盛山正仁文部科学大臣が10月13日、東京工業大学大岡山キャンパスを視察しました。東工大と東京医科歯科大学が統合予定であることを踏まえ、益一哉学長と東京医科歯科大学の田中雄二郎学長が応対しました。
まず、益学長、田中学長の案内により、学生主体の「つながる」場を実現したHisao & Hiroko Taki Plazaを見学しました。次に館内のワークショップスペースにて、山崎太郎リベラルアーツ研究教育院長が、本学のリベラルアーツ教育の概要として、学士課程1年の「東工大立志プロジェクト」、同3年の「教養卒論」、修士課程1年の「リーダーシップ道場」、博士後期課程の「越境型教養科目」などから構成されるダイナミックなコア学修に触れながら、21世紀社会における「志」を育むことを目標に掲げ、「社会性」「人間性」「創造性」を兼ね備えることでより良き未来社会を築く人材を育成するカリキュラムについて説明を行いました。
続いて、盛山大臣は本学と東京医科歯科大学の学生7人と意見交換を行いました。両大学の学生からは大学統合への期待とともに、リベラルアーツ教育について、「さまざまな分野のメンバーが集まり議論することで、人間として深いつながりができた」「足りない知識をどんどん吸収していく姿勢を学べた」「他分野を目指す学生と議論し、協力して学ぶことができ、社会に出てからの多職種連携に生かしたい」などの発言がありました。
盛山大臣は、専門性を持つとともに、人をつなぐ力としてリベラルアーツが役に立つと述べ、志を持ち自信を持って語る学生らに感心したと話しました。また、これからは人間力が大事で、「また会いたい」と思ってもらえるような人になれるかが大切と話し、日本を支える人材になってもらいたいと期待を伝えました。
さらに、東工大蔵前会館では本学情報理工学院 情報工学系の三宅美博教授、情報理工学院の内富寛隆特任助教、東京医科歯科大学の服部高明講師が、医工連携となる「超高感度加速度センサを用いるパーキンソン病早期発見支援」の研究概要について説明を行いました。盛山大臣は加速度センサを体に装着する様子や歩行分析のデモも視察し、両大学が密に連携して臨床応用をめざしている現状に強い関心を示しました。その後の質疑応答で益学長が、センサの研究だけではなく医療応用も含めて研究を進めることの重要性を指摘し、盛山大臣からは保険適用や診断支援に向けて展開されることに期待が寄せられました。
最後に行われた懇談会では、益学長、田中学長が、両大学の統合によって生まれる新大学「東京科学大学(仮称)」への期待について説明し、盛山大臣と意見交換を行いました。また、本学と東京医科歯科大学が目指すコンバージェンス・サイエンスのスライドや東工大未来社会DESIGN機構の未来年表も交えて懇談を行いました。盛山大臣からは、「先を見据えたさまざまな動きに驚きと敬意を表する、皆さまからのご要望を少しでも生かしていけるよう、我々にできることを対処していく」と力強い言葉がありました。また、「アカデミア同士のつながりが必要な今の時代に、日本の先進的なモデルとなって、日本の競争力、日本のポテンシャルをぜひ高めていっていただきたい」と、激励がありました。
盛山大臣は、10月17日の大臣会見で今回の視察について次のように述べました。
「先週、東京工業大学に視察に伺いました。東工大の益学長や学生のほか、東京医科歯科大学の田中学長や、東京医科歯科大学の学生の方にもお会いし、学生さんとの懇談、医工連携による研究成果の視察に加え、両学長をはじめ執行部の方々との意見交換を行い、統合に寄せる両学長の意気込みや期待についてお話を伺いました。今回の視察も踏まえ、文部科学省としても、両大学に伴走しながら、しっかりと支えてまいりたいと考えております。」
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