国立大学法人東京工業大学は、国立大学法人東京医科歯科大学との統合に向けて、同法人との協議を開始することを決断しましたので、ご報告します。
東京工業大学学長の益一哉と東京医科歯科大学学長の田中雄二郎は、人間社会および地球環境が直面する諸課題、また今後さらに起こることが予想される未知の問題を解決し、多様な人々がそれぞれにWell-beingを感じることができる、豊かで持続可能な成長を遂げる社会を実現する上で、両法人が果たすべき役割とその潜在性は極めて大きいという点で意見が一致しました。この認識のもと、両法人が連携した際に、現在の日本の大学にはない新たな価値を創出できるかについての議論を両学長の下で重ねて参りました。
その結果、それぞれの大学の重点分野・戦略分野をこれまでと変わらず強化することに加えて、両大学が立脚する自然科学の様々な分野を自由な発想で掛け合わせ、さらにそこに両大学が重視するリベラルアーツの発想も活かすことで、社会の課題解決に直接貢献する新たな学術分野を生み出せるとの確信を持つに至りました。この様々な領域を自由な発想で結合する実験的試みをConvergence Scienceと名付け、これを規模感をもって具現化するためには、世界中から集まる多様な研究者と学生のフラットな関係の下での自由闊達な協働を実現する創造空間を両法人が共同して創り上げることが最適なアプローチである点で認識が一致しました。
折しも全世界がコロナ禍に見舞われ、2050年のカーボンニュートラル社会実現が求められている中で、グローバルハブとして地球と人類のサステナビリティに貢献する存在感のある大学を共に創り上げる試みを開始することは時宜を得ているだけでなく、指定国立大学法人としての役割を果たす上でも重要であり、そのために両法人の統合を検討すべきであるとの点で両学長の意見は一致しました。ただし、歴史と伝統を有する両法人の統合検討は多面的な検証を要する判断であり、両法人の構成員が広く参加した議論と検証が不可欠であります。そこで今後の統合に向けた検討を加速化するために、両法人は統合に向けた真剣な協議を開始することを、それぞれの構成員に報告するに至りました。
両法人の統合は今後100年において日本の科学技術と社会、さらには地球環境等の課題解決に向けて極めて有効な選択肢であると考えておりますが、その最終決定は今後の両法人における協議に委ねられており、現時点では何も決定したことはありません。今後、本法人内でもより多くの構成員の意見を聞きながら集中的に協議を進めて参ります。
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以上は、2022年8月9日開催の教職員向け説明会において、益一哉学長が説明した内容となります。
報道機関 各位
8月10日から15日までの期間は、オープンキャンパス及び夏季一斉休業のため、問い合わせは8月16日以降にお願いいたします。