インド)のマイケル・グロミハ(Michael Gromiha)教授が下記のタイトルで講演を行いました。
講演者と講演タイトル
ナット・リーラワット助教 チュラーロンコーン大学(タイ)
災害リスク管理におけるデータサイエンスとシミュレーション
Data Science and Simulation in Disaster Risk Management
マイケル・グロミハ教授 インド工科大学マドラス校(インド)
バイオインフォマティクス:概念と応用
Bioinformatics: Concepts and Applications
2020度に引き続きオンライン開催となったため、時差などの関係で参加できなかった海外アドバイザー教員は、後日、国際フォーラム発表の様子を録画で見て、オンラインで学生との面談を行いました。
博士後期課程2年の学⽣の⾃主設定論⽂進捗発表
2日目の12月8日は、博士後期課程1年の学生による研究発表に続き、博士後期課程2年の学⽣が⾃主設定論⽂の進捗発表を行いました。
自主設定論文とは、TAC-MIで得た学修成果を活用して、専門分野の枠を超え、自らの博士論文研究とは異なる課題を自主的に設定して研究するものです。自身の専門とは異なる研究室に2週間程度滞在し研究を行う「物質情報異分野研究スキル」や海外インターンシップなどを活用して論文を作成します。6月の博士後期課程2年の成果発表会もしくは12月の本国際フォーラムにて、登録学生は研究の進捗状況を発表した上で、博士後期課程修了時までに研究結果を報告します。今回は6月に報告を行った1名を除く17名が進捗発表を行い、出席者からのフィードバックを受けました。
企業メンターとの面談や交流会にて企業の方と交流を深める
物質・情報卓越教育院では、1人の学生に対して1人の企業メンターがつき、教育院登録当初から修了まで継続的に見守っていく制度があります。このフォーラムの研究発表後に、学生たちは企業メンターと面談し、研究や発表、キャリアパスなど様々なアドバイスを受けました。
12月8日の夕方、企業の方々と学生の交流会を開催しました。交流会では、5~6名程度の少人数でブレイクアウトセッションルームに分かれ交流を深めることができました。面談や交流会、発表後のフィードバックシートを通じて、企業の方からアドバイスを受ける機会は、学生にとって貴重な経験となりました。
物質・情報卓越教育院では、地球規模の視野を持った、産業界が期待する人材を育成するために、今後も企業と連携したイベントを開催していきます。
「物質×情報=複素人材」を育成する卓越した博士教育
物質・情報卓越教育院(TAC-MI)は、本学から申請した2018年度卓越大学院プログラム『「物質×情報=複素人材」育成を通じた持続可能社会の創造』が文部科学省に採択されたことにより、2019年1月に設立されました。
物質・情報卓越教育院では、複眼的・俯瞰的視点から発想し、新社会サービスを見据え、情報科学を駆使して独創的な物質・情報研究を進める「複素人材」を産業界とともに育成します。
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