東京工業大学と株式会社デンソーアイティーラボラトリ(以下「デンソーITラボ」)が情報理工学院に設置した「DENSO IT LAB認識・学習アルゴリズム共同研究講座」は、7月25日に「DENSO IT LAB x TOKYO TECH Discussion Night in MIRU 2022」を姫路市で行われた画像認識に関する国内学会 MIRU 2022 において開催しました。
第1部の講演会、第2部のポスター発表会 兼 懇親会で構成されたこのイベントで、共同研究講座の魅力と研究成果を発信しました。
第1部 講演会
佐藤育郎特任准教授(東京工業大学 情報理工学院 情報工学系/デンソーITラボ)
「人の視覚的認識を代替する ~深層ネットワークの新たな在り方の模索~」横田理央准教授(東京工業大学 学術国際情報センター)
「人工画像を用いたVision Transformer の大規模事前学習」小野峻佑准教授(東京工業大学 情報理工学院 情報工学系)
イマドキの信号処理 ~モデルベースと データドリブンの止揚~
第2部 ポスター発表会
北山翼さん(情報理工学院 情報工学系 修士課程2年)
「球面畳み込みの時間軸拡張による全天球映像からの行動種別の領域分割」テイ・オンジョ(Wenru Zheng)さん(情報理工学院 情報工学系 修士課程2年)
「全方位カメラとマイクロフォンアレイを用いた音声と画像のフュージョンによる行動認識」高橋那弥さん(情報理工学院 情報工学系 修士課程2年)
「走行動画の大規模自己教師あり学習の検討と計画」澁谷辰吉さん(情報理工学院 情報工学系 修士課程1年)
「ランダム行列による固定逆伝播ネットワークを用いた Target Propagation の改良」パブロ・セルバンテス(Pablo Cervantes)さん(情報理工学院 情報工学系 博士後期課程3年)
「人体運動生成のための陰的表現学習(ECCV 2022)」太田敏博さん(情報理工学院 研究員)
「部分的忘却機能を持つモダンホップフィールドネットワークの学習」栗岡保さん(情報理工学院 情報工学系 修士課程1年)
「複数教師モデルを用いたデータ拡張最適化手法の検討」山田陵太さん(情報理工学院 情報工学系 修士課程2年)
「深層モデルの汎化性能改善を目的とした特徴抽出器の事後学習(ICML 2022)」リョウ・シンエイ(Liang Jinrong)さん(情報理工学院 情報工学系 修士課程1年)
「量子化ニューラルネットワーク生成のための不等間隔ステップ幅の学習」高島空良さん(情報理工学院 情報工学系 修士課程2年)
「自動生成された輪郭画像によるラベル付き実画像データセットの置き換え(CVPR 2022)」髙山啓太さん(東工大卒業生)
「滑らかな転移学習による汎化性能の改善(NeurIPS 2021 ワークショップ)」マーク・チェン(Mark Chen)さん(東京大学卒業生)
「生成的特徴量の角度依存性に着目した単画像からの視点角度推定の精度向上」リ・オウウ(Aoyu Li)さん(東工大卒業生)
「深層計量学習のための重要標本を考慮したプロキシ学習方法」石川康太さん(デンソーITラボ)
「遅れのあるイベントカメラ信号モデルによる運動推定誤差の理論限界の評価」八嶋晋吾さん(デンソーITラボ)
「特徴空間における粒子推論に基づくニューラルネットワークのアンサンブル方法(ICML 2022)」吉田悠一さん(デンソーITラボ)
「Implicit 画像表現を用いた解像度フリーな異常検知」鈴木哲平さん(デンソーITラボ)
「アテンションを用いた階層的クラスタリングによる画像分割」関川雄介さん(デンソーITラボ)
「NeRFの時方向微分とイベント信号の誤差に基づくイベントカメラ姿勢追跡」住吉信一さん(デンソーITラボ)
「動き制約と固定 2 次元ランダムパターンを用いた移動物体の密な形状復元」
参加者からは「講演ではAI研究の今後が示唆されていて聞いていてワクワクした」、「ポスターがどれも面白く、とても勉強になった」などの感想のほかに、「情報系では珍しい規模の産学連携だ」、「東工大の産学連携の制度と、研究マネジメントの在り方について大変参考になった」といった反応がありました。
デンソーITラボの岩崎弘利CTOは冒頭のあいさつで、「発展著しいAI分野においては基礎研究の成果の早期産業活用が重要」であり、それには「研究室運営を含む大規模な産学連携が有効」であるとの考えを述べました。本共同研究講座の代表を務める情報理工学院 情報工学系の篠田浩一教授は、この共同研究講座について「東工大からは9名の大学教員をはじめポスドクや多くのRAが、デンソーITラボからは6~7名の研究者が集まって出来た、画像認識・機械学習分野の大規模な研究グループ」とした上で、「今後のさらなる成果に期待してほしい」と終わりのあいさつにて述べました。