東京工業大学は、グローカルサマースクール2022「ひとによりそうを形にする—女性の働きやすい職場」を9月12~13日にオンラインで開催しました。
2019年夏より開始した「グローカルスクール」は、学問分野を問わずに世界規模の課題について考える集中プログラムです。「グローカル」とは、ローカルでの優れた技術や発想をグローバルに展開していく発想を意味しています。主な参加者は大学院の学生ですが、他大学の学生や留学生も参加できます。
本プログラムには、東工大から博士後期課程5名、修士課程3名の計8名が参加しました。
第1日目
9月12日には、グループワークと特別講演が行われました。
スクールの運営にあたる環境・社会理工学院 社会・人間科学系(リベラルアーツ研究教育院)の金子宏直准教授による講義の後、参加者は、事前に作成した自己紹介ポスターを紹介し、専門分野や好きな海の生き物のペーパークラフトを示しながら交流しました。
その後、参加者はZoomのブレークアウトルームでグループに分かれ、事前に選択した調査課題について話し合いました。各代表者がグループごとの議論を報告し、全員で女性の職場での働きやすさについて自由に討論しました。
特別講演
第1講演
農林中央金庫 常務執行役員 女性活躍・ダイバーシティー推進責任者の内海智江氏が、企業における男女平等、インクルーシブ推進に必要な仕事について解説しました。世界と日本企業の状況の比較も紹介しました。
第2講演
東京経済大学現代法学部の上机美穂教授が、職場における女性の個人情報保護について事例を使って重要性を解説しました。
質疑応答
内海氏と上机教授も学生の議論に参加しました。
グローカルサマープログラムでは、グループごとにテーマを決めて最終プレゼンテーションを行います。プレゼンテーションでは、説明のポスターと立体的なモデルを共同作業で作成します。講演の後、グループごとにプレゼンテーションの打ち合わせをして、コミュニケーションツールを使いグループワークに取り組みました。
第2日目
9月13日には午前中集合し、最終プレゼン準備確認とグループに分かれて作業を続け、審査にあたる神田学副学長(教育運営担当)が参加しました。各グループが10分間の持ち時間で、メンバー全員が交代でアイデアを発表し、質疑応答も行われました。
審査の結果、女性の働きやすいフレックスタイムの仕組みを提案したグループに、グローカル賞が授与されました。
受賞したグループのメンバーは情報理工学院 数理・計算科学系のマティアス・グーゼンバウアー(Gusenbauer Matthias)さん(博士後期課程3年)、環境・社会理工学院 土木・環境工学系の梶山青春さん(博士後期課程2年)、環境・社会理工学院 社会・人間科学系のグ・シユ(Gu Siyu)さん(修士課程2年)の3名です。
神田副学長は、「3つのグループの発表すべてが興味深く優劣をつけるのは難しい。その中で受賞グループは総合的に問題解決を提案している」とコメントしました。
また、神田副学長は総評で、「今回のプログラムで参加者が取り組んだように、世界で共通する問題に対する解決策を提案していくことが大切です」と述べました。
各グループの最終報告の概要は、グローカル・グローバル・スクールのウェブサイトで公開する予定です。