東京工業大学学生支援センター未来人材育成部門(学生活動支援窓口)は、2月28日、「第15回学生応援フォーラム」をオンラインで開催しました。
この学生応援フォーラムは毎年開催し、学生間・大学・地域にとって有益で公的な学生活動を支援し、本学での学生活動を活性化させるとともに、学内に限らず他大学の学生たちとの交流も促進することを目的としています。
昨年度に引き続きオンライン開催となったため、今回のフォーラムには、本学の学生・教職員に加え、首都圏だけでなく遠方にある大学の学生及び教職員の方々98名が参加しました。お茶の水女子大学、千葉大学、筑波大学、東京大学、東京都立大学、名古屋大学、広島大学、三重大学、青山学院大学、中央学院大学、東京都市大学、中村学園大学、日本大学、広島修道大学、明治大学からの参加がありました。
フォーラムの司会進行は、物質理工学院 材料系の秋山拓海さん(修士課程1年)が務めました。
益一哉学長が開会のあいさつを行い、未来人材育成部門長の伊東幸子教授がフォーラムの趣旨について説明しました。
招待講演「広島大学ピアサポートルームの活動について」
学生応援フォーラムでは、毎回、他大学の優れた取り組みから学びを得るため、ゲストスピーカーを招いています。今回は、広島大学保健管理センターの黄正国講師と広島大学先進理工系科学研究科の小林春輝さん(修士2年)、広島大学理学部数学科の大野弘貴さん(学部3年)が、広島大学ピアサポートルームの活動について話しました。
広島大学ピアサポートルームは、「学生同士が気軽に相談し、互いに助け合う学風を醸成する」を目的に、2000年6月「学生による・学生のための・何でも相談室」として設置されました。トレーニングを受けたピアサポーター(学生)の相談活動だけでなく、学生同士の交流の場を提供するイベントも実施しています。現役サポーターである学生は、コロナ禍における活動として、心の健康への啓発教育としてオンライン公開講座を開催したこと、この活動を通して、普通の大学生活ではなかなか体験できないことに取り組むことができ、苦労もあるがやりがいを感じたこと、コミュニケーション能力向上を実感したこと等について語りました。
参加者からの感想
- 学生さんがピアの活動を続けたくなるような工夫がたくさん散りばめられており、コロナ禍だからこそできる取り組みを改めて考えるきっかけとなりました。
- 非常に地道で先進的な活動をされていると思い、感銘を受けました。相談に寄せられた内容を大学の改善につなげていく姿勢は、一人一人の学生の声を大切にする広島大学の姿勢が表れているように思います。また、院生交流会など、大学主催とするには難しいが、ニーズが確実にあるところへのアプローチは、大学にとって非常に価値のある活動をされていると思われます。お聞きする限り、大学のインフラのようなものですので、今後も大学のバックアップのもと、続けていただきたいと思います。
発表「東工大での学生活動について」
未来人材育成部門(学生活動支援窓口)が支援する学生活動、「学勢調査」、「東工大学生ボランティアグループ(東工大VG)」、「リプロ(理工系学生能力発見開発プロジェクト)」、「ピアサポーター」、「ACTION(アクション、東工大語学パートナー制度)」、「FLAP(フラップ、留学促進団体)」の6団体に参加している学生が、活動の内容や意義について紹介しました。
発表した学生のコメントは次の通りです。
学勢調査
長谷川義人さん(生命理工学院 生命理工学系 学士課程2年)
学勢調査代表の長谷川です。大学では生命理工学院で主に遺伝子やタンパク質について学びながら、学勢調査として他の学生スタッフとともに学生の声を大学に届ける活動を行なっています。今年度の学勢調査では、新型コロナウイルスの影響を受け、zoomやオンラインツールの利用など、活動を進めるために様々な工夫を行いました。そして新型コロナウイルスはまた、学生の大学生活にも大きな変化をもたらしています。そうした変化に学生の意思を反映させていくためにも、今後も学生スタッフ一同、積極的に活動を行なっていきたいと思います。
東工大学生ボランティアグループ(東工大VG)
松村慶さん(環境・社会理工学院 土木・環境工学系 学士課程3年)
東工大VG以外の多くの団体の活動を知ることができ、今後の活動の刺激を得ることができました。また、質疑応答の中で、私たちの活動に対する理解や興味を持ってくださる方もいらっしゃったことも、とてもうれしく思いました。今後は、東工大VGの内部での活動のみならず、外との関りが強い私の専攻の土木分野の知識も活用して活動を進めていければと思います。
リプロ
秋澤優希さん(工学院 システム制御系 学士課程4年)
リプロは講演会の開催等を通して、東工大生、中高生、地域の方、そして自分達の成長の支援を目的とする団体です。本年度は前年からのコロナの影響を大きく受け、活動が厳しい1年でした。一方で自分達だけで全て企画・運営し、その学びを多くの学生と共有する経験は、普段の授業や研究では得難いものだと感じています。そのため対面での活動が限られた状況でも、オンライン上で学生活動同士の交流が行える学生応援フォーラムには感謝しています。
