Quantcast
Channel: 更新情報 --- 東工大ニュース | 東京工業大学
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4086

「教育改革の評価報告書」を公表 学院制の導入などを踏まえ教育効果を検証

$
0
0

東京工業大学は、2016年4月に学部と大学院を統合する学院制の導入など、先進的な「教育改革」を実施しました。同年度、学士課程に入学した第1期⽣が2022年3⽉に修⼠課程を修了したことを踏まえ、教育改革の成果を検証すべく、学生アンケート調査等の結果に基づき自己点検・評価を行いました。その結果を広く学内外に還元・共有するために「教育改革の評価報告書」を作成し公表しました。

教育改革とは

世界に飛翔する気概と人間力を備え、科学技術を俯瞰できる、優れた理工系人材を輩出するため、それまでの学部と大学院を融合し、新しい発想に立脚した教育組織を構築し、カリキュラム等の教育システムを一新した改革のことであり、2016年4月から開始しました。

本報告書の作成・公表の目的

本報告書は、教育改革の点検・改善と教育効果の可視化を目的としています。2016年4月から開始された教育改⾰の第1期⽣が 2022年3⽉に修⼠課程を修了しました。ボリュームゾーンである修⼠課程を中⼼に、学⼠課程から⼤学院課程までの一連の教育が、教育改革の⽬的に適切に機能しているかどうかを教育⽅法も含めて検証し、必要な改善を進めるために、本報告書を作成し、公表します。

本報告書における評価とその進め方

本報告書では、多様な改革項目を精査し、教育改革のエッセンスとして3つの柱を以下のように定義しました。これは、学生目線から見た場合の教育改革の本質である「学生主体の学び=Student-Centered Learning」が達成されているかを評価できるようにしたものです。

3つの柱

1.
基盤強化(国際力・教養力など学力基盤を向上させ、知性の自由度を増す改革)
2.
縦の柔軟性(学年別・時間方向の学びの制約を緩和し、学びの自由度を増す改革)
3.
横の柔軟性(分野別・空間方向の学びの制約を緩和し、学びの自由度を増す改革)

3つの柱

この3つの柱に属する個々の施策を評価するとともに、それらを実施した結果として、学生主体の学びをサポートする自由度が増したかを検証しました。
評価は、「卒業生・修了生アンケートによる教育効果の評価」と「教育効果のエッセンス(3つの柱)に沿った教育効果の評価」をそれぞれ実施しています。2017年度から毎年、卒業・修了予定の学生を対象に、教育施策・環境についてのアンケート調査を実施し、経年比較ができるよう、基本項目については毎年同一の設問を用いています。

評価結果概要

卒業生・修了生アンケート調査

アンケートでは、大学が提供する「教育環境」、「授業科目の内容に対する理解度・満足度」、「ディグリー・ポリシーで掲げた諸能力に対する成長実感」について、経年で調査を行いました。
「教育環境」では、コロナ禍の影響でさまざまな制約を受けつつも、学士・修士・博士のいずれの課程でも経年で満足度が上昇しています。国際経験については、コロナ禍の影響により満足度の低下がみられます。
「授業科目の内容に関する理解度・満足度」では、学士課程の専門分野の科目については大きな変化は認められませんでしたが、修士・博士後期課程では満足度が上昇しています。
「ディグリー・ポリシーで掲げた諸能力に対する成長実感」では、学士課程において科学技術倫理、問題解決に関する能力について成長実感を示す数値が上昇しています。

肯定的な意見と否定的な意見の2つに分かれる事項や、アンケート調査からは教育効果が確認できない事項も一部ありましたが、総じて肯定的な意見が多くみられました。

教育改革のエッセンス(3つの柱)に沿った評価

1.基盤強化にかかわる改革については「教養教育改革」「大学院講義の全面英語化」、2.縦の柔軟化にかかわる改革については「先取り学修制度」「早期卒業制度」「クォーター制と留学経験」、3.横の柔軟化にかかわる改革については「多様な将来像に対応した、柔軟で多様なアカデミック・パス」「学生が国際経験することができるプログラム」についてフォーカスし、それぞれの定量的な実績や課題についてまとめています。

まとめ

全体を通して、教育改革の「機能した点」と「これからの課題」という光と影の両面が指摘できます。改革に終わりはなく、機能している部分をさらに強化しつつ、課題に対しては改善を行っていくことが必要だと考えています。学生の個別コメントも含めて本報告書をぜひご一読ください。

「教育改革の評価報告書」は、下記よりご覧いただけます。

お問い合わせ先

東京工業大学 教育本部

Email kyo.kyo@jim.titech.ac.jp


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4086

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>