東京工業大学は、教育の質向上を目指した教員向けの研修「全学FD※12022」を11月8日に開催しました。FD2020とFD2021は、新型コロナウイルス感染拡大に配慮しオンライン開催でしたが、今年は対面方式による学内開催で教員42人が参加しました。
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FDはFaculty Development(ファカルティ・ディベロップメント)の略称で、教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取り組みの総称。
今回の研修テーマは、2016年度より始まった本学の教育改革の柱の1つである「学生が自ら学び考える教育の実現」を念頭に、「アクションパッケージ※2を考える:教員ひとりひとりから始めるさらなる教育改革」としました。
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アクションパッケージは、本学のミッションと目標、それに向かうビジョンをもとに、第4期中期目標期間(2022~2027年度)に、あるいはそれに続く数年間を含めて、われわれの「ありたい未来像」を実現するための戦略を列挙したもの。
当日は、益一哉学長、井村順一理事・副学長(教育担当)および小倉康嗣監事がオブザーバーとして参加しました。教育革新センター(以下、CITL)は、企画段階から実施運営まで担当しました。
開会あいさつと神田学CITLセンター長からの趣旨説明の後、参加教員はテーマごとに会場(東工大蔵前会館くらまえホール・ロイアルブルーホール)に分かれてグループ活動をしました。アクションパッケージに関連したテーマ、A「グローバル人材の育成を加速する方策」、B「なぜ博士進学者が少ないか、博士課程の魅力 UP方策」について、教員ひとりひとりが日頃どのように教育改善・改革に取り組んでいくべきかを話し合いました。課題と今後の対策等について情報を共有して活発な意見交換と検討を行い、各会場でグループ発表を行いました。各検討結果の発表後、質疑応答も行いました。
テーマAでは「留学・国際経験等の必須化・単位化」「留学への経済支援や各種プログラムの利用促進」「若手を中心とした教員がグローバル経験を積むことへの支援」について、テーマBでは「博士後期課程進学への経済的なインセンティブ付与」「博士後期課程の学生が研究に集中できる環境整備」「博士後期課程学位の重要性に対する社会的認知の醸成」について話し合いました。
各会場での発表後にくらまえホールで行った全体会では、コーディネーター(CITLの加藤由香里教授、畠山久准教授、山下幸彦教授)より各グループ活動の内容の要約と報告がありました。
全体会終了後、井村理事・副学長は、志願者の減少により問題になっている博士後期課程の学生の質を保証するための改革の重要性について、また小倉監事は、博士課程修了後のグローバルキャリアを支援して博士後期課程修了生が世界で活躍できるような諸施策の必要性について述べました。
最後に、益学長の閉会のあいさつでは、本学の博士後期課程のレベルアップのためには、個々の教員の自助努力と大学の財政的支援の協調が不可欠である旨のコメントがありました。
FDプログラム終了後は、ロイアルブルーホールにて懇親会を行いました。
全プログラムを終えて行ったアンケート(33人/回収率78.6%)
- 参加教員の満足度88%(「そう思う」「ややそう思う」の合計)
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今後取り上げてほしいテーマ(自由記述)
「系の運営や仕組みの改善に関するFDSD」
「ダイバーシティ&インクルージョン」
「講義のアーカイブ化の可能性」
「理工学授業に関するアクティブラーニングの実施方法」
- より質の高い教育を目指し「全学FD2021」を実施|東工大ニュース
- 教育の質向上目指す教員研修「全学FD2020」を実施|東工大ニュース
- 教育の質向上を目指して「平成30年度全学FD」を実施|東工大ニュース
- アクションパッケージ|東工大の方針|東工大について
- 教育の質向上を目指して「全学FD2022」を実施|教育革新センター(CITL)