東工大として最後の「ホームカミングデイ2024」をハイブリッド形式で開催

5月25日、東京工業大学は全学同窓会組織である一般社団法人蔵前工業会との共催で「ホームカミングデイ2024」を開催しました。今回も昨年に続き、ハイブリッド形式（対面とオンラインの複合型）で行いました。

ホームカミングデイは、卒業生が同窓生や先輩、後輩、恩師との旧交を温め、在学生は卒業生と交流する貴重な場として、また、地域の人たちには東工大について知ってもらう機会として開催している、1年に1度の交流イベントです。12回目となった2024年は、東京医科歯科大学（以下、医科歯科大）との統合を目前に控え、「東京工業大学」としては最後の開催となりました。

学科や系・専攻等の同窓会（学科等同窓会）が主催する総会や講演会、公認学生サークル有志による各種イベントのほか、医科歯科大の教職員や学生によるイベントも行われました。また、昨年に引き続き開催された「Team東工大会議」には卒業生や在学生、教職員、保護者など多数が参加し、充実した催しとなりました。

大岡山キャンパスの70周年記念講堂で開催された「Team東工大会議」には、558人（会場436人、オンライン122人）が参加しました。会議には同時通訳が入り、会場での参加者は配布されたレシーバーで、オンラインでの参加者はZoomウェビナーの機能で、日本語・英語に切り替えて視聴しました。医科歯科大の池坊華道同好会によって壇上に飾られた生け花が、会場に彩りを添えました。

第1部では、リベラルアーツ研究教育院の多久和理実講師が、「東工大の歴史から『抜け落ちた記録』について考える―女性への門戸開放を事例として―」と題して基調講演を行い、東工大の女子学生に関する歴史を探りながら、史資料の保存の重要性を話しました。講演後には会場から質問もあがり、東工大が取り組む「女性活躍」に対する関心の高さがうかがえました。

第2部では、リベラルアーツ研究教育院の池上彰特命教授がファシリテーターを務め、パネルディスカッションが行われました。パネリストとして、医科歯科大からは、お茶の水会会長・歯科同窓会会長の浅野正樹氏、大学院歯学総合学研究科 医歯学系専攻・医科同窓会副理事長の中村桂子教授、医学部 医学科の伊東巧さん（5年）、東工大からは、蔵前工業会理事長の井戸清人氏、松下伸広副学長（成長戦略担当）、物質理工学院 材料系の加藤優奈さん（学士課程4年）が登壇しました。両大学の同窓会を紹介し、「同窓会と大学力」をテーマに、同窓会と大学の連携や東京科学大学における同窓会の将来像について、パネリストそれぞれの視点からディスカッションが行われました。最後に、東工大の益一哉学長、医科歯科大の田中雄二郎学長が登壇し、パネルディスカッション全体の感想を述べました。

Team東工大会議終了後、2023年10月にオープンしたつばめテラス（西5号館2階）で全体交流会が行われ、323人が参加しました。益学長による開会のあいさつと蔵前工業会の井戸理事長による乾杯のあいさつで始まった交流会には、卒業生、在学生、教職員、保護者、医科歯科大からの来場者も集い交流を深めました。交流会では、東工大の歴史をまとめたプロジェクションマッピング「未来への架け橋—東工大の輝かしい旅路—」の上映や抽選会、佐藤勲総括理事・副学長からのあいさつがあり、最後は東工大合唱サークルのシュヴァルベンコール、コール・クライネス、向岳合唱団OBによる大学歌斉唱で閉会となりました。

多くの学科等同窓会が対面やオンラインで総会や講演会を行い、各サークルのOB・OG会でも交流会などが開催されました。またリベラルアーツ研究教育院がオンラインで講演会を行い、医科歯科大 歯学部による歯科医療体験、医科歯科大学病院、救急医療サークルTESSOによる救命救急ワークショップも開催されました。

学生サークルの企画として、東工大の管弦楽団、ラテンジャズのロス・ガラチェロス、アカペラサークルあじわい、男声合唱団シュヴァルベンコールOB会、医科歯科大のアカペラサークルtic tac♪、ジャズ研究会、混声合唱団などがコンサートを開催し、東工大の合氣道部、iGEM Tokyo Tech、ジャグてっくも、それぞれ活動内容を披露しました。他にも、東工大VG（ボランティアグループ）の物産展、東工大Science Techno（サイエンステクノ）の体験型イベント、蔵前理科教室ふしぎ不思議（くらりか）の理科実験教室などが行われ、多くの家族連れが参加しました。