東京工業大学博物館は2月5日、目黒区教育委員会と連携して、生涯学習講座「ナノファイバーとウイルスを捕らえる技術 ―最新のマスクのしくみ―」を中目黒住区センター(東京都目黒区)で対面にて開講しました。この講座は、2010年より続く目黒区教育委員会との連携講座の一環として開催されました。
昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響下での開催となりましたが、当日は30名の参加者が来場しました。冒頭に東京工業大学博物館の宮前知佐子研究員よりあいさつを行い、8月にリニューアルした東工大博物館の概要と魅力について話をしました。
続いて、東工大の名誉教授で株式会社ゼタ(株式会社Zetta)のCTOでもある谷岡明彦氏(以下、谷岡名誉教授)が、前半は研究人生についての講演を、後半はナノファイバーの開発や「分子マスク」誕生秘話に関してレクチャーを行いました。株式会社ゼタは東工大発のベンチャー企業です。1970年代に谷岡名誉教授が当時学生として研究を始め、その後も長年東工大で研究を続け、途中いくつか転機を経て研究テーマを少しずつ変更し、2011年に株式会社ゼタを設立し現在に至るという話が参加者の印象に強く残ったようで、「研究テーマを変更しても前の研究成果は活かせるのか」といった質問が挙がりました。
また、「良い研究をしていれば世の中に認められると思っていたが、それは間違いで、売り込んでくれる良いパートナーも必要」という谷岡名誉教授の言葉に対して、「どうやってパートナーを見つけるのか」という質問も投げかけられました。当日は、多くの質問により予定の時間を大幅に上回ったにも関わらず、途中退席者が出ないほど参加者は熱心に聴き入っていました。
谷岡名誉教授は参加者の質問に対し、時としてユーモアをまじえながら答え、最後は和やかな雰囲気で締めくくられました。
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ナノファイバーに関する研究開発成果をレクチャーする谷岡名誉教授
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熱心に講座を聴く参加者
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