ピアサポーター
野村彩乃さん(工学院 機械系 学士4年)
今年度から活動の中心をTaki Plazaに移しました。投書形式の「ピアちゃんのリプライ箱」を以前よりも人目に触れる場所に設置したことで、対面活動が制限される中でもより気軽に活用していただける存在になれたと感じています。相談対応の経験や研修会での学びは、他者の気持ちの汲み取りや話の伝え方という観点で、自身の研究活動にも生きています。今後も、同じ学生の立場だからこそできる学生相談を行っていきたいです。
ACTION(東工大語学パートナー制度)
安永真梨さん(工学院 情報通信系 学士4年)
ACTIONは東工大で語学パートナー制度(Language Exchange Partner Program)を運営する学生団体です。自分にとって語学パートナー制度の参加と運営は、友達作りと語学学習のモチベーションを高めるきっかけになりました。 今年は東工大での語学交流を促進することを目的として、LEP Slack Communityを開始しました。母国語が異なる学生同士や共通の目標を持つ参加者が気軽に繋がることのできるプラットフォームを目指しています。東工大での語学学習機会を拡充するために、今後もさまざまな交流会を開催する予定です。
FLAP(留学促進団体)
本間千柊さん(物質理工学院 材料系 博士後期課程1年)
過去に想像・経験したように、教室で授業を受けることもできず、もどかしい気持ちの人が多いと思います。私自身の研究においてもコロナウイルスの影響は計り知れません。そんな状況下ですが、そんなときこそ、今自分に何ができるのかを知ってもらうために、私達がサポートしていければ幸いです。
徳丸里歩さん(環境・社会理工学院 融合理工学系 修士課程1年)
今は対面での授業・研究・学生活動が制限され、困難に直面することがあります。私もオンライン上での研究や授業に慣れず、苦労の多い1年を過ごしました。何事も簡単ではありませんが、留学に挑戦する仲間を応援したいという気持ちで日々工夫をしながら取り組んでいます。
続いて、iGEM(アイジェム、The International Genetically Engineered Machine)Tokyo Tech、Attic Lab(アティックラボ)、学修コンシェルジュJr.(ジュニア)、教育革新センター・オンライン教育開発室学生アシスタント、広報サポーター、SAGE(セイジ、Student Association for Global Exchange)、Taki Plaza Gardener(タキプラザガーデナー)、LANDFALL(ランドフォール、東工大研究室紹介冊子編集)のメンバーも活動について発表しました。
コロナ禍ではあるものの、学生たちが幅広く活動を展開している様子がうかがえました。
最後に参加者全体でディスカッションを行い、水本哲弥理事・副学長(教育担当)による閉会あいさつで終了しました。
参加者の声
- 「コロナで大変」という話が少なく、フォーラムの趣旨のとおり、コロナ禍だからできることに前向きに取り組んでいる話を元気に聞かせてくださった点がとても印象的でした。それぞれ忙しい中、経験を共有してくださり、ありがとうございました。
- コロナ禍においても、学生の多種多彩な活動が展開していることに驚きをもってきかせていただきました。コロナ禍でもできる工夫と、にじみでる活動の難しさがあったろうと思います。本フォーラムの「コロナ禍“だから”できること」も、素敵なテーマ設定と思いました。広島大学の黄先生も仰っていましたが、「楽しさ」を探すのも大事なことかと思いました。
- 限られた環境の中で、できることは何なのか前向きに考え活動されている学生さんの姿勢に元気がもらえたフォーラムでした。
- どの団体の皆さんも「主体性」を大事に活動されており、多様なジャンルで力強く活躍している姿が頼もしいです。また、学生たちを支える教職員の方々の温かいまなざし、手厚いサポートも心強いですね。
司会を務めた秋山拓海さん(物質理工学院 材料系 修士課程1年)
第15回学生応援フォーラムは、オンライン開催ではありましたが、参加者全員が日々の成果を共有し、刺激し合う素晴らしい機会にできたと考えています。私は今回のフォーラムを通じて、多くの知見や感動を得ることができました。ただ、これを一瞬の感情の昂りで終わらせるのではなく、日常生活に還元することも本フォーラムの趣旨であると考えています。様々な制約を受けながら研究や活動を行わなければいけない状況ですが、本フォーラムをきっかけに、改めて1日1日を大切に生きていこうと思いました。
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組織名や参加者の職名・学年は全て開催当時のものです
- 学生支援センター 未来人材育成部門(学生活動支援窓口)
- 学勢調査|学生支援センター 未来人材育成部門(学生活動支援窓口)
- ボランティア|課外活動・アルバイト|在学生の方
- ピアサポート|相談窓口|在学生の方
